サイト内検索

第10回「愛知万博検討会議(海上地区を中心として)」議事録

今後の検討会議について(1)

□ 谷岡委員長

どうもありがとうございます。皆様の方にまだ色々とご質問ですとか確認したい点とかございましょうが、後に皆さんの一通りの意見をお聞きしまして、その後フリーのディスカッションというものに時間を十分取りたいというふうに思いますので、まず最初に3分ずつを目処といたしまして皆さんのご意見をお聞きしたいなというふうに思っております。そうしますと、吉田さんから、こちらから廻ってよろしいですか。はい、お願い致します。

□ 吉田委員

すみません。こういう廻り方と思わなかったので心の準備ができていないんですけど、「委員長試案とその積み残しの課題について」と「今後の検討会議について」にも少しかかるような話をさせていただこうと思うんですけども、先程黒岩さんのほうから委員長試案を尊重する方向であるということでうかがいましたけれども、青少年公園の問題だとかアセスの問題をこの検討会議で議題でどのくらい詰めていくかということについて、それは6者合意の中であったはずだとか、博覧会協会からの委嘱であるとか色んな議論がありました。6者合意の方はここにいらっしゃる皆さん全員が出たような会議の中で決めていった訳ではなくて、あくまでも枠組みを作るという段階の話ですので、本当にどこまでこの会議がそこを決められるかというところまで詰めたわけではありません。ですからそこまで戻るというよりは、私としては先程から話に出てました委員長試案というものをきちっと、これについては皆さんがいる場で話してたわけですから、それを色々な皆さんのご意見、各委員のご意見もありました。そういったものも注釈として全部つけた上で一度ちゃんと採択すべきだと思うんですね。それに基づいて何が積み残されているかということをきちっと話すべきであると思っています。そうするといくつも積み残されていることがはっきりわかるのが15点私は見つけ出したんですけども、積み残しの課題というところをご覧いただくと、<会場計画について><海上地区について><青少年公園について><市民万博と協賛会場><万博を支えるシステム><成果の指標><今後の検討会議>ということで色々あります。もう既にこの検討会議の中で話したこともありますけども、ちゃんと課題として残っていると私が思ったところ、もっとあるかもしれませんが15点もあります。ですからこれについて、一通り終わった後のディスカッションの中でぜひこういった課題が残っているということを共通認識として確認して、早急に対処していかないといけないと思います。その中で先程の黒岩さんや森さんの説明の中で、市民参加について推進会議、委員会をつくっていくとか、それから「里山学びと交流の森構想」の準備会を作っていくとか、そういう話もございました。ただ、一番大きな課題として残っているのはここにAというマーク、これはアクセスの問題ですけども、それからYというマークをつけたYパーク青少年公園の問題、これについては非常に大きな課題として残っております。実は私も青少年公園の問題を議論する時に力石名古屋線とかそういった線はわかりますけど、もっと詳しい道路の名前を言われるとわからなくて、海上の森の中だとどこの尾根を曲がったら何があるまでわかってるんですけど、そういうところもありますので、そういうふさわしいメンバーでやりかけたほうがいいような気もするんですが、これはもう非常に私としては緊急を要することだと思います。これをちゃんと11月のBIEの来日、あるいは12月のBIEの登録までにきちっと話ができなければ、本当に申請はしたけれども登録はできないということになりかねない大事な問題だと思いますので、これは現検討会議の最緊急課題として議論すべきでないかと思っています。それ以外のKというふうにかいた海上の森地区の問題、これは先程の将来的な保全以外に環境要領に則した入れ込み数だとか準備段階のモニタリングシステムなど、そういったこともあったと思います。そういったものについてはふさわしい人数のグループを作るとか、それから市民万博と協賛会場については先程黒岩さんのお話にあったような会議を作るとか、そういうことが考えられると思います。ただ大きな部分はSと書いたシステムの問題、万博を支えるシステム、私一番問題だと思うのは愛知万博検討会議が非常に期待されてるわけです。それはなぜかというと、他の会議が全部クローズドで情報がないんです。この検討会議のみが完全にオープンでみんなの前で開かれてるわけですから、非常に決定してきたことも重みがある。ですけど、よく考えてみれば博覧会に関してはたくさん企画調整委員会とか合同PTとか通産省の方にも環境影響評価の評価会とか色んな会議があるわけでして、そういったものも全部変わってもらわないと、全部ここで決めなくちゃいけないのか、これは大変なことだと思うんです。ですからこの検討会議のみが市民に開かれたものにするっていうだけじゃなくて、愛知万博のプロセス全てが市民に開かれたものにしていかなくちゃいけないので、それをきちっとやっていただければ別に機構改革グループなんてのを作らなくてもいいと思うんですけど、もしそれができないんであればそういうことも課題として残しておかなくちゃいけないと思っております。ちょっと十分言い切れたかわからないんですけど、何か最初の頃は検討会議は申請に必要な海上地区という大事な問題について結論出してくれる金の卵を産むガチョウというふうに認識されてたと思うんですけども、ガチョウが卵を産んだらもういいやと、そのガチョウはどうもガチョウじゃなくてオオタカかなんかになりそうなんで、この辺でちょっと絞め殺しておこうかと、そういうような悪い勘ぐりをしてしまいそうなそういう気もしないではありません。ですから、きちっとその辺はもう一回親鳥の6者協議に戻すんじゃなくて、この検討会議が今度新しい卵を産むというふうにしていかなくちゃいけないんじゃないかなと思います。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。では次に山本委員にお願いしたいと思います。

□ 山本委員

長久手町の山本です。ご承知の通りこれだけの素晴らしい皆さんのおかげをもちまして7月2日に大筋で、海上地区につきましては大筋合意が7月24日ですか、できたわけでございまして、色々皆さんご苦労様でございました。前回発表の時に私のほうで申し上げました通り、確かに皆様方から貴重なご意見とかご提案をいただくのは結構でございますが、我々地元といたしましてはやはり長い時間をかけて工事等も、あまり議論ばかりして工事の期間が縮小されると非常に突貫工事等で交通公害等も発生するもんですから、ある程度ここで7月24日に合意できたものを尊重いたしまして、あとは開催の主催者の協会さんのほうに素晴らしい万博をやっていただきたいとそう思っております。あと内容ですが、私も今突然当てられたものですからまだ整理してございませんが、青少年公園についてはテーマに沿って現存の施設を利用するというふうにうたってあるものですから、自然の保全等は充分守っていただけるものと信じております。それから地元としていつも観客の交通アクセスとか下水とか色んな問題を担っておりますが、ここにも観客輸送のPTの方がみえるんですが、いつも大量輸送の鉄道が全然話に出ず、いわゆる20世紀型のシャトルバスで観客輸送するというのでどんどん進めてみえるんですが、ぜひ東部丘陵線という素晴らしい21世紀に誇るべく新しい新交通システムがあるんですから、それを皆様方にもお力添えを願ってぜひ実現させていただくようこの場を借りてお願い致します。私も試乗会にいってまいりましたが騒音も振動もございませんし、あれなら会場をにぎやかす本当に新しい21世紀の乗り物だと思っております。ぜひ楽しい賑わいのあるYP等の会場でございましたら、そういった夢のある乗り物だとか新技術を使ったエコだとかリサイクルだとか色んな方面のともかく素晴らしいものをあそこで提示し世界に発信していっていただくような万博にしていただきたいと思っております。
私も技術屋のはしくれなもんですから、先程申しましたようにプロジェクトチームは、プロの集まりのチームなもんですからやはり素晴らしいアイデアを持ってみえると思うんです。それをあんまりこういった議論の場でその案を潰すと確かにいいものは発生してこないと思うんですよね。こういった会議に出される時、担当の方は徹夜したりなんかして最良のものをいつも出されるんですけども、案外こういった会議で潰されちゃって非常に落胆してみえるんです。ぜひもう一度挽回して素晴らしいものを企画していただいて、ぜひ成功万博に結び付けていただきたいと思っておりますので、プロジェクトチームの方一つよろしくお願い致します。以上でございます。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。では次、山口町の山田さんよろしくお願いします。

□ 山田委員

交通アクセスについてはまだ本当に心配な部分が私の方はたくさんあるわけで、瀬戸市の東部環状ですか、都市計画決定はされてるんですが、実際に2005年までに間に合うのかどうかということは「間に合うであろう」というご返事を行政の方からいただいてるんですが、そうでないとかなり会場の近くということで毎日の生活にも長久手の前田さんのほうからお話があったように心配な部分があります。ですから2005年までにきちっともう一つの第3環状も含めてですけども計画通りにしていただけるように行政の方には特にお願いしたいなと思っております。そうでないと住民の方もかなりその辺にこだわっておりますので、万博そのものにも反対しかねないぐらいの方も随分おられます。ですからぜひともお願いしたい。それから一つ一番心配であったのは海上地区の中で現在家が建って田んぼが少し作ってあるところですけど、森山さんの意見の中にもありました、谷岡委員長の試案の中にも6番目でしたか7番目でしたかちょっと記憶にないですけど、その辺りについておりました。今回そこも含めてであろうと思いますけども里山学びの森ということで推進会議が始まるということで、それは一つ安心をしております。それも早急にお願いしたいのは、先日の豪雨でかなり海上地区全体がひどい状況になっておりますので、早急にその辺も含めてお願いしたいということ、以上です。

□ 谷岡委員長

では森山さんにお願いします。

□ 森山委員

お手元の資料―9をご覧になっていただきたいと思います。私の意見はそこに書いてありますが、これを全部読み上げると10分ぐらいかかります。かいつまんで要点だけを述べさせていただきたいんですが、今までの議論の中でどうも検討会議というものを万能のように考えるような、最終意思決定機関であるような考え方で審議している方がおられると思うんですけれども、今回の例えば閣議決定云々という経過を見てみますと決してそうではないんですね。我々諮問されているわけでそれには限界があるということをわきまえた上での議論をすべきではないかというふうに私は考えております。そしてこの検討会議の課題というところですけども、先程吉田さんが言われたように、まずは委員長試案をきちっとこの検討会議の基本方針とするという、そこをまずきちんとやるということが必要だというふうに私は思います。それから裏の方にいっていただきまして、もう一点が森局長からもお話がありましたように海上の森を保全するための検討会議というんでしょうか、推進会議と称しておられたようですけども、これを確実に立ち上げていただきたいということです。これはもう局長のお話でもうじき立ち上がってくるということなので安心はしておりますけども、その内容的な事柄についても私どもは言いたい事がたくさんありますので、これは個人的に局長にはお話してありますのでその辺のところをきちんと考えていただきたい。つまり海上地区の地権者の方々の意向を充分汲み取る必要があるということ。それから自然保護ということに関しても8月10日に出された里山学びと交流の森づくりの構想ですね、私はその内容が大変優れたものだと、基本的なコンセプトとしていいだろうというふうに考えますので、それに則った内容のふさわしい委員の選任をしていただきたいということが一点考えております。それからもう一点は、二つの分科会を設置してみたらどうだろうかというふうに考えております。一つは青少年公園の問題とアセスの問題ですね。これは登録までにどうしてもやらなければいけない事柄であると思いますし、青少年公園の問題はアクセスの問題、環境負荷の問題に関わってきますので、環境万博を掲げる以上これはきちんと方向付けを与えることが必要ではないかという思いがありますので、そういう一つの分科会。それと、これこそ万博の成功のかぎを握っていると思われる市民参加と広域展開、これを検討するグループといいましょうか分科会、この二つを設ける。そして検討会議はもう終わってしまうんではなくて、その上に検討会議が絶えずそういう問題を全体にフィードバックしながら検討していく。そして検討会議はチェック機能をちゃんと持たせていくべきで、そういう意味で検討会議が存続をするということが大事であるというふうに私は考えます。基本的なことは、やはりこの検討会議の性格は、他の会議ではない特徴というのは市民参加ということと情報公開であると思います。この二点がきちんと保障されるような会議でなければ、この検討する中身を他の会議に委譲するとか、そういうのは避けるべきではないかというふうに思っております。以上です。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。では次に森川委員の方にお願いします。

□ 森川委員

遅れてきまして申し訳ございません。3分間スピーチは無くなったと聞いていて考えてきてなかったんですけど、先程アクセスの話が私がまいりましてからも皆さんおっしゃっておりますので、アクセスの話を中心に行いたいと思いますが、私この検討会議には企画運営委員という立場ということで参加してますので、いつも非常に微妙な立場でその点ちょっと苦しいんですけども、アクセス問題というのも微妙な問題でありまして、アクセスというのは一体誰がそれをサポートするのかということです。先程鉄道の話が出ておりますけども、愛知環状鉄道にしましてもまだ不確実性が高い東部丘陵線にしましても一応第三セクターにしましてもこれは会社組織であります。それからJR東海も当然会社であります。そこにアクセスを何とかしてくれといった場合に、それは単なるお願いなのか博覧会協会が全て経済的な面から財政的な面からサポートしなくてはいけないのかというところが非常にまた複雑でありまして、例えば八草と青少年公園の間、何とかそこだけでも東部丘陵線を造ってくれないかというようなことを企画運営委員会の中で言ったんですけども、そうすると「そんな採算性の取れないような事業を始めちゃうと東部丘陵線の会社は会社としては大変な問題になる」ということが出てきますし、愛知環状鉄道の新駅にしてもそうです。また最近少し心配になってきたのはJR高蔵寺駅のスルー、これは完全に解決したと思ってたんですがこれさえも少し蒸し返されてきたということで、あそこのスルーがなくなって名古屋駅から10両編成の鉄道が通らなくなったら、もうこれはアクセスは完全に破たんします。今でもかなり苦しいんですけど、その他道路問題でも道路が混雑するから何とかしてくれというのを、協会がやるのか道路の管理者がやるのか、例えば県なり建設省なりがやるのか、これも内部の委員会の中では大変にもめるところで、その揉め事をそのまま引きずって私ここの検討会議に来て、色々たたかれてまた持っていってはたたかれる。なかなかアクセス問題、前も申し上げましたけども我々の外の方との交渉になりますので非常に難しいというのが現状であります。もちろん難しいからといって逃げるわけではございませんけども、一筋縄では行かない問題だということでありますが、引き続き本当に環境万博にふさわしいアクセスというのを何とか確保していきたいというふうに考えております。以上です。

□ 谷岡委員長

どうも森川さんありがとうございました。では前田さんの代理で小池さんよろしくお願い致します。

□ 小池さん(前田委員の代理)

青少年公園のことから私は発言させていただくということで、前回青少年公園のことの取り扱いについて議論が少し出ました。やはり私たちとしましては基本的な枠組みについては検討会議でぜひ行っていただきたいということで意見を申し上げさせていただいています。前回の検討会議でそこら辺が非常に私たちとしては心配の種となりましたので、前回の検討会議の後皆様方の方へおよび協会の方へ申し入れをさせていただきました。今回のワンセットになった資料―7がそれです。その後も色んな方からのメールなどもありまして、およそ青少年公園についても全くなされないということではないという、そこら辺は皆様の多くの方のご意見もいただけているかなと思うんですけども、ぜひ検討会議で基本的なものは、これは先程吉田さんがおっしゃられましたような前提であると考えております。しかし基本的枠組みというのがどの程度なのかということが問われることになるかと思います。私たちとしましてはそのよりどころがこの委員長試案として出されているものではないかと思います。この中には海上の森それから青少年公園ということで項目が立てられております。先程から皆様方のお話にありますようにこの委員長試案、先程委員長がこの基本計画については試案を尊重するということでよいかという確認をされましたけども、試案を尊重するということではなくて、やはりいつまでも試案と言っていないできちんと検討会議としての報告なりそういう形にしていきたいというふうに私も考えております。それに際して一つだけ、青少年公園についてはまだ私は議論が充分されてきていないと思っております。と申しますのは青少年公園に関して最後の前の回でしたかボリュームチェックというのが出まして、その時にその中で試案についても若干触れられた記憶はございますけれども、今回も出されております試案についての「委員長試案(報告書)について」という右側に委員提案というのがありますけども、青少年公園に関しましては白紙のままであるという部分になっていると思います。ちょっと確認していただければいいと思うんですけども、私たち7月24日に非常に海上の森のことで議論が紛糾していまして、青少年公園のことまでなかなか及んでいただけないということもありましたので、7月24日には青少年公園について試案に関する提案ということで出させていただいてきております。それを今日も再度出させていただきました。で、これはいろいろ1、2、3、4、5、6と一見たくさん書いてあるように見られるかもしれませんけれども、基本的には委員長試案を基にできるだけ委員長試案に合わせたというかそれを基にして、あと特にこちらがこれだけはという所を提案をさせていただいているものです。今日お出しさせていただきました提案について、含めて試案をきちんとした形にまとめていただきたいと思います。私たちはその中で特に規模のことについて常に前回からも申し上げている訳ですけれども、その試案の中でもまず交通アクセスや公園内の利用可能面積から勘案して適正な規模を求めたいということを特に申し上げたいと思っています。これは実質どういうものかというと、私たちは第3回の提案の中では4~5万という提案をさせていただいております。これはさまざまな根拠をもっておりますので交通の面、今もおっしゃられましたけれども町の駐車場のこと、それからさまざま、11万人ありきで計画がされているわけですけれども、なんら対策が保証されたものがまったくない状況というところで大変不安というか11万人は無理なのではないかと考えておりますし、下水のことそれから利用者のことなどから含めてそういうことをぜひ、そういう規模でということを申し上げたいと思っています。私たちは、こういう話をしていると「いったいあなたたちは推進をするのかそれとも反対をするのか」とよくそういう形で言われるんですけれども、私たちは本当に立場としましては、いわば長久手町に向かっておみこしの大群が一挙にわっと押し寄せてきたと、そういうような感じがしています。まあ、もともと海上の森に向かっていたものが急に方向転換をしてきたわけで、それについては海上の森は守りたいということもあって、私たちはぼうっと見ていたらなんか大きな巨大なおみこしに踏み倒されてしまう。ということでちょっとどうしたらいいんだろうと起き上がったわけです。そういうときに、まったく全部じゃあバリケードをはってこっちへ来るなと言っているかというと決してそういうわけではないです。まあこの地域を一番よく知っている、生活している者たちの立場から見て、それからさまざまなことも勘案して「これだけなら通れるよ、ここならいけるんじゃないか」という提案はしているつもりです。それには、このおみこしは余りに大きすぎる。もう少し考えたら、もう少し大きさを考えてほしいというようなことを言っている。そういうところだと思います。ですから、私たちの提案としては、いまそういう規模のこと、それから環境に配慮したということが私たちに言えることだと思っていますので、それを試案に含めたものとしてきちんと見ていただきたいと思います。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。では、藤原委員よろしくお願いいたします。

□ 藤原委員

藤原です、なんかなんとなく暗くなって隣の小池委員のお話の延長だとどうしても暗くなるんですけれども、私30年前のエキスポはどうだったんだろうかと自分で今考えながら、できるだけポジティブな方向へ気持ちを持っていきたいと思っているのですが、何回も行ったんですけれど若い頃でした。やっぱり、わくわくだとかどきどきだとかそういったものを与えてくれたと思います。30年前です。2005年で35年になるのですが、はたして次の万博愛知万博、環境万博でそれができるかどうかということが一つのポイントになると思うのですが、それをやらなきゃいけないと思うんです。それはやっぱり若い人のために、次の世代のために何か残したいという大人としての我々の責任であるかと思います。そのためにきっちりとどういった内容で、何をどのように見せるかという、自然の叡智をどう表現して何を残すんだ、そして誰のために何のためにといった目的展開を行うことによって、たとえば未来を予測するとか2005年の未来を現在へ引っ張ってくるといったイメージを持つと、今問題となっている環境問題というのはもしかして今以上当然にクリアされているだろうし、そうでなければ日本列島はゴミの山になり日本は沈没してしまうと、こんな悲惨なことになるかと思うんです。ですから、つまり2005年にあたり前になったと、あたり前になった環境意識の次に目指すものはやはり高齢化社会、高齢者・ハンディキャップの人が今以上に増えてくるだろうし、今までそういった、こういった楽しいイベントに参加出来なかった人が気楽にいけるようなエキスポ、そして家族、自分じゃなくて家族を連れて行きたくなるようなエキスポ、楽しいエキスポ、癒されるエキスポ といった人間を追及した、そういったユニバーサルデザインだとか、アメニティーを追求したようなエキスポになってほしいと思いますし、我々市民の力でそういうふうにやっていくべきだと思います。最終的に、水面に石を投げたときの波紋が輪になって広がっていって、またその波が新たな輪を生み出して、そういうようにエキスポのテーマ「自然の叡智」が世界に広がって人の意識改革が起こって、最終的に日本はすばらしい最先端の環境技術を世界に発信して世界の人の役に立ってもらう。そして、きれいになった日本を世界の人にアピールして、最終的には本当に環境立国になれるような可能性は十分あるかと思います。そういうふうにしていきたいと思います。今後ですね、博覧会で具体的に何を見せるのか、また市民参加システムをどのようにすればいいのかといったことが重要なポイントになると思います。そういった意味で、今回のこの会議のメンバーの國分委員と私とで今度国際シンポジウムをやることにしております。今私がしゃべったような内容も出るかと思いますが、テーマは「里山と自然の叡智・何ができるか愛知万博」9月30日土曜日、三の丸庁舎、愛知国際プラザ2階でやりますのでぜひ皆さんご参加ください。失礼します。

□ 谷岡委員長

最後はCMタイムになりましたが、ありがとうございました。では林委員よろしくお願いいたします。

□ 林委員

私はこの検討会議がどういった役割を果すべきかということについてしぼってお話申し上げます。森山さんが最初おっしゃった問題と関わってくるわけですが、二つの側面で考えておきたいと思います。一つは協会において、協会内といいますか協会という組織の中に設置された本検討会議の持つ意味と、もう一つはこれを一つの新しいシステムとして考えたときに、この検討会議に集うメンバーそれぞれといっていいですがどういうふうにこの成果を生かしていくのか、という二つの面があろうかと思います。最初の面につきましては、本検討会議が完全な公開とおっしゃった方がいますが、私は不完全な今の公開制でしかない、完全な公開制はこういうものではありません。それから市民参加型の検討会議だという意見もありますが、私はこれは擬似的な市民参加型だと思っております。本来の市民参加型の会議ではありません。その限定されたものだと、公開制においても限定されておる、市民参加型においても限定されておる。この限定されたものが実はこの検討会議であると、あまり過大な評価をこういう面でもしないでいただきたいと、そう思っております。そうしないと、本来の市民参加型への発展を閉ざしてしまう。この検討会議をいくら改良していっても本来の市民参加型というのは出来ません。本来の市民参加型は決して財団法人の要綱に基づいて設置されるものでなくて、たとえば愛知県だったら愛知県の県条例を基にして、基礎にして設置されるものです。立法府によって保障されたものでない限り行政面あるいは実態的な運用を行う。そういったスタイルによって設置されたものはあくまで限定されたものでしかない。そういうことを一つ認識していただきたいと思います。このことがすなわち、この検討会議が本来議論すべき内容、あるいは同様、組織的な意味を持っているのかということをしっかりと自覚する。そういう意味になります。限られた役割を果すべき、あるいは限られた内容で集中して議論して答えを出していく。それがこの検討会議の内容だろうと思います。その一つの端的な問題が委員長試案として出されたもの、今にいたるまで試案のままで動いてきたということは、この検討会議そのものが本来の役割を果していないということになろうかと思います。たしかに協会に設置された検討会議ですけれども検討会議の招集権がいずれにあるのか、この会議の、前回も議論になったのですが、会議を招集したときに「この会議を始めます」とだすのが委員長にあるのか協会にあるのかそれさえはっきりしていないという、そのことについてははっきり整理しておくべきだろうと思います。9月19日の閣議決定以前にこの会議を開いてほしいという要望がたくさんあったわけですが、いろんな日程上の問題等協会側にあったかと思います。それははじめに釈明されたわけですが、それはそれとして、検討会議自身として開けなかったのか、そのことについては私まだ納得できておりません。委員長にその権限はなかったのかどうかですね。そのへんが、いわば擬似的な市民参加型っていうその限界だろうと思っております。そういうことで議論する内容もそのように限定して考えていかなければならないのか。そう思っております。こういうふうな博覧会といういわばプロジェクトベースの市民参加型というものはどういうふうなものであるべきなのかということをきっちり今示しておかないと、この検討会議の成果をふまえて次にこの成果を託すのは何かというと、さっき出ておりました積み残し課題のモニタリングシステムの形成だと思います。あるいはアセスメントをどういう組織でどういうふうにやっていくのかということにつながっていくんだろうと思うんです。そこに何を託すのかということをきっちりしておかなければならないだろうと思います。これを今この検討会議がこのプロジェクトベースのこのシステムの中できっちり確認してだす。本来はいわばもっと基礎になるものというのが恒常的なプログラムベースというんですけれども、そういう市民参加型の組織が県行政の中できちっと確認されておれば、確立されておれば、そっちが本来そういう役割を果していくことになるんですけれどもそこへ直接つながっていけないわけです。したがってこの検討会議の役割を、あるいは議論する内容を限定して、しっかりとそれについてまとめて、ここでできないものは新しい仕組みの中に託すと。そういうふうにバトンタッチする仕組みを作っていかなければならないだろうと思います。それからもう一つは、この検討会議を一つのシステムとして捉えた場合、日本自然保護協会以下自然保護団体が入っております、ここで海上森を守ろう自然環境を破壊しないで博覧会の主旨も生かしながら自然保護あるいは里山保全というものを一つの大きな世界に対して日本が発信するあるいは愛知県が発信する、そういう情報として作り上げていこうという確認をしているわけですが、次の段階あるいは次の段階においてここで議論し確認してきた海上の森をなぜ守るのか、なぜ里山保全を図るのか、そのことがいわばいまだに愛知県においてすら当然のこととして受け入れられていない。海上の森を守るということについて計画縮小したというのは新聞の世論調査の結果でも同じようなパーセントを示している。しかし果たして里山保全がいわば愛知県内においてでも当然のこととして社会化されているか、されておりませんね。と言いますのは隣の長久手の町内におきましては現在公共的な事業ということで都市改良事業を計画して既に実行に入っております。名東区猪高緑地に隣接する広大な里山地帯が全面的になくなる、そういう計画です。そこには既に博覧会用の駐車場建設も始まっている。道路建設も始まっている。名古屋市でその名東区猪高緑地を自然の状態、生き物のためにほとんど手をつけずに保全していこうという、そういうことを計画立てているんですが、隣を全部削られたんでは何ともならない。ご承知のようにあそこは名古屋市内に残された里山緑地としては非常に貴重な自然環境です。そういったものですらまだ訴えられていない。ということで考えた時にここで議論してきたこと、万博計画を推進していく中でどういうふうにここで我々が確認したことを、いわば市民社会向けにどういうふうに訴えていくのか。このこと自身ここに集まった皆さん方それぞれの役割だろうと思います。この検討会議のシステムではそこを担うことはできませんが、それを一つ大きなテーマとして博覧会の協賛会場をどうしていくかということ同時に、ここで海上の森について議論してきたこと、少なくとも愛知県内に当然のこととして里山保全というものをどう図っていくのか、破壊でなくてどう保全するか。そのことを一つ大きなテーマとしていくべきだろうと、それが本来の意味での環境保全というもの、自然保護というもの、それをテーマにしたもの、愛知万博が掲げる問題の社会化のプロセスだと、そういうふうに思っております。こういったことを一つ念頭において議論していきたいと思っております。以上です。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。では萩原委員よろしくお願いします。

□ 萩原委員

なるべく時間を守っていきたいと思っていますけれども、今林さんが検討会議自体の公開性、市民参加型というのも擬似的で不完全だというお話がありましたけれども、私は検討会議自体非常にある意味を持っているし可能性も持っているという立場で、しかもですね、最近この検討会議でも、私市民団体の人間であるということでありながら協会の委員ということでスタンスが非常に分かりにくいというご指摘もありますので、これは協会のメンバー、協会の委員として発言をしているということでお聞きいただければいいと思いますが、協会としてもやむなく検討会議を作るという状況があったと思うんですけども、そういう意味では収束をさせていきたいという方向があると思う。私が協会の委員としてはぜひこれは存続すべきだろう、これはやってみてわかったことですが、合意形成の場、それからなかなか外に見えないという事で情報開示システムになっているし、ある意味で僕はここは一番大きいと思いますが、危機管理システムの機能も充分に果たしていると、そういう意味ではこの検討会議でいわれてきた祝福される博覧会になるための、これは必要なツールだろうというのが私が事業者側に立った時の考え方、ただ翻ってですね、じゃあこの検討会議のメンバーいわゆるここに集まっている事業者側以外の市民側という言い方をしてもいいと思うんですが、にとってはこれはトレーニングシステム、これは事業者側にとっても同じかもしれませんが、いわゆるこの検討会議自体が事業者側から祝福される状況を作れるかどうか、この検討会議が事業者側から「非常にあれは役に立った」といわれるようにならないといけないだろうと、そういう意味ではよく言われる憎しみと対立と相手を認めない勝ち負けという世界でない形の検討会議をどう作れるかというのが、私にとっては一番の大きなテーマだったというふうに思ってますので、その辺はこれからも非常に重要な局面を迎えると思いますので、その視点を忘れずにやっていきたいと思っています。
あと市民参加のシステムの話が一つ出ましたけれども、協会は全然検討してこなかったわけではなくて、唯一研究会という形で市民参加システム研究会というのがあります。しかもこれは企画運営委員の委員の自発性からできた研究会であるというのも、ぜひ記憶に留めておいていただきたい。その大きなコンセプトは博覧会というのは最初のエンジンは国家であり二つ目のエンジンは企業であった、新しい時代を見せるのは三番目のエンジンとして市民というものを見せるということをコンセプトに計画を進めています。ただ大きな問題は果たして担う市民がいるのかというのが事業を進める側にとっての大きな懸念です。そういう意味でもパイロットプログラムという形で担う市民がいるっていうことを証明したいという段階に来ているということを報告をしておきます。以上です。

□ 谷岡委員長

では次に戸田委員よろしくお願いします。

□ 戸田委員

私どちらかといいますのこの瀬戸周辺以外の地区から検討会議に参加させていただきました。その視点から言いますと、市民参加、広域化というところになるんですが、検討会議を通しまして非常に私どものエリアでの関心というのは高まったということがあります。そういうことでは公に情報が流れている、その内実が不完全なところが当然あると思いますけれども、流れることによって非常に市民意識が喚起された、一方で面積が減ったということでできるのかという話も多々出ておりますけども、参加という側面においてそれは随分広がりを見せたというふうに思います。そういう意味では委員長試案の頭に「愛知万博は挑戦的な実験の場」というふうに書いてありますけれども、検討会議自身も社会実験として始まったということであろうと思います。これから先程林先生がおっしゃったような方向に段々進んでいくだろうというふうに思います。ただ試案の内容をどうするかということ、これから出てくると思いますし、先程吉田委員が見事に列挙しておられましたけども、検討の過程の中で時間を経ていく中で、検討というよりも試案というよりもかなり現実になっている問題というのが当然あります。交通の問題は当然そうでありましょうし、それからセキュリティ会場と書かれたことにつきまして現実的な内容として現れているというふうに思います。そういうときに検討会議がこの後何をどういうふうに検討していくのかというのは非常に重要なことであると思いますし、検討しきれるのかということが先程来出てまいりましたけれども、森川先生が先程交通の問題の所在とここで検討できること、それは協会含めてどこまで検討できるんだというような指摘がありました。そういう意味で検討会議のその後ですが、私は検討会議はパブリックの場というふうに思います。官でも民でもないパブリックというような場であると思いますけども、次のステップがどう踏まれるかということと一体になって、その手順を見てこのYパークの検討すべきことというのも決めていかないと、堂々巡りになる可能性が充分あるのではないかというふうに思います。試案全体として検討すべきことは、さっきの15の項目から見ても非常に多様ですから当然メンバーもそれなりの形に変化、追加あるいは転換というようなことがある時点に起こるというのは、これもまた当然だというふうに思います。協会のほうでは登録12月ですからその後の何らかの変化はあると思いますが、開くような開かないような状況がまたずっと続くというようになるということは非常に懸念されることでありますから、期間的に言いますれば、新しい協会に進む前に何らかの形というのが提起されるべきであろうというふうに思います。委員長試案では5で今後の方向性というところがありますが、その中にやはり先程来そういう意見が出ておりますが、今後こういうものを設置していく、それは具体名なのか方向性なのかわかりませんが、それを明記してそれをもって試案の完結というふうに、委員会案とすべきではないかと思います。それから広域市民につきましては先程黒岩さんから推進会議という話がありましたけども、地域外から見ましてぜひそのような受け手、受け皿というのは必要であるというふうに思います。そのことによって本当に市民、地域全体が取り組むことが出来る博覧会という形になっていくんだろうというふうに非常に期待をしております。推進会議がいいのか支援会議がいいのかその辺はわかりませんけども、大いに検討していく必要があると思います。以上です。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。私もちょっと意見いっていいですか?いけません?じゃあ少し触れさせていただきたいと思います。
この間ずっといろいろ見てきて計画案について私が考えてきたのは、これで果たしてチャレンジングで実験的な万博になるんであろうかどうなのか、先程来何度も出ておりますけれども、交通アクセスでもバスで運ぶというようなアメリカでももし万博をやるというのであれば公共交通アクセスは造るのは当たり前だと思うんですが、最も大気に対する影響だとかエネルギー効率から言っても悪いものを環境万博でメインの手段として行うというようなことを一方でやりながらそれができるのか、これがどこがチャレンジングで実験的なのか全くわからないというのが実はあるんだと思います。チャレンジングにあるためには、一定のちゃんとした整備状況というものを作らなければならない、そこのコミットメントは全然していない。1,350億円でも高すぎる、550億円の運営費でも高すぎるんだと、これを誰が最終的に払うのかという問題はあるわけですけども、やはりこの辺について経済界もスポンサーの立場からすれば当たり前でしょうけども「高い、高い、高い」とおっしゃっていて、これからまだどんどん削られそうだと、市民参加だとか広域連携とかということについても「どんどんやりましょう、やって下さい」という話なんですけど、それを1円も使わないでどれだけやれるんだろうと、どれだけ本格的なことがやれるんだろうか、そこには今でももっと切り詰めなければいけないという話がある中に、そこはどういう形で確保されるんだろう。非常に大きな疑問がございます。チャレンジングにする為にはやっぱりチャレンジングな状況が必要であって、チャレンジをする為の前提というものがあろうと思います。そうでなければただの言葉のキャンペーンにすぎないんではないか。大変奇異に思いますのは、いわゆる公共事業と称するものがですね、大体その半分、例えば県の事業であってさえ半分県が出して半分国が出してくれる。自治体か何かでやるもの、例えば自治体が何か申請しますと半分ぐらい国から来ると、なぜ国家事業である万博に対しては国家は3分の1しか出さないとおっしゃるのか、この辺はどうしてもわからないですね。国家が3分の2をお出しになって地元が3分の1であるとか、国家が半分、まあ愛知県は大きいから同等であるとして半分として、じゃあ経済界と例えば県なんかが自治体なんかがその半分ずつを受けるというならまだわかるんですが、県事業、自治体事業よりももっと低い割合でしか国がお金を出さない国家事業というのは、根本的に基本的なところで理念として矛盾しているではないかということを非常に強く感じます。国家のコミットメントというものに対してちゃんとおやりになるというのであれば、ちゃんとやれる状況というものをぜひ作っていただかないと、これは何か私たち検討会議も色々いってきて「やるんだ、やるんだ」といって、でもどうやってやるのかといったときに資源がないということでは、私たち自身が共犯者になってしまう問題なんで、とても心配をしております。それから保全事業なんかもそうだと思います。国家事業としておやりになる保全ということの後やるのであるならば、やはり国家が保全に対しての資源はぜんぜん知りませんよというようなことで、例えば後は自治体任せですよとか、そういうことで、あるいは市民は一生懸命がんばってボランティアやる気がありますけど、その為の必要な最低ベースというものもあろうかと思います。それをどういう形で確保できていくんだろうか。単純にいいますと私は今度のチャレンジングな万博というものが、どういう点で一番チャレンジングであるのかと言えば、皆さんがさっきからおっしゃっているとおりです。簡単にいってしまえば、ハードウエアの社会整備ばかりをやってきて「これが社会整備だ社会整備だ」といいながら、人的なおそらく日本のように自然が非常に厳しい状況、狭い国土であり多くの資源を持たない地下資源なども持たないこの国において、なぜこの国がここでがんばっておれるかといえば、それは人的社会基盤というようなものを、例えば明治の非常に貧しい国家であった時にも随分がんばってシステムとして作ってきたからなんですね。人的社会基盤こそがこれからの日本を生かしていくものであります。もし21世紀に日本がチャンスがあるとするならば、まさにそうなんだと思います。この変化の速度の速い時代にあってただ子供をしっかり教育すればその後ずっともつんだよというのではなくて、どの世代にある人間も我々は全て自分達が変わっていかなければいけない。先程教育のプロセスとしての、そういう実験のプロセスとしてのということの万博ということがでてきましたけども、万博が何をやるのかといえば21世紀の市民、これを作るということであり、21世紀の人的資源をちゃんとつくる事によってそれを社会基盤整備となすということだと思います。そしてこれこそが最も投資のしがいのある公共事業なんだと思います。であるならばそれが例えば「切符が何枚売れて採算性が取れるか取れないか」「儲かるのか儲からないのか」「赤字が出たらどうしようか」というようなことを心配しなきゃいけないという事自身がもはやとても間違っている。学校で義務教育をやったら、どれだけ投資としてこれが採算性が合うか合わないのかということを考えたら公立の学校は全てつぶれます。国立大学全てつぶれます。そういうことは人的の社会基盤というものを整備する上では当然必要なことであって、この人たちが今後何十年という時間の間に日本を活性化させ基盤になっていく。ならばそういう簡単に「赤字、赤字」というのではなくて、国家はやはりこれからの日本というのは人的な社会基盤、そのネットワークというものをきっちり作っていかなければならないというスタンスに立って、そしてその為に必要な資源というものを当然国家事業なんですから国家がお考えになっていただきたいなということを痛切に思っております。これが今日の私の意見でございます。
森嶌先生いかがですか。

□ 森嶌副委員長

委員長は3分以内といって6分以上話されましたので、私はなるべく3分以内ということで引用させていただきたいと思います。私は森山委員の意見に全面的に賛成でございます。私自身はこの会議が不完全なところあったでしょうけども、情報公開する、そしてまた議論が公開されている、もちろん皆が見ているわけではございませんけども、そんな意味で非常にチャレンジングだったと思うんです。ただその場合に私どもが何をやるのかということについてきっちりとした了解なしにやってたもんですから、そんな意味で議論も拡散しましたし、果たして今後やっていくときどういうふうなことをやっていかなければならないかということは今改めて議論をしなきゃならないわけで、その前提として森山さんがおっしゃったように、これは諮問委員会だということをきっちりはっきりさせる。そしてやるかやらないかということは全て協会の責任においてやる。ただその場合ここで言ったものは言いっ放しになるのではなくて、ここで言ったことを協会ができるのかどうかということについてちゃんとした根拠を示して我々の会議を通じてよそへ出していく。つまりアカウンタビリティーと最近言っておりますけども、市民参加には二つの形式があると思います。一つは完全にチェックするという形ですね、いわばここでイエスといわなければ先へ進めないという意味でのチェックという機能があります。それからもう一つはチェックですけど、もっとこちらから提案をしながら実際の事業主体がどういうふうにやっていくかについて、対話ないしはアカウンタビリティーを求めながらこちらの意見を言うというそういうことだと思うんです。その点で今までやってきたことは6者合意というものが根拠になっていて、つまりノーと言ったら合意ができなかった。結局一人反対しておられたけど突っ走っちゃいましたけども、誰かが反対したら先へ進まないと、つまり皆がいかに不満な思いを持っていてもそれ以上進まないという状況が最初から設定されてたかどうかわかりませんけども、設定をされているということでやったわけですけども、今後は合意ということを言うと、結局ここに色んな提案がありますけども広域的な、こういうものを含めて誰かが反対したらそれができないということになるので、私はむしろここが何か全部を決定するということではなくて、協会に対して投げる、それを協会としては一般の人にもちゃんと説明できる形で説明責任を尽くすと、その時には財政上これはできませんと、ちょっと谷岡さんを批判するわけではありませんけども、国がやるべきだと言ってもそれじゃあやってないわけですからね、それに対して「やるべきだ、やるべきだ」と言ったってこれは前へ進まないわけで、アイデアとしてはチャレンジングですが実際はチャレンジングでもなんでもない何にもやらないということになるわけですから、私はぜひこういう会合は大事にすべきだと、しかしやるときにはその性格付けと何をやるのか、それに対して協会は責任を持ってアカウンタビリティーを尽くすという、それが大事じゃないかとそういうふうに思っております。4分かかりました。

□ 谷岡委員長

では、辻さんよろしくお願いします。

□ 辻委員

大変素晴らしい議論ばかり続いて初めからこういう議論をずっとしておればよかったなという、最初のところが少し時間が足りない為に何か大事な議論を落としてきたんだなということを感じております。最初に私は資料―8番でしたか、この閣議提出になる前に本来ならこの会議があるということで、そこでぜひ議論したかったことが素通りされたということで、その時点でどうしても言っておきたいということで関係事業主体のところに要望書を出しました。その要点は今まで色々議論の出たことですのであえて細かくは繰り返しませんが、1つ2つ言っておきたかったのは、先程一番最初に黒岩さんが委員長試案に示された課題として7つぐらい挙げられていますが、こういったようなことが本来であれば、少なくともこういうことに関しては考えていくという方向性が本来なら閣議提出の中に反映されていてしかるべきだったと私は感じたわけです。そういうものがあの案を見たときに、いわゆる検討会議がこれまで出してきた方向性であるとか、それから合意のときにもいくつか条件をつけられました。私自身も条件をつけましたが、その点が何ら、何らと言っては語弊、強すぎるかもしれませんが、そういうことが配慮された表現がどこにも見当たらなかったという感じなんです。多分先程どなたかもおっしゃってましたが、私も環境博を推進という事をよく言ってましたから「お前は推進派なのか」と、「この結果を見るとこれは旧来型の万博が多少海上の森に遠慮して小さくなっただけであって、非常に無理の仕方とか内容の決め方に関しては従来どおりではないか」と、しかも今問題になっている伊勢湾の中部新空港などもですね、まさにその起爆剤になっている。これまでのこの万博が当初企画された三点セットを進める為の起爆剤としての役割しか見えない。だからそういうことになるといわば何をやってきたんだということで、足元をすくわれるというか後ろから撃たれるというか、とにかく私たちの中でも大変大事な方を仲間割れして失うような事態に至っているわけです。こういうようなことに対して本当に私がこの市民参加の環境万博をやってきた、それを目指している意味をぜひ説得をしたいわけですけども説得材料が見当たらないという感じなんです。もちろん検討会議の試案の方には私たちは及ばずながらもいくつか盛り込んでいるというふうに感じている。充分ではないんですけどもそういうところから見てそのことがほとんど反映されてなかった。そこに慌てて付け加えるような状況だったことが大変残念です。その内容についてはこれから色々この後に議論されるということなので、その方向性をきちんと押さえられるということでしたのでそれ以上くどく申し上げませんが、そのことを一つ思ったのでこれを出したということを説明しておきたいと思います。
それから市民参加や広域展開がというようなことは後で議論することにしまして、私は先程からいろいろ議論も出ているこの検討会議が本当に公開性と情報共有ということを目指して進んできた。その過程は随分色んな努力があったと思います。しかしですね、私が先程言った事例などのように皆さんが本当にこの議論の内容を共有できていないんですね、残念ながら、それはここで私たちはここにいるものは少なくとも議論の空気、皆さんの表情が全部見えます。しかしインターネットのオンデマンドを通じてであるとか、ここまでわざわざ足を運びながら隣の部屋でしか、しかも広い会場にモニター1台しか見られないという人達もいらっしゃって、その人達は非常に困難な状況の中で見守っているわけです。しかし、非常に一部の状況しか、情報しか伝わらないので、本当に議論されていることがきちんと受け止められなかったり、あるいは空気がわからないためにいらぬ誤解や不信を招いてるということがあります。そのことはたびたびもう少し状況を改善してこういう会議が本当に皆さんが環境博を成功させていこうというなら、参加したものは皆が入れて議論を共有できるような環境を作っていくということがどうしても必要だったと思うんですが、その点では努力はあったにしろ残念ながらまだ充分ではなかったし、むしろその不完全な公開性がかえって色んな疑心暗鬼や不信を招いたということがあると思います。ですからそのことをぜひ最初に申し上げておいてこれから新しい仕組みなり、求めることに応じた会議が作られていくと思うんですけども、その公開性、そういったこともよく考えていただきたいし、先程からもいろいろ出ていますが、この検討会議とその他の協会の中での役割の色んな会合があると思うんですが、そういったものがなかなかわかりにくい状況になっているもんですから、余計世間全体としてはこの検討会議にどうしても過大な期待を寄せてきたということがあったと思います。そういうことを踏まえて状況を改善していただきたいというのが二番目です。それからもう一つは検討会議が委員長試案という名前で残っているですけど、私はこれはどうしても市民参加の環境万博ということを私たちは考えようということで参加している部分があるので、たとえその議論が海上の地区を優先してと言いますかそこにまず議論をしてきたわけですが、その時に常に愛知万博の全体像というものを頭において考えているわけですね。ですから委員長試案も私はぜひこれからは愛知万博が目指すべき基本的方向性というようなタイトルであの内容をもう一度議論するにしても、そういうタイトルをはっきり明示していっていただきたいというふうに考えています。それから広域展開について、ちょっと時間なくなりますが、一つ言わせていただければ、私たちが色んな提案をこれまでしてきました。しかしその複数案を議論する中、その議論はできませんでしたが、これからもしやるとすればその事業可能性ということをぜひ検討対象にしていただきたい。そこまでやらないと提案した意味がないと思うんですね。どういうことならば今度の市民参加の環境万博の中で入れていけるのかということを私たちだけとかあるいは分科会のメンバーだけではなく、必要な能力を持った組織なりそういう人材をちゃんと支援体制として用意できるような、そういう形でその事業可能性をきちっと検討していくという姿勢を持っていただきたい。もちろんそれはお金の問題やら色んなことがあると思いますけども、そういうことも含めて色んな提案された可能性をぜひ議論していくということをはっきりさせていただきたいと思います。そういう意味では基本的方向性の先程言った委員長試案をこの検討会議の一つのレポートとして立ち上げる中で、閣議の提案がきちんと付属資料としてつけられるというようなこと、そういうようなことも必要ではないかというふうに考えています。以上です。

□ 谷岡委員長

はい、では次、武内委員にお願い致します。

□ 武内委員

あまり私話することないんですけれども、一つだけ私ちょっと懸念していることがあるのでそれだけ申し上げたいと思います。検討会議に限って話をさせていただきたいと思います。検討会議の成果というのは大きく分けて二つあると思うんですけども、一つは市民参加による合意形成というふうな手続きを踏むことができたということと、それからもう一つは会場計画について基本的な合意が得られたという、特に海上地区についてというふうな限定がつくのかもしれませんけれども、それが一応目安が立って、目処が立って私は特に後半のとこについて言いたいんですけども、今どういう状態になっているかというと、急速に海上というものが消えようとしている。実際に色んな資金計画ですとかそれ以外の様々な計画の中で、やはり登録会場というのはものすごく大きな意味を持ち始めていて、そして一方でこれははっきり私は言ったほうがいいと思いますけれども、この検討会議が自然を腫れ物に触るような形に取り扱ってきた為にですね、結局登録会場以外のところについての自然の利活用というものがテーマとどういうふうにうまく結びつくのかという議論がほとんど今消え去ろうとしているような状況ではないかと思うんですね。私そこについてはほとんど予算的にも措置がされてないんじゃないかと思いますし、一方で県の方で今知事なり森局長がおっしゃっているように跡地利用の枠組みというのができるって言いますけど、これはまだ見通しのない話でありまして、特に国のある種の手当を求めるということになれば、当然のことながら博覧会の事業の成功の延長線上にそれがなきゃいけないと思うんですね。それが会場から全く切り離されて人っ子一人いないような状況の中で、そこの跡地利用につなげていくというのは非常に難しい問題だというふうに私は思うんですね。私は当初から海上地区全域を含む博覧会の大きな構想ということを訴え続けておりましたし、会場計画自体が縮小されたということは合意の結果ですから、私はそのこと自体は共に喜びたいというふうに思ってますけれども、現実にはそれ以上の色んな縮小ですね、話というのが色々出てきている。例えば青少年公園の森林体感地区の利活用というのはこれは手をつけるなということで、実際には予算の問題もあってその辺についてはほとんど展開できなくなった。それから辻さんが隣にいて言いにくいんですけれども、会場から外れた以上は回廊についてやめろと、これはもしやめたら海上の北地区とどういうふうな結びつきにおいて跡地利用がされていくのか、そこまで私考えた時にはそういうふうなことではないんだと思うんですね。もちろんアセス等について私たちはそれをきっちりやるというふうに言っておりますし、またそういうふうに現実にもしてきているわけで、そういう問題と、むしろ新しい森に対するチャレンジングな試みというものを混同しないで我々が意見を言っていくべきではないか、あるいは我々が意見を言わないと、多分このまんま森をテーマにして森でない博覧会ということになってしまうんじゃないかと思うんですね。そういう点について私は一番危惧の念を持っております。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。では今日は高垣委員がお休みだということで加藤委員よろしくお願い致します。

□ 加藤氏(高垣委員の代理)

日本野鳥の会愛知県支部の加藤です。政府の閣議決定を受けてですね、会場計画について今私どもが申し上げることがあるとすれば、青少年公園地区についてはアセスメントをしっかりとやっていただくことを協会にお願いしたいと思います。それから今武内さんが言われたのを聞いていて私が思ったこと、ある意味では共感するようなところがあるなということで今から申し上げたいと思うんですが、県の方には先程森局長さんの方から里山学びと交流の森推進会議ということを立ち上げていただけるということで大変うれしく思っておりますけれども、これをなるべく早期に確実に立ち上げていただきたいということです。私ども地元の方とか行政の皆さんとも協力して今後の海上の森の利活用について、保全と利活用について共に努力していきたいと思っております。その関連で最近今年の3月でしたけれども、国土庁が主催して滋賀県の方で里山の保全に関するシンポジウムがありましたけれども、まだ全国的にですね里山里山ということであちこちで、国レベルか市町村レベルでも里山保全事業ということが各地で試みられておりますけれども、それに多くの市民団体が参加して色んな形で、対象とするのは人工林であったりあるいは広葉樹の林であったりとか色々ありますけれども、全国的に模索が始まっております。こういった意味でも早く里山学びと交流の里の推進委員会ですか、これを立ち上げていただいて2005年の万博までに何らかの形で里山保全に関しての市民と行政あるいは企業とかそういうところもあるかもしれませんけども、里山の保全に関する意義と形というものを何とか万博の中の政府館あるいは自治体館の展示につながっていくような形の成果を得ていきたいなというふうに思います。今武内さんも言われましたけども、私は里山というのがいつの間にかどこかに消えていっちゃってるような感じがするんですね。自然の叡智ということで又は人と自然との共生ということをよく言われてたと思うんですけれども、それがどんな形で示されていくんだろうなという気持ちがいたしております。
それで先程からITとかリニア、今日はITは出ておりませんけれども、リニアを早くやって欲しいとかそういった話もありましたけども、先端技術だけが今後の21世紀の人類社会にとって人類に利便性を提供するものではないと思うんです。私の非常に小さな知識ですけど、見聞きしているところでは、例えば「紙漉き」とか「わらぞうり」という非常に在来的な非常に今の先端技術から言うと小さな技術かもしれませんけれども、そういった技術が国際的にも援助ということで実際に援助事業として行われております。それから最近では炭の効用についても全国的に注目されておりますけれども、そういったいわば投身大の技術についてもぜひ注目していただいて、万博のテーマの中にも取り入れていただけたらなというふうに思っております。今度の登録申請書の中にも循環型社会というものも取り上げられておりますけれども、その中で里山とは直接つながるわけでないとは思いますけれども、そういった投身大の技術についても循環型社会の重要なテーマとして取り上げていっていただきたいというふうに思います。以上です。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。では島津委員よろしくお願い致します。

□ 島津委員

今まで皆さん色々おっしゃってもっともなことをおっしゃっておりますし、時間も押しておりますので短く申します。これは提案よりも要求であります。一つはこの会議の名称表書きについている「(海上地区を中心として)」というのを今後外していただきたい。先程からの議論、皆さんのご意見を見てもその通りだと思う。密かに協会が期待されておりましたと私は密かに思うんですけども、危機管理システムとしての検討会議の役割はもう終わるべきだと思いますので、その象徴として海上の地区というのは外すのが公明正大じゃないかというのが一つです。
それからもう一つは、これも事業者の先程の説明で非常に気になったんですけども、アセスメントその他の中でもスケジュールはどうかという質問に対して、「計画の熟度に応じて説明します」とおっしゃる。とんでもない話で、計画の熟度を上げるのはこの検討会議の責任じゃないの、説明聞くために座ってるわけじゃないのでありまして、熟度を上げるのにお手伝いをするという役目を持っているんでしょうから、そのようなものの考え方をやめないと今後の万博会議は成り立たないのではないか。これは先程来、吉田委員あるいは森山委員のおっしゃったシステムに関する基本的な問題なんですね市民参加という。実は万博の検討会議というのは各地で非常に注目されておりまして、真似しようというところが結構あります。それは森山委員のおっしゃるプログラムレベルでもプロジェクトレベルでも条例にするということを考えての市民参加というものを考えておられるところがあります。それらの議論に参加してみまして、この検討会議を外で見てどういう分析というか、勝手な事かもしれませんが二つある。一つは市民参加というのは元来個人として参加するべきものである。市民参加というのは個人が発言する。したがって「有識者だとかあるいは事業者側の作業委員とかが混ざっているのはおかしいじゃないの」ということを言われます。それから二つ目に検討会議は情報を非常に公開しているとおっしゃっているけれども、「アクションのレベルで行動で検討会議が市民に訴えかけた例をあまり聞いてないんだけれどもそれは本当かどうか」ということを聞かれます。これは先程来の皆様のお話にでてくる問題の基本に関わっているわけでありますので、これは事務局に対してもあるいは検討会議自身に対しても要求なんですけども・・・この程度で終わります。

□ 古南委員

古南です。かなり色んな方と意見が重なっているので手短に申し上げたいと思いますけれども、まずこの検討会議が設置された経緯というのは、基本的には何人かの方は既に指摘されていますが、やはり市民に対する情報の公表であるとか、市民に対して合意を求めるということが基本的に欠如していた為に設けられた会議であるということを、もう一度ここで思い出していただきたいなというふうに思います。私も加わって作られましたいわゆる6者合意というふうに呼ばれている文書の中でですね、こういう表現をとっているんですけれども、この検討会議に関しては「会議の場を万博のプロセスにきちんと位置付け、段階的に合意形成を図る」ということ、これは要するに万博というのは2005年までずっと続いているわけですから、そのプロセスの中に位置付けるということです。それから「第1段階の会議の場における議論の重点は、海上地区の位置づけに置く」というふうに表現しています。これは要するに海上地区のことだけを議論するということではありませんで、青少年地区と他の地区についてや博覧会の内容、海上の森の保全活用の管轄にも及ぶというふうにはっきり明記されております。ですから検討会議が始める前からこれは第1段階の会議であって第2段階、第3段階という段階的に進んでいくものであるという事が事業者側の間で合意されているということをもう一度ご指摘したいと思います。それを考えますと、やはり私も今までちょっとたなざらしになっておりました委員長試案ですね、ここで委員会としてきちっとした報告書として合意したいというふうに思います。その合意の内容の中には今後の情報公開あるいは市民参加の合意のシステムといったこと、今後どうするかということが合意の内容に含まれて、第1段階で検討会議で合意したことが次の段階を生み出すというような形にしたらいかがかというふうに思います。それから次の段階の中で吉田委員ですとか森山委員がきちっと触れてくださっておりますけれども、県が設置される海上の森の保全プランに関する委員会ですけれども、これは非常に私も重要なものだというふうに思います。海上の森という一つの里山の生態系の重要性を今後に残していくものとして、ハードウエア的にもソフトウエア的にもきちんとしたモデルを作ると、それから加藤委員がおっしゃいましたけれども、これを万博に対してきちんと提示していくということは非常に重要なことだと思います。この海上の森の保全プランの検討にあたっては、森林管理ですとか田園管理ですとか生物保全ですとか色んな専門家の参画が必要だと思いますけれども、この中にぜひ検討会議の主題でもあります市民参加ということをぜひ入れていただきたい。里山というのは元来人が加わって保たれてきた生態系であるということは何人もの方がご指摘されておりますけれども、このような過程で残されることが決まったという海上の森に関しては、ずっと市民が関与して保全管理のシステムを作り上げていくべきではないか、そういった意味で一つ里山を市民が守っていくモデルを作っていくということは非常に重要なことではないかなというふうに考えます。
それからもう一つ重要だと思いますのは青少年公園も含めてアセスメントの仕組みですが、特に住民とのコミュニケーションといいますか住民意見をきちんと入れていくということに関して、今後既存の通産省のアセス評価会ですとか博覧会協会のアドバイザー会議などもあるわけですけども、情報公開それから市民参加ということを念頭において、こうした既存のシステムとうまく整合性の取れるような整理をもう一度するということと、やはり住民からの意見をきちんと聞いていくという手続きをきちんと行っていただきたいというふうに思います。以上です。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。じゃあ、國分委員よろしくお願い致します。

□ 國分委員

この意見の発表といいますか、意見を申し上げる内容でございますが、愛知万博のお示しいただいた計画について意見を述べるということでございますが、先程からお聞きしてますと、皆さん3、4のことについても触れられておられますので、私もそれを含めて少しお話させていただきたいとこのように思います。私はこの博覧会を推進支援し始めて十数年になるわけです。ここでお見かけすると、何人かその当時から顔を合わせておられる方がいらっしゃいます。もちろん川の向こうの立場で顔を合わせておられる方もいらっしゃるわけですが、それがこういう形で同じテーブルについて議論ができたということ、非常に私は感無量の感でおります。私も十年以上前から博覧会推進に支援してまいりまして、当初から市民参加の博覧会というのは評価されております。我々も積極的に参加していこうという形でいろいろ行動を起こしております。ところがどういう形で参加していけばいいかということがぜんぜん見えてこない。またその辺が事業者側とうまい接点が持てないというような事で、非常に悩んでおりました。今年になってこういう形でこの検討会議ができて、そしてこの検討会議に参加していく、会を重ねるごとに会議が市民参加の大道であり、またシステムの一つの表れであるんではないかなということを感じ始めたわけでございます。そういう意味でこの会議がこういう形で設置されるについては、自然保護の団体の方々の果たした役割というのは私は評価したいとこのように思っているわけでございます。ただ非常にこの検討会議がこのままで進んでいけばいいかどうかということについては、先程来色々なご意見もありますし、私も自分なりの意見を持っておりまして、このまま進んでいけばいいというふうには実は思っておりません。やはりもう少し形を変えた形で市民参加及び万博に関わっていくというようなことを考えていった方がいいのではないかなとこのように思うわけです。実は昨日委員の皆様方や関係者の皆様方には、若干私の検討会議に対する考え方をE-mailで送らせていただいて多少おわかりいただいているかと思うんですが、先程来この検討会議で積み残したことが出ております。この検討会議の過去9回の会議を客観的に見させていただいて、この積み残した課題をこの検討会議で詰めて結論を出していくというのは非常に難しいのではないかなというふうに思っております。私はこの積み残した検討会議の課題というものは、明確にすることはこの検討会議としてするべきだと思いますし、できることはすべきだと思います。先程見せていただいた十何項目かある積み残しの中でも、結論の出していくことの難しいものも多々あるとこのように思います。それで私はE-mailでも提案させていただきましたが、この検討会議を発展させるという意味で大きく三つに分けた機関というものを、将来こういう検討会議的な機関として設けた方がいいんではないかということでございます。一つは海上地区というものに限って、それの中の特にこの検討会議で合意した内容、特に自然保護を中心にしたそういうものについての関係するモニタリング、場合によっては環境アセス、そういうものに関する機関として、できればこの検討会議を継続させるような形で、場合によっては再編するような形で変化させていく。次には新しく愛知万博全体を検討するようなそういう機関、これは先程来何人かの委員の皆様方から出ております。そういうものを早急に立ち上げる。それからもう一つこれも出ておりますが、愛知万博の後、いわゆる海上の森全域を中心とした利活用の仕方についての、これは県の森局長の方からもそういう方向で進むというお話をお聞きしているわけですが、そういう機関を作っていく。そういう中でこの会を残念ですが、私も皆さん方とこういう形で親しくさせていただいて、クラスメートのようなまたチームメートのようなあれで、皆さんと一緒に2005年の博覧会のテープカットぐらいやりたいなと、こう思っておるわけでございますけれども、私は発展的に解散して新しく発展させていく、いわゆるもう少し充実した内容のある市民参加のシステムというものに変換していくということを考えた方がいいんではないかなと思います。
最後になりましたが、この愛知万博実は私先週までシドニーのオリンピックに行っておりました。これは私が所属しておる団体の日本選手団の本部役員という立場で行っておった訳でございますが、シドニー中が本当に燃えて、市民が本当に参加しております。中にはそうでない市民もいらっしゃるのは当然でありましょうけど、外目にはすごい模様でございます。やはり世界からそういう方々が集まって盛大に市民と一緒になって楽しむということは私は素晴らしいことであると思っております。ぜひこの愛知万博は成功させたいというふうに思いますし、やはり楽しい博覧会にしないといけないと思っておりますので、我々も含めて積極的に意見を言う、又は智恵を出し合うということしていきたい、このように思っております。また後ほど異論があればお話をさせていただきたいと思います。以上でございます。

□ 谷岡委員長

ありがとうございました。では隈委員。

■ つづきへ