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第12回「愛知万博検討会議(海上地区を中心として)」議事録

■ 会場計画についての報告について(6)

□ 加藤徳太郎委員

私の発言をきちっと伝えたいということですよ。

□ 谷岡委員長

ちょっと整理させていただきたいと私は思います。個々のご意見で何を思っていらっしゃるか、様々なご意見というのは今も28通りあるというふうに私は信じます。しかし、7月24日の合意において、どこに何を建ててもよいか、どの程度のものか、あるいは回廊を途中で休憩を取ってここの回廊をここに書き直してというようなこともやって、その上で合意をしたものでございました。従ってそれが個々の考えの中でベストであるかベストでないか、これは別問題といたしまして、検討会議の合意というのは先程総長がおっしゃった通りだというふうに思いますし、そこからあまり逸脱してですね、責めるような話、あるいはこうあるべきだという話をしますと、我々自身が決めたことに対して我々がどれだけの責任を持っているのかということで、かえって信頼を失わせるというふうに私は先程から感じて聞いておるという事は、委員長としてお伝えしておきたいと思います。その上での議論をよろしくお願いします。

□ 加藤徳太郎委員

どうも私の発言の仕方がまずくて主旨が伝わらなかったようですけども、この万博検討会議で吉田さんもさっき言われたように血の滲むようにやってきたのは、ここにどうしても政府館を造りたいんだと、ここに自治体館をどうしても造りたいんだと、それでなければ万博つくれないよ、と言ったのは事業者の側なんですよ。それについて色々喧喧諤諤とやったわけですよ。そのことについて結果としてなんだったのかというと、自治体館でも政府館でもないテーマ館でもない、なんでもないものがここに置かれてるんだったら、別に海上の森にそんなにこだわらなくてもいいでしょうという、そういう論議です。あなたの説明では・・・

□ 谷岡委員長

なんでもないものだなんておっしゃってないじゃないですか、説明では。

□ 加藤徳太郎委員

いや違うでしょう。こういう結論だって導き出せますよということを言っているんですよ。そんなにこだわってたんだったらなぜここに今まで政府館だテーマ館だ、これがなければ万博にならないんだと言って、この海上の森にこだわってきた理由ってなんだったんですかということです。それがお聞きしたいということです。

□ 坂本事務総長

大変誤解されて残念なんですけど、政府が建てる建物、展示をする所を政府館と私たち読んできたんです。それから自然をテーマにして展示する所をテーマ館と呼び、それから自治体がいろいろ自然を尊重し、自然を慈しむ為に展示する所を自治体館と呼んできてるんですけども、それを呼ぼうと呼ぶまいと、展示の中身というのは全く私どもは変えようと思っておりません。そこに政府の建物を建てて、そこで政府が責任を持って自然の展示をするということは何にも変わっていないんですね。ただそれを政府が建てるから政府館と今までは非常に簡単に呼んできたんですけど、それじゃあよく解らないと、何を政府が訴えるのかということを聞かれましたんで、ここではありのままの自然ということを訴えますと、青少年公園ではむしろ人のライフスタイルとか、リサイクル素材、コミュニティーのような社会のシステムとか、それから「NATURE'S MATRIX」で言われるような、色んな先端技術も含めた自然との関わりをおそらくやることになるでしょうけど、海上の地区では本当のありのままの自然というのを、元々我々は尊重して展示したかったんです。ただそれを無味乾燥に政府館とただただ呼んでいたがゆえにそれが理解されなかった。従ってそこを理解されるようにしただけで、政府が建てる物が政府館じゃないかと言ったら政府館です。これは間違いありません。それから自治体が建てる物が自治体館じゃないかといえば、自治体館です。自治体の館です。ただ、BIEの定義に従った政府館とは分けてはっきり内容を理解してもらい、我々もそれを大事に展示をしようという前向きの気持ちで出したものですので、何にも検討会議がおっしゃったことを変えてもおりませんし、むしろそれをクリアにしたということでご理解をいただきたいと思います。もしご疑問がございましたら展示をする内容で見ていただきたいと思います。その時に全く違うことが起これば、それは皆様方から自由にご意見を、一市民の方からも受けますので、そこは私どもがいかに熱心に自然ということで展示しようかという意気込みはもう少し長い目で見ていただきたいと、これはお願いでございますので、どうぞよろしくご理解いただきたいと思います。

□ 谷岡委員長

加藤さん、木村さんといきまして、この問題は打ち切るつもりでございます。

□ 加藤理香子委員

総長の方に聞いていただきたいんですけども、私ども「エコミュージアム方式」という環境万博のプランを別のグループから提案させていただいておりますけれども、そちらの方は目に留めていただいたことはございますでしょうか。まだご就任されて間もないので、ご覧になってないかと思うんですけども、そちらの「エコミュージアム方式」という発想はフランスが発祥の地なんですね。私たちの提案でも建物は一切造らないというような事は申し上げてません。最小限の建物は建設をして、自然環境の教育なんかに役立てていただきたいというふうに提案させていただいています。ただ欧米では「エコミュージアム方式」の環境保護というのが定着しつつありますので、政府館を建てるのであればそういう欧米は既に先をいっているということを念頭に置いた上で、そういう内容のものを、まだ具体的な形で政府館でどういうことをされるかということは決まってないと思いますので、今後私どもの方にどういうことを政府館でされるかということを具体的に説明していただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

□ 坂本事務総長

その辺はかつて色々ご議論があったことだと思います。今こういう案で進んでいるプロセスで色々ご議論があったことだと思いますので、あえてここで私はお答えをいたしませんけども、今おっしゃったことは非常に感じております。ハノーバーへ行きまして私が感じましたことは、ハノーバーというのは全く平地にパビリオンがずらずら並んでいるんですね。パビリオンの中にわざわざ人工池を設けて、それから映像で林を作って動く蝶や鳥を飛ばせて、そこでパビリオンをしております。でも私どもの博覧会の会場というのは、そんなことをしなくても会場自身がそういうパビリオンなんですね。ですから私はそういうものをなるべく生かした会場造りというのは、当然この博覧会の根っこにあると思います。だから建物を建てないなどとは私も言いませんし、きっとそうおっしゃってないと思いますが、私どもは会場全体がそういうを発言する、何かを表現するパビリオンだと、通常の博覧会であるならばですね、そういう風に考えてするのがこの特徴だと、だからこそ起伏の多い林に囲まれた青少年公園でし、海上の森をきちっと残したんだというふうに考えておりますので、具体的にどうこうというのは私共今すぐには申し上げれませんが、基本にある精神はよく理解できますし、それを尊重していきたいと。エコミュージアムが何であるかということはここで議論いたしましても大変難しいことですけども、精神は私はよく分かっているつもりでございます。

□ 加藤理香子委員

期待しておりますのでよろしくお願い致します。

□ 谷岡委員長

木村先生どうぞ。

□ 木村委員

今総長がおっしゃったからいいのかもしれません。実は私ども検討会議が6者合意、つまり博覧会登録を早期に実現しようということを前提に始まったのですけれども、実はその前半段階では博覧会そのものの是非論を随分やってしまいました。それは本来私どもの主旨ではなかったのかもしれませんけども、そこから始まらざるを得なかったわけです。その結果自然を見せようということには皆さん合意なさったはずです。見せ方をめぐって、見せる時、どれぐらいの自然に犠牲を強いなきゃならないのかというところで随分やり取りがございました。確かに吉田さんがおっしゃるような血が滲んだかどうか知らないけど、随分眠気を誘うような議論がたくさんございました。その結果二つの自治体館と政府館を含めた会場計画案というのを私ども了承したわけで、そこから自然をいたずらに傷つけるような逸脱した行為が博覧会協会や県やその他によって行われるのであれば、私ども大いに議論しなおさなければなりませんけども、私どもの合意の範囲の中でよりよい形での見せ方というものを模索されるのであれば、私はそれを支持すべきではないか。そこを元へ戻って、自然を見せるのであれば何も建物を建てなくていいんじゃないかという、6月の中頃ぐらいの議論に戻ることないんじゃないかというふうに私は思います。従いまして、大変色んな貴重な意見が出つつあったわけですけども、報告についてはこの辺りで収束させていただいて、次の検討会議どうするんだという方向へ持っていっていただけないかと思います。

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