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「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価) 報告書(その4)」及び「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成15年度)」について

(財)2005年日本国際博覧会協会は、環境影響評価の一環として、平成16年5月にご案内した追跡調査の手法等に従い、「催事・照明に伴う環境影響調査」について予測・評価を行いました(追跡調査報告書(その4))。

併せて、平成15年度に実施した「環境モニタリング調査」の結果を公表します。

主な調査結果は下記のとおりです。
なお、この追跡調査報告書に関するご意見は、追跡調査報告書公表後概ね45日以内に博覧会協会まで、メールや手紙等の文書でお送りいただければ、大臣助言等に対する協会の見解に併せて、ご意見に対する見解も公表いたします。

1. 「催事・照明に伴う環境影響調査(予測・評価)」(追跡調査報告書(その4))

事業内容等から判断し、選定することが適当と考えた騒音、振動、ため池の水質、光害、公園型ため池生態系、注目すべき動物(オオタカ)の環境要素の項目について、工事、存在、供用による影響を予測したところ、下に記載した環境保全措置を講ずることなどにより、環境への影響は回避又は低減が図られるものと評価しました。

さらに、今回選定しなかった環境要素の項目についても、環境影響評価書(平成14年6月)に記載した「回避又は低減のための方針」を徹底することにより、本事業による環境影響の回避又は低減に努めていくこととします。

  • 指向性の高い音響設備を適正配置し、騒音の発生を抑える
  • 催事実施エリア内周際での騒音レベルを設定する
  • 音響設備の下に防震マットを敷設する
  • ため池内の仮設工作物設置の際は、秋から冬に実施し、水のかく乱をできるかぎり生じさせないようにする
  • ため池の水や底泥の攪拌を極力行わない様な催事とする
  • 演出照明は演出エリア限定の均一照射、スポット照明は水平又は俯角照射とする
  • 催事の演出による、水生植物群の直接的損傷をできる限り小さくする

2. 「環境モニタリング調査(平成15年度)」

大気質、騒音、振動、水質、植物、動物、生態系等の項目について、会場及びその周辺でモニタリング調査を実施し、項目ごとに工事着手後の評価を行いました。

その結果、総合的には平成15年度においては、本事業による環境への著しい影響は見られず、環境保全のための監視目標は概ね達成されていると判断しました。

なお、予測値、環境基準値等を上回ることなどが確認されたものへの評価、あるいは監視目標達成が評価できなかった主な項目の対応方針は次のとおりです。

  • 沿道環境大気質で、二酸化硫黄、二酸化窒素が予測値を上回る傾向にあり、二酸化窒素の一部は環境基準も上回ったが、本事業の着手前後で概ね濃度が横ばいであること、高い濃度は広域の濃度の状況を反映していること、高濃度が観測された期間の本事業による工事車両の台数は全体交通量の1%未満であること等から、本事業の影響は小さいと考えられた。
  • 一般環境騒音及び沿道環境騒音で、環境基準を上回る地点、時間帯があったが、本事業着手前後で騒音レベルの大きな変動はなく、また、本事業による工事車両の台数は全体交通量の1%未満であること等から、本事業の影響は小さいと考えられた。
  • 沿道環境振動で、予測値を上回る地点があったが、本事業着手前後で概ね振動レベル変動はなく、本事業による工事車両の台数は全体交通量の1%未満であること等から、本事業の影響は小さいと考えられた。
  • 河川水質で、吉田川におけるSSの調査結果は従来より高い値となったが、採水日の直近には降水がなく、本事業用地からの濁水の流出はないことから、本事業の影響は小さいと考えられた。
  • 放流水の濁度で、長久手会場周辺の測定地点の一部で、対策を実施したあとでも管理目標値を超過する濁水の発生がみられたことから、発生源の究明調査を引き続き実施していくとともに、濁水の発生が工事の影響であると判明した場合は、更なる濁水流出対策を実施することとした。
  • 地下水質で、長久手会場周辺の測定地点の一部で観測井を移動した後に鉄、マンガン及び有機物等の値について高い値がみられたが、事業による影響の確認は平成16年度以降の調査で行うこととした。
  • 瀬戸会場、長久手会場の注目すべき植物種のうち、平成14年度の調査で調査適期が合致しなかったため確認を保留した種及び15年度に新たに確認された種について、事業による影響及び環境保全のための監視目標の達成状況は平成16年度以降の調査で確認していくこととした。
  • 瀬戸会場の注目すべき動物種で、15年度に新たに確認されたベニイトトンボについて、平成16年度以降も調査を継続し確認していくこととした。
  • 会場間ゴンドラ設置の注目すべき植物種のうち大部分の種について、工事着手可能となった平成15年12月の時点で既に確認適期(開花期等)ではなかったため、事業による影響及び環境保全のための監視目標の達成状況は平成16年度以降の調査で確認していくことした。

なお、今後も引き続きモニタリング調査を継続し、環境への著しい影響が明らかになった場合には、その原因等について分析するとともに、必要に応じ専門家の意見を聴きながら、関係機関と調整して、事業計画の変更も含めた適切な対策を講じるものとする。

※技術面等詳細のお問い合わせは、下記までお願いいたします。

(財)2005年日本国際博覧会協会 環境グループ 久米、永井(敏)
電話(052)569-2154 

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