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12 動物

12-01

ギフチョウそのものの動態を踏まえなければ、ギフチョウの動態は予測不可能である。ギフチョウ発生の低下の原因を明らかにした上で、代償措置ではなく、回避・低減措置をとるべきである。
産卵行動するギフチョウは調査地域の選定によって数が大きく左右される。トランセクト調査などを行ったのか。「卵・幼虫」の調査時期は不適当である。スミレ類やハルリンドウへの飛来例があり、これらの調査・保全策が必要である。(他に同趣旨1件)  

見解

今後も適切に調査を実施し、その結果も踏まえ保全について配慮してまいります。  

12-02

貴重な動植物が心無いマニアたちにより乱獲の危機にさらされている。このための保全についてはどのような手段を考えているのか。  

見解

準備書では希少種保護の観点から位置情報等について詳細な情報を記載していません。

12-03

確認された昆虫類が少ないので昆虫をやり直してほしい。  

見解

既存資料の活用と平成10年調査により環境影響評価に必要な情報は得られているものと考えています。  

12-04

渡り鳥の他地域の繋がりの調査はどうしたのか。(他に同趣旨1件)  

見解

サンショウクイ、オオルリ、サンコウチョウ等の渡り鳥については、繁殖期に調査を行い、巣や個体の確認に努めましたが、他地域のつながりについては環境影響評価の範疇外と考えております。  

12-05

メダカ、カワバタモロコ、ホトケドジョウなど新たに指定された絶滅の恐れのある淡水魚を調査に追加すべきである。(他に同趣旨2件)
ホトケドジョウ、メダカを追加して調査を行うべき。オオルリボシヤンマ、オオカワトンボやキイロサナエなど地域の特性を考慮に入れた選定を行うべきである。テングチョウなどの環境指標性の高い種においても精密な調査が必要。(他に同趣旨1件)
メダカを追加調査すべきである。  

見解

魚類については生態系項目において、カワセミ・カイツブリの餌生物の量的把握を目的とした調査時に確認しております。
なお、絶滅のおそれのある新たな動物種については、必要に応じて追跡調査等適切に対処してまいります。  

12-06

ムササビの行動圏は、100%全域保全すべきである。
ムササビの行動圏の分断に対する対策効果が疑問。餌植物との関わりも軽視している。
ムササビについては、行動圏調査、餌資源調査をやりなおすべき。行動圏の大きさによって、評価は異なるため、影響の再評価をすべき。ムササビの植生毎の利用率や餌資源の減少率の調査が必要である。
ムササビの主要行動圏域の大半を改変区域が占めている。  

見解

ムササビについては、フィールドサインによる精査に加え、テレメトリーによる行動圏把握を試みたもので環境影響評価で必要とされる調査データは把握できたものと判断しております。
予測評価結果により必要な保全対策を行うものでありますが、効果の不確実性もあり追跡調査を実施していくこととしております。  

12-07

アオゲラ等繁殖鳥類についての保全措置は対策として不十分である。
繁殖鳥類について、地域整備事業と万博で評価が異なっている。また、オオタカ、ハチクマについては、野鳥の会と「営巣期高利用域」の図が異なっている。鳥類についての調査については、広くデータを収集すると同時に鳥類について調査・研究している団体と協力して再調査を行う必要がある。
繁殖鳥類については、それぞれの種の環境要求について考慮して実現可能性を検討しないと、保全措置による効果は評価できない。
アオゲラやサンコウチョウなどの夏鳥の繁殖に与える影響を回避・低減する環境保全措置をとるべきである。
サンコウチョウの繁殖地が破壊される。今後この鳥の繁殖が危ぶまれる。
繁殖鳥類について地域整備事業で大きく改変した跡地でアセスメントを行うために「直接改変」の影響がないのならば万博アセスメントは無意味である。
繁殖鳥類の繁殖場所を確保するための「緑地計画」の内容が明らかでない。
サンコウチョウ・キビタキ・サンショウクイ・オオルリ等の繁殖鳥類の実態を再検討、再調査すべきである。  

見解

鳥類の調査ついては、会場候補地内で繁殖状況を把握するため、踏査調査・目視観察を行い専門家等の意見を聞きながら予測・評価したものであり、環境影響評価で必要とされる調査データは把握できたものと判断しております。  

12-08

冬鳥の越冬についての調査を行ってほしい。  

見解

鳥類の注目すべき種のうち当該地域の環境変化による影響がより大きいと判断される繁殖鳥類について実施しております。  

12-09

ゲンジボタルなどをはじめとする水生昆虫は、工事及び水系の変化により大きな打撃が予測される。  

見解

ゲンジボタルについては、本事業において、森林体感地区における事業の具体化に伴い適切な措置を講ずるとともに、その効果確認の追跡調査を実施します。  

12-10

ボーリング前後のラインセンサス調査では単純に鳥類の確認種が6分の5に減った。ボーリング工事の与える影響を明記すべき。
工事中の機械の生物に対する影響の検討が不十分。  

見解

ボーリング調査等の実施にあたっては、調査・工事計画の具体化に伴い、例えば防音シートで囲うなど、必要に応じて環境への配慮について検討してまいります。

12-11

ハチクマが3~5番生息している海上の森はその特殊性を証明しているといえる。オオタカ・ハチクマに対する保全対策はもっと別な対策を検討すべきではないか。

見解

平成10年調査では、会場候補地内でのハチクマの営巣は確認できませんでしたが、継続的に調査し適切に対策を検討してまいります。  

12-12

カワセミは、代償措置ではなく、影響を回避・低減すべきである。
カワセミについて、採餌水域の機能が回復するまでの期間はどのようにして生き延びるのか。
カワセミ等に工事中においてもできうる限り生息個体に一時的な措置でも良いから配慮してほしい。  

見解

現段階で想定される対策を準備書(p.631、p.632)に記載してあります。
また、効果確認等のための追跡調査を実施する予定です。  

12-13

ゲンジボタルの推定総数の算出方法、根拠を明記すべきである。
ゲンジボタルの吉田川D地区の推定総数と推定生息密度を明記すべきである。  

見解

ゲンジボタルの推定総数の算出方法、根拠については、準備書(p.617)に記載しております。  

12-14

ゲンジボタルについては、吉田川に与える影響が大きい。渓流への影響を回避・低減する措置をとるべきである。
万博は「地域整備事業」に対し、土地の造成に対する責任がないのか。ゲンジボタルを始め影響を評価するには、各河川の改変に止まることなく、川は上流から下流まで一体化したものであるという認識が必要である。(他に同趣旨1件)
ホタルの生息圏域は確実に減域となり生態系は破壊されることは明らか。人工的に繁殖地の形成を計画してほしい。
海上の森のゲンジボタルは壊滅的打撃を受けることが懸念される。当事業計画の環境影響評価の保全策のやり直しをすべきである。
海上の森の河川に生息しているゲンジボタルは、どんな地域特性があるのか、調査すべきである。  

見解

ゲンジボタルの調査は、生態系の典型性の観点について行っており、準備書の第17節生態系(p.692~)に記載しております。
なお、ご指摘の内容については、関係機関に申し伝えるとともに、今後の追跡調査において地域整備事業の事後調査と連携を図ってまいります。  

12-15

想定入場者数2500万人が、様々な生物に与える影響の保全対策の内容は、希薄であり具体的ではない。
全体的な問題として、記述が影響回避努力によって軽減・回避できると一様に示されている。  

見解

環境保全対策については、今後の計画の熟度に応じて追跡調査を行うことなど適切な対応をしてまいります。  

12-16

鳥類調査について疑問のあるデータをそのまま採用すべきではなく、専門家の参画を得て改めて調査をやり直すべきである。
信用できない調査の上になりたつアセスメントはそれ自体が無意味である。再度専門家を含めた調査をすべきである。
昆虫類の認知情報について、県の調査において286種以上確認されていない種がいる。チェックはしたのか。(他に同趣旨1件)  

見解

既存調査データについては、それぞれ精査を行った上で活用できるものについてできる限り有効に活用しております。  

12-17

鳥類の生息地ポテンシャルが示されていないので生息地の改変による生息可能な環境の減少について評価できない。  

見解

本環境影響評価においては、繁殖可能性の観点も含め、調査及び予測・評価しております。  

12-18

会場候補地及びその周辺は、岩屋堂や猿投山よりも多くの鳥類が観察されている。海上の森がいかに多くの鳥類を育んでいるかがわかる。
これだけの狭い範囲にこれだけの種が集合している重要さが評価されていない。

見解

会場候補地の現況を調査して結果を示したものであり、同様の調査精度で周辺部の調査がなされていない以上、比較は難しいと考えております。  

12-19

環境への負荷を調べる調査そのものが環境への負荷であるから実際の調査計画の作成では、専門家の参画を得て立案する必要がある。
春と秋の渡りの時期に調査を行うべきである。
昆虫類の分類でみられるが、学名の重要性に対する認識がない。(他に同趣旨1件)
サンコウチョウの生息分布やカヤネズミの確認等に関して詳細調査を追加すべきである。
普通に生息する種についてもある個体群への影響が特異な場合は抽出して検討すべきである。
注目すべき動物種の詳細調査が一年間では不十分である。
注目すべき動物種リストは素人的な調査結果である。
繁殖鳥類の調査ルートが示されていないので検証ができない。  

見解

調査については、環境影響を考慮し、既存資料を精査し最大限有効に活用しているとともに現地調査の実施により、予測・評価に必要な情報は得られていると判断しております。  

12-20

①サンショウクイ、②サンコウチョウ、③ヨタカについて、全域の調査を行った上での評価であるのか疑問である。
サンショウクイの調査について準備書は手薄な点があることが明らかである。  

見解

既存資料の活用やそれを補完する現地調査により予測・評価等に必要な情報は得られていると判断しております。  

12-21

光害の動物等への影響が無視されている。(他に同趣旨2件)  

見解

動物等への影響の項目の中で、工事中及び供用時においては、ゲンジボタル、夜行性の動物などに対し、学識経験者の意見等を踏まえて照明の拡散防止等回避・低減のために必要な保全対策等を講ずることとしております。  

12-22

改変した後の代償措置や、評価の定まっていない代償措置は危険でさえある。  

見解

代償措置に係る技術については、適用事例の把握に努めるとともに、それらを踏まえ、今後、適切に保全対策等を行ってまいります。  

12-23

直接改変を受けるハッチョウトンボの生息確認地の評価が低すぎる。(他に同趣旨2件)  

見解

ハッチョウトンボの生息維持については、直接改変の回避・低減を第一と考えおり、予測・評価の結果では本事業により会場候補地全体における当該種の生息維持に影響を与える可能性は低いものと予測されたことから、当該種に対する影響も低減できるものと判断しております。  

12-24

コバネアオイトトンボは1970年代後半、愛知県での記録がなく、本当に記録されたのか。(他に同趣旨1件)  

見解

準備書の記載について誤りがありました。平成10年調査において確認されませんでしたので訂正いたします。  

12-25

「甲殻類確認種リスト」にサワガニ、ザリガニなどしかのっていない。プラナリアが、どこにも記載されていない。きちんと河川生態群集として押さえておく必要がある。(他に同趣旨2件)  

見解

甲殻類については、カワセミ・カイツブリに関連した主要餌生物群の現存量とその量的関係の中で淡水魚類採取調査時における確認種を記載しました。