この行動計画は、地球温暖化問題の重要性及び2005年日本国際博覧会のサブテーマである「循環型社会」に鑑み、(財)2005年日本国際博覧会協会(以下「協会」という。)が実施する整備工事及び2005年日本国際博覧会の会場内で行われる整備工事(以下「会場整備」という。)において、自主的かつ積極的に温室効果ガスの発生を抑制し、最大限の地球温暖化防止対策の推進を実現することを目的とする。
会場整備に伴って発生する温室効果ガスの排出量を、最大限抑制することを目標とする。なお、セメントの使用、工事用車両の走行、工事機械の稼動に伴う二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素排出量の数値目標、並びにコンクリート工事に伴う型枠使用量の数値目標は、次表のとおりとする。
表のキャプション
会場整備中 | |
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CO2排出量 (t-CO2) | 13,534 |
CH4排出量 (t-CO2)※ | 4 |
N2O排出量 (t-CO2)※ | 25 |
型枠使用量 (m3) | 918 |
※ 地球温暖化係数を乗じたCO2相当数量を示した。
このため、「2005年日本国際博覧会基本計画」(2001年12月)に基づき、環境に配慮しつつ、現状の平坦な地形や既存の建物を活用した会場計画、建設素材の3Rを取り入れた設計、効率的なエネルギー利用を促進した施工等、会場整備のあらゆる面で温室効果ガスの排出量抑制を図る。
この行動計画は、協会が行う整備工事について適用することとし、設計受託者、請負者、監理受託者など整備工事に関するすべての組織、関係者に遵守をもとめるものである。
また、協会以外の事業者が行う会場整備については、この行動計画に配慮し、温室効果ガス排出量抑制を推進するよう要請する。
協会は、本行動計画が設計受託者、請負者及び監理受託者において適切に実施されるよう、特記仕様書等に本行動計画の遵守を明記する。
設計受託者、請負者及び監理受託者は、温室効果ガスの排出量抑制にあたって、この行動計画によるほか、次の法律を遵守し、また、方針や計画を尊重しなければならない。
(1) 地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)
(2) 地球温暖化対策に関する基本方針(平成11年4月9日閣議決定)
(3) 地球温暖化防止行動計画(平成2年10月23日関係閣僚会議決定)
(4) 地球温暖化対策推進大綱(平成14年3月19日地球温暖化対策推進本部決定)
(5) あいちエコプラン2010-愛知県地球温暖化対策地域推進計画-
(平成12年3月)
(6) 2005年日本国際博覧会における廃棄物等の発生抑制・リサイクル行動計画(会場整備編)
受会場整備の設計及び施工にあたっては、次の各号に掲げる方針により、会場整備 時に予想される温室効果ガスの発生にかかる総合的対策を適切に実施することとする。
また、協会は、会場整備に伴う温室効果ガスの発生量を把握し、可能な限りその低減に努める。
(1) | 高炉セメントの利用など環境配慮型資材の利用を進める。 |
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(2) | コンクリートレス基礎の採用を検討する。 (1) (2)により、セメントの使用に伴う二酸化炭素排出量の目標を9,612t-CO2とする。 |
(3) | 工事規模に合わせた工事機械の適正配置と効率的使用を図る。 |
(4) | 工事機械の定格運転遵守による過負荷防止を徹底する。 (3) (4)により、工事機械の稼動に伴う二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素排出量の目標をそれぞれ3,386 t-CO2、4 t-CO2及び18 t-CO2とする。(メタン及び一酸化二窒素については、二酸化炭素相当数量を示す) |
(5) | 作業時の水・電力等の使用量節減を励行し、エネルギー消費の抑制を図る。 |
(6) | 建築物の設計にあたっては断熱材の利用等、省エネルギー型に努める。 |
(7) | 夜間工事の短縮や、効率的・効果的な照明器具の採用に努める。 |
(1) | 工事用車両に、低燃費車や省エネ車など環境負荷の小さい車両を使用するよう努める。 |
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(2) | 一次造成工事においては、会場外への土砂の搬入出は行わないよう会場内で切土と盛土の均衡を図る。 |
(3) | 資材等の搬出入ルートを効率的に計画する。 |
(4) | 工事関係者は、公共交通機関や送迎バスを利用するなどにより、工事用車両及び自家用自動車の通勤使用を抑制する。 |
(5) | 工事用車両の走行時における急加速・急発進・アイドリングを避けることを徹底するとともに、走行速度に配慮する。 (1)~(5)により、工事用車両の走行に伴う二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素排出量の目標をそれぞれ536 t-CO2、0 t-CO2及び7 t-CO2とする。(メタン及び一酸化二窒素については、二酸化炭素相当数量を示す) |
「3R型建設手法の検討調査委員会」の検討を踏まえ、以下の方法等により、廃棄物等の発生抑制(リデュース)、再利用(リユース)、リサイクルを推進する。
(1) | 再生クラッシャーラン骨材や設備機器保護用コンテナなど、中古資材の活用を進める。 |
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(2) | 外国政府館をモジュール単位で転用できるよう設計し、転用を図る。 |
(3) | 平板ブロックや側溝・枡等のコンクリート2次製品は、乾式工法を採用し、外構材としての転用を図る。 |
(4) | 解体時にリサイクルができるよう、リサイクル可能な製品を極力採用する。 |
(5) | 詰所やバックヤード施設等の観客主要動線上にない単体の管理施設は、レンタル・リースを計画する。 |
(1) | 二酸化炭素の固定吸収源としての機能に着目し、会場内での植樹や壁面緑化等緑化の推進により、温暖化防止対策としての緑化の役割について理解を深める。 |
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(2) | 支障木については、移植に努め、移植できない樹木については、会場内の土木施設、園路舗装、樹木保護(マルチング)材、再生建材、パルプ等として再生利用に努める。青少年公園地区会場の支障木については、中高木2,000本以上の場内移植を行う。 |
(3) | 型枠を使用しない工法の導入・鋼製型枠の使用・再生型枠の使用・型枠の複数回使用を推進する。コンクリート工事に伴う型枠使用量の目標は、918m33とする。 |
また、協会は、会場整備を行う協会以外の事業者に、同様の書類の提出を要請する。
協会は、博覧会の会場整備中、開催中及び撤去時にわたる温室効果ガス排出量の把握に努めるとともに、目標の達成状況を勘案のうえ、植樹等の二酸化炭素吸収源方策についても検討を行うものとする。
この行動計画は、平成14年10月11日より実施する。
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