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第3回「愛知万博検討会議(海上地区を中心として)」議事録

委員からの提案説明(博覧会における海上地区の位置付けを中心に)・質疑応答

□ 谷岡委員長

提案を24件頂いておりますが、本日お出しできるモノは22件です。まず、糸魚川委員からお願いしたい。

□ 糸魚川委員

<糸魚川委員 資料(9)「"博物館"群の提案」>
愛知県においては、自然史の博物館は豊橋に一つあるだけである。このようなものを作ることが夢である。
環境・自然保護を考える意味からも、アクセスについては、各個人が自動車を利用するのではなく、新駅から徒歩で来ていただきたい。また、低層でつくることは、たくさんの面を使用してしまうので、不適当である。
海上南地区は最小限のフィールド利用にとどめるべきであり、これを作る過程においては、市民参加が必要。将来は恒久的施設として博物館をつくる。テーマは海上の森、里山に限らず、自然の博物館、自然と人間の博物館であると同時に、あの地域だけでなく地球全体の博物館にしたい。しかもこれまでにない博物館をつくりたい。バックに海上の森が控えている、という意味で海上の森の拠点施設、ビジターセンターとしての役割も果たすことを目指したい。「ふれあいの森」のプランはある面で活用できる。
私の博覧会への考えは3月25日の中日新聞夕刊に書いてある。さらに詳細は東大出版会から、自然史博物館に関する本を見ていただきたい。

□ 谷岡委員長

糸魚川委員の意見はすっきりまとめられていた。ただ、この場は大学の研究論文発表の場ではないので、どうまとめていくかということが大切。それを考えるとたいへんなことだ。
今日は、これから委員の皆様から、様々な提案を聞くが、島津委員が「まとめ方」に関してよく研究しておられるので、ここで、時間を若干とっていただき、島津委員から、これからどういったことをポイントに聞けばいいゥ、といった点をまとめてほしい。

□ 島津委員

<島津委員 資料(5)「検討会議に参加型手法を導入することの提案」>
詳細は私の提案の一番後ろにあるので参考にしてほしい。これは市民集会やマスメディアの情報をもとに「万博計画」とはどういうものかを前提に書いている。
向かって左は万博を開催することが前提。右は海上の森を守ることのグルーピング。ここで表しているのは、似たこと、離れていることをお互いにつなげる、主張(問題点)のマップという考え方である。
この会議の場は、あくまで出発点。これから皆様のご議論を元にキーワードを見つけだし、それらを結びつけてつなげていくということを試みたい。
なぜこういうことを考えたかというと、この会議はクロシロをつけるものではない。また両論を並記した結論を出すこともできない。討論をしながら合意すべきことをしていこうというもの。キーワードは各回変わっていく。
実は、昨日皆様の提案書をすべて読んだ。そして大筋においてこの3つのグルーピングは間違いないと思っている。
ここで皆様にお願いしたいのは各委員が「里山保全を前提にして」という共通の前提のもとに議論を進めてほしいということ。
海上地区について、「会場はどこでもいい」「博覧会で使わなければいい」ということから、「海上の森全体についてのマスタープランをどうするか」、「本当に海上の森を保全することを瀬戸市民は望んでいるのか」等、様々な考え方があり、これは、青少年公園、長久手においても同じことが言える。分散会場をお考えの方も代替案として言っているのか、それが会場計画上元々必要なものなのか、また、その会場を選定する時間的な問題をどのように考えているのかも問題。
事業者にあっては、採算面・アクセスの可能性から、観客入り込み人員について検討したことがあるのか。無いなら無いと言って欲しい。
海上の森については、1日4万人が限度だという意見や、1日数千人が限度という自然保護団体の意見もあり、これらの根拠がないと議論をする前提が成り立たない。
そこで、事業者にお願いしたいのは、なぜ海上南地区にこだわるのか、ここにしがみつく理由を白状してほしい。2会場とすることによる不便さ(コスト高、等)はあるはずで、人が入れない会場にしてはどうか、という提案もあり得る。
また、何故、青少年公園なのか?海上の森の近くにある公共施設だからという理由か?他の代替案を考えた結果か?また、今、公園を利用している人はどうなるのか?博覧会後はどうするのか?。このくらいのことを述べていただかないと、同じ土俵で共通の言葉を探しながら議論ができない。この会議の場では制約条件は最低限示してもらわないと困る。
参加型議論のアプローチはいろいろあるが、とにかくぎりぎり一杯の本音を出さないと解決は見つからないと思う。

□ 谷岡委員長

どうもありがとうございます。何が問題かといったことが明らかになった。 それでは次に伊藤委員お願いします。

□ ○ 伊藤委員

<伊藤委員 資料(3)「響け市民の声 第1弾提言書」>
島津委員のお話を聞いている内にそのようなキーワードを出せるかどうか不安だが、提案したい。

□ 谷岡委員長

最初の頁は整理を行ったものである。今アドバイスをいただいたことからすると、この提案は万博開催を前提にしたものである。4年前に万博を契機に住みよいまちにしていこうという意見をもって考えたもので、博覧会会場は瀬戸市全域でという姿勢で提案している。内容は、瀬戸市は何となく顔が見えないところであるため、世界に対して、どういう都市(まち)にしたいかといった都市宣言をすべきではないか、という提案となっている。1つは「地球共生都市宣言」、もう1つは「やきもの文化発信都市宣言」である。
海上地区の位置付けについては、メイン会場として機能すること。どう機能するかは検討会議で議論してほしい。
海上地区の活用については、瀬戸全域が会場という提案内容であるので、最初から分散会場を念頭においている。また、分散といった場合は青少年公園だけでなく、もっと広域的に(瀬戸市内も含めて)考えて欲しい。その1つが瀬戸市民公園である。愛環駅が地下を通っている。また、市民公園周辺の陶土採掘場の活用や、産廃捨て場になっている瀬戸南部の地域を万博会場の準備のために活用することも可能。万博計画を前提としてやっと市民が盛り上がろうという機運ができつつある。生ごみをつかった堆肥づくりとか花いっぱい運動等、様々な活動がはじまっている。以上で提案の趣旨としたい。

□ 谷岡委員長

島津委員のすぐあとでいい例をつくっていただいた。次に井戸田委員お願いしたい。 海上の森に直接関係ないということであれば次にいきたいが。

□ 井戸田委員

次回にしていただきたい。

□ 谷岡委員長

次は、上杉委員にお願いしたい。

□ 上杉委員

<上杉委員 資料(2)「海上の森を世界遺産に」「エコ・ミュージアム」「交流未来都市とSATOYAMA」>

□ 谷岡委員長

既にお配りしてある資料は3点。「海上の森を世界遺産に」「エコ・ミュージアム」「交流未来都市とSATOYAMA」。
ポイントは、

  • この提案は道路、新住を前提にしていないので、現在の状況に合っていると思われる。
  • テーマは自然の叡智。それに伴い大幅な造成は対象にしていない。
  • 財政負担の軽減が図れる、等。

「エコ・ミュージアム」というのは瀬戸のフィールドミュージアムと若干似ている。

□ 谷岡委員長

美術館のようなハコモノに入っているモノは本来のあるべき姿ではない。「エコ・ミュージアム」の大きなポイントは「あるものを本来あるがままに見せること」「今ある資源をそのまま生かしていくこと」である。海上の森もそう、藤前干潟もそう、今あるものを生かしていくことが重要である。海上の森の使用イメージだが、8つのエコツーリズムを実現することにより、全国の里山に同様の価値があるということを理解してもらう。これができれば海上の森の博覧会は大きな意味を持つ。
笹島も是非生かしていきたい。大きなビオトープとして自然の再生を試みるのも面白いと思う。
南地区については、非常に人が入りにくい場所であり、貴重な場所である。人を入れ込むことは難しい。吉田川渓谷の歩道を見ても少数が限度。そこで、人が入れない会場構想をどう考えるかということで、バーチャル体験をやってみてはどうかと提案したい。南地区の会場に一人だけ入り、その人が色々解説しながら情報をデータで送り、パビリオンの中で観客がバーチャル体験する。これは可能である。
「エコ・ミュージアム」とは、2005年に新たなものをつくるのでなく、インターネット等を通じて人が理解し合うことである。

□ 高垣委員

私は、まちづくりの観点から一言申し上げたい。海上の森をコアとしながらのまちづくりの提案。笹島、環境大学、里山研究所、豊田博物館などがネットワークをつくっていく、それが「エコ・ミュージアム」。瀬戸市の水系の地図だが、たいへん豊かな自然を持った瀬戸市を緑と水の回廊にしていくという提案をしたい。緑については陶土採掘場に緑を復元していく。そういうことがこれからの瀬戸市にとって大切。

□ 谷岡委員長

次に加藤委員にお願いしたい。

□ 加藤委員

<加藤委員 資料(16)「愛知万博検討会議への提案」>
要点だけ述べたい。私は、海上の森を全面的に会場としないという立場で参加しているので、海上の森を守る立場での提案を行う。その上で万博をどうするかということがこの会議の命題であるので、どうしたら現在の形から変わっていくのかを考えてみた。

  • 環境に悪影響を及ぼすもの、展示だけのもの、地域開発を誘導するものからの脱却。
  • 人数の多少、規模の大小を基準にした事業評価基準からの転換。
  • 青少年公園のアセスの実施。現在言われる青少年公園+海上の森については計画変更に伴ない現状調査が必要。
  • 環境負荷を低減するための複数案の検討が必要。なぜ海上か、なぜ青少年公園かといった根本的問題に解決することが必要。計画とりやめも選択肢の1つとすべき。
  • 事業者による情報公開と説明責任義務の遂行。
  • 都市近郊の里山の全面保護。里山保全条例の制定。高知市で里山保全条例がこの4月から制定されている。
  • 市民活動による合意形成を目指すためのものとして位置づけていく。それは委員だけでなく、市民の側から出されている意見も含めるということである。
  • 海上の森開催案だけでなく、複数案を。財政上の問題についても検討して欲しい。

□ 谷岡委員長

皆さん平等に時間をもっていただきたいので、発表時間については議長の指示に従って欲しい。

□ 木村委員

<木村委員 資料(4)「地域の経済社会とEXPO2005」「地域保全の自立的形成の論理を求めて」>
「博覧会の開催と地域社会への責任」について。
「自然の叡智」を一番理解していないのは協会ではないか。理解していれば、オオタカ営巣によって、安易に青少年公園に移るということはなかったのではないか。
「2005年博覧会及び瀬戸市周辺の地域形成に関する提言」について。
瀬戸の地域の自然がどういう経緯で成り立ってきたかを無視しては検討できない。博覧会推進の立場でいるが環境をないがしろにしようというものでない。歴史的な時間軸の中で、再生・利用を見つめ直し、存続の意味を理解したい。
ハノーバー博は技術によって自然を克服しようというもの。しかしわれわれの博覧会は21世紀にどう自然とつき合うかということがテーマ。ものづくりのまち瀬戸が人間と自然とどうつき合ってきたのかという接点を構築していくこと、これが今回の博覧会にとって重要なこと。里山をあいまいな言葉で語ってはいけない。人間と地域のあり方を考える真ん中に里山を位置づける、ということが大切。貴少種の保護、生物の多様性は人間と切り離して考えることはできない。海上の森が守れてもアジアの森が守れないうようではだめ。
海上の森が縮小したからといって青少年公園に持っていくのはナンセンス。むしろ陶土採掘場の方が適切でなかったか。しかし、今このようなことを言っても仕方がない。ただ、海上の森をメイン会場にして、青少年公園をアミューズメントとして使うにしても、瀬戸の市街地も利用する必要がある。
名古屋学院は35年前に造成してつくった。是非訪れていただいて35年経ってどうつき合っているのかといったことを実感してほしい。

□ 谷岡委員長

次に國分委員にお願いしたい。

□ 國分委員

<國分委員、藤原委員 資料(10)「海上の森南地区万博会場利用構想と(仮称)国際里山研究所」)>
推進する立場として検討会議にはたいへん喜んでいる。「自然の叡知」というテーマは20世紀の生き方に疑問を呈したもの。
南地区に展開する1つの例として出しているのが150頁の提案で、現在南地区で考えられている5万㎡について検討したものである。
会場施設幹線道路を地下にし、会期後はナショナルミュージアムとして使用する。オープンカットで200億円、地下式だと300億円かかると試算している。議論しやすいように模型で出させていただいた。環境に優しいものとするためには時間もお金もかかる。
この会議は我々の権利を行使する場であるとともに責任も伴う。今、存在している案は協会案のみである。しかし愛知万博検討会議としても案を作成し、会議に責任を持たせることも必要。

□ 谷岡委員長

ここで10分間休憩としたい。7時40分再開としたい。

□ 谷岡委員長

古南委員は海上地区の提案ではないということであり、島津委員は先程説明済みであるので、次は、武内委員にお願いしたい。

□ 武内委員

<武内委員 資料(19)「愛知万博検討会議への委員提案」>
環境PTリーダーとしての立場とは別に個人としての意見も言いたい。

  1. 海上の森での展示施設はテーマ上不可欠である。
  2. 展示施設は南地区南側に限定し、森の永続的活用に資する恒久施設に限定する。
  3. その他の地区は森林体感地区とし、水平回廊に沿って自然観察ができるようにすべきである。
  4. 海上の森の保全は、「ふれあいの森」整備事業や自然環境保全地域の指定など、新たな保全の仕組みを作ることが必要。
  5. 笹島、陶土採掘場跡地に協賛会場を設けることを検討すべき。

海上の森等の活用方針に関する提言(別紙1)

  1. 南地区南側に限定。恒久施設は自然史博物館、陶芸文化施設等。ヒノキ林は林内に展示物が散在する芸術展示ゾーン
  2. 水平回廊を南地区北側に巡らせ、森林体感地区の主な動線にするとともに、芸術展示ゾーンや古窯群を結ぶ動線にも利用する。
  3. 海上の森北地区は里山及び田園展示ゾーンを設け、展示施設分館と環境モニタリングシステムを設置。
  4. Cゾーンは恒久的な資産継承研究教育施設の利活用。
  5. 笹島はバーチャルエキスポとして、瀬戸の陶土採掘場は協賛会場として活用。

□ 谷岡委員長

次に辻委員からお願いしたい。

□ 辻委員

<辻委員 資料(14)「未来への航路」>
私の資料は「未来への航路」ということである。OHPで提案をしたい。私が検討会議に参加した理由は、藤前干潟保全運動をやってきた中で環境博ということであれば21世紀の環境運動に新しい取り組みとなると考えたからである。
これは、単なる代替案でなく、今21世紀に何を残せるかを考える時に、今までの足かせを離れ、大きくモノを見る必要があるということを考えたものである。
BIEが21世紀型の博覧会を開くフレームワークを示しており、それへの回答を示す必要がある。海上の森と藤前干潟は上流と下流で繋がっている。単に言葉の意味だけでなく、現実の問題として森の広葉樹林がつくる腐葉土層に鉄分を取る働きがあり、森と海のつながりが決して単純な問題でないことがわかる。
今考えるべきことは、「自然の叡智」を考えると単純なことではない。地域の生命のつながりをどう回復させるか、生物多様性をどう回復させるか、BIEがフレームワークの上位にあげている環境破壊をどうするか。私たちの社会がゴミで環境を潰してきたことを、どうするか。そのために、守られた海上の森と藤前干潟を見せることが象徴となる。
私の提案は分散型で海上の森は今のままで保全していく。この地域は急峻、名古屋港はフラット。これを使えばかなり自由度の高い提案ができる。また、藤前、木曽岬干拓、そして埋め立て中の土地、これらを使えばかなりゆとりのもった会場計画ができる。用地の視点から見直すことが我々の提案。木曽岬でレースをやるといった楽しい提案もできる。
名古屋市のゴミ問題が藤前からはじまったように、新しい提案ができる。藤前干潟にビジターセンターをつくって渡り鳥の観察をするとかが可能である。

□ 谷岡委員長

続いて戸田委員からお願いしたい。

□ 戸田委員

<戸田委員 資料(15)「博覧会開催の広域性についての提案」>
広域性からみた海上地区の利用について整理している。20世紀型から21世紀型へ。オリンピックは商業化に進んだ。博覧会は、2000年のハノーバー、2005年の愛知、から2010年の上海、麗水、ブエノスアイレス等、途上国に移ってきている。環境総合博という点では、ハノーバーはまだ総合化されていない。
また、NGOと国、行政という単位の次の単位をどう考えるかも議論したい。集客系と自然系の地域参加について議論したい。集客系地域参加の例として、ハノーバーからベルリンへの途中のウォルフスブルク市に、フォルクスワーゲン社は施設を設けた。
環境系は、流域圏(水系)モデルとして考えられる。里山は人と自然の中間点に位置し、愛知県には海があり、山があり、里山があるということで好立地である。
全体の会場構成は、海上地区・青少年公園・その他の地区がある。それへの導入機能として、次の3つが考えられる。「パビリオン」「EXPO村」「自然体験」の機能。将来的に瀬戸のまちづくりにどう展開していけるかが大事。

□ 谷岡委員長

次は萩原委員にお願いしたい。

□ 萩原委員

海上地区の提案ではないので、今回は結構です。

□ 谷岡委員長

次は林委員にお願いしたい。

□ 林委員

次回で結構です。

□ 谷岡委員長

次は森川委員にお願いしたい。

□ 森川委員

<森川委員 資料(20)「里山環境保全への多様な視点」>
私は観客輸送PTリーダー代行として出ているが、今日の提案は企画運営委員でなく個人としての提案であり、7名企画運営委員の連名で提案させていただいた。
まず、発信する環境博のテーマとしてはダイナミックなテーマが必要。また、テーマを出しても外国がそのテーマに沿った展示をどれだけしてくれるか不明。そこで、テーマ館・政府館が重要となるであろう。議論に入る前に、海上地区と青少年公園の現状をよく知ることから提案したい。
海上地区へのアクセス面は悪く、海上南は地形が厳しい。海上地区に恒久施設をつくるのは非常に制約が大きい。
また、青少年公園には下水処理の制約、バス輸送の制約、周辺地域の交通問題の制約があり、現状では多くの人を入れ込むのは困難と思われる。
BIE登録上の会場だけとすると面積が狭くなるため、正式会場も複数会場とする必要があるが、それが無理ならば、協賛会場が必要となる。
我々は、海上北地区も含めて使う提案をしている。海上北~里地区は里山フィールド活用会場、南地区は生物多様性会場、建築物は慎重にならざるをえない。
また、西地区には里山関連のテーマ館等の設置が可能。海上の森では、携帯端末を使えば魅力的であり、フィールド会場となりうる。
青少年公園は計画基準日11万人の会場とする。我々はオオタカ問題が出る前から、街と森と海という会場計画提案をしている。交通問題からもネットワーク型がよい。また、バスを待つ観客の溜まりのためにも、門前町型の会場が必要。海上南、北、YP、笹島、金城埠頭等といったネットワーク型の会場提案である。

□ 谷岡委員長

次は、前田委員代理の小池委員にお願いしたい。

□ 小池委員代理

<前田委員 資料(13)「万博に対する提案」「計画案策定に関する提案」>
181頁、13番。合わせて本日新たに追加した資料も見てほしい。
我々は青少年公園が主。長久手町民にとってはふってわいた話であり、9月に会場として検討されるということとなった。そういう状況の中であるので、提案という形ができるか苦慮しながら出させていただいた。
まず、なぜ青少年公園で行うのかということが明らかにされていない。海上の森に近いという以外に何の説明もない。町民合意もない。10年前、突然海上の森に決まったという状況と同じ。
まちの状況を見ても青少年公園は住宅地のすぐそばにある公園で、そういうところでどのようにこの一大イベントを行おうとしているのか。もし、行うのであれば、万博の理念は何か。今の理念は海上の森で行うことを前提としている。それを青少年公園ではどう生かすのか。これが見えていない。この森で行う実験とはいえ、どう実現するのか。こういった時間がたいへん短いという中で、本質的な問題を放置して先へ進むのはいかがなものか。
会場計画については、来場者数低減を提案する。海上の森の使い方について言えば、私たちは海上の森を守りたいというのが大前提。青少年公園については、交通問題、廃棄物等様々な問題がある。交通混雑は日常生活に直結。影響のない範囲内で行って欲しい。
追加資料の「青少年公園の施設」という項目を見ていただきたい。年間300万人の利用者がある。年間を通じて使用できるスケート場は大須とここのみであり、県外、関西からも利用者がある。陸上競技場、キャンプ場を含め、4年間で1200万人が利用できなくなる。
万博来場者数については、最大でも4万人(1日)とすべき。平地が少なく全てがパビリオン建設に向く土地ではない。最新の情報技術を使った会場づくりをしていくべきでないか。
また、アセスがきちんと行われていないので、きちんと調査を行ってほしいと考えている。

□ 森山委員

<森山委員 資料(8)「国営瀬戸海上の森里山公園構想」>
環境万博ということであり、21世紀はじめに開かれる万博であるので、20世紀の環境問題は何かをきちっと総括すべきである。オゾン層、大気汚染、このままでは破局である。人間が真剣に生き延びるために、自然と人間の関係をどう構築していくのか。
1つ目のサブテーマは、循環型社会をどう作るのかということとエネルギーの問題がある。
日本は森林国であるにもかかわらず里山をきちんと管理していない。環境条件を打破するためには、木材を燃料として電気をおこす木質エネルギーの利用を行い、火力燃料の使用を減らすということが必要。そこで木質エネルギーの活用を行い、万博施設をこういう発電で賄う。
2つ目のサブテーマは、自然との共存を行ってきた過去の人類の知恵から学ぶということではないか。
どういう風に海上の森の里山環境を保全するのか。
里山は田んぼと林からなる。しかしながら、現在、田は耕作されておらず、森林は荒れている。そこで、それを管理する人間・組織が必要である。また、これにかかる研究テーマ集めが必要となろう。
海上の森は県の買収により進めているが、雑木林を適度に伐採し、良好な里山林の保全が必要である。そして、この保全活動に市民が参加することが必要であり、積極的に関与していくべきである。
今まで、このようなことを追跡調査した前例はない。生態系として調査データの把握、研究はしていない。そこで、里山研究の全国発信の拠点として整備すべきである。
我々は国営公園化を要望している。

□ 谷岡委員長

次は吉田委員からお願いしたい。

□ 吉田委員

<吉田委員 資料(7 )「愛知万博検討会議に対する意見」>
<吉田委員 資料(21)「今、万博計画に必要な考え方」>
万博はもう始まっている。こういうプロセスこそ万博である。
今日現地視察をしていただいた。吉田川沿いに進んでいただき、谷を通り南地区を通って戻ってきた。南地区は海上地区で一番急峻。地下に作るにせよ、尾根上につくるにせよ大きな地形改変が必要。南地区はコナラ、アベマキが自生。50年放置している。南地区は里山でなく、奥山と言った感じだ。東京でいうと高尾山がこの例にあたる。
ハッチョウトンボ、トウカイコモウセンゴケも自生している。自然の叡智をテーマとする博覧会会場として1日何万人も入るのは問題。1日何万人も入れなければならないのはなぜか、協会からその理由を教えてほしい。2000万人入らないと成り立たないのか。協賛会場も含んでいいのか。登録会場のみか。南地区に変わる代替案を用意したいが、前提がないとできない。
また、否定ばかりではいけないので提案もしたい。
環境万博として世界にアジアの価値観を発信する万博とすべきである。
日本館、自治体館は海上南地区に作る必然性がない。むしろ国際環境館といったものを国際機関が協同で作る方がよい。
生態系の保護、矢田川、庄内川を通じて伊勢湾と海上の森が繋がっている。そうすれば愛知は世界に誇れる環境の取り組みをしているといえる。 私たちは21世紀に、子供を連れていけるような豊かな里山を社会資本として残さなければならない。

□ 國分委員

<國分委員 資料(11)「エコパーク構想について」>
<國分委員 資料(17)「愛知万博検討会議への提案」>
追加説明を行いたい。
(以前から考えていた)エコパーク構想を今回の会場計画の変更に合わせ、内容を変更したものである。本構想の中心であるエコロジーセンターを南地区に設けたい。北地区にはアートアンドクラフトゾーンとし、イギリスのグライスレールでのものである。これらのものを市民の手でつくっていきたい。
もう一つ、エコハウスについては、開催年次にエコハウスを市民の手でつくっていきたいというもの。

□ 谷岡委員長

議事進行を事務局に返したい。

□ 高垣委員

冒頭に発言しようと思ったが、知事が発言されたので遠慮した。
皆、本業が持ちながらやって来ている。私は、昨日もやることがあったが1日体調が悪くて寝ていた。はっきりいってこのような頻度で進めていくのはたいへん。市民と対話するという決断は立派。しかし、何のサポートもされないまま続けるのは苦痛。私がここに出てこれるようなサポートをしてほしい。最大のサポートとは時間を保障することである。私は市民団体に属しているが、彼らに報告もできない状況である。検討してほしい。

□ 谷岡委員長

今日総長はいらしていないようだが、博覧会協会には、東京事務所と名古屋事務所がある。この1週間これらだけの資料を作ったのもたいへんな作業。コピーするだけでもたいへんな作業。東京からなぜ人が来ないのか。みんながサポートするとはどういうことか。こういう形から見えてくる。いつ電話しても協会職員が出る。我々もたいへんだが、他の方々も頑張っている。
前回決めたことをひっくりかえし、元に戻るべきではない。知事の意見ももっとも。少しずつよくなっていくだろうと思うので是非ご協力お願いしたい。

□ 木村委員

この検討会議の議論と博覧会協会企画調整会議はどう絡んでいくのか。
企画調整会議でもこの議論を踏まえてくれるのか。今答えをくれなくてもいいが、事務局側にはもう考えはじめておいて欲しい。

□ 宇佐見委員

2点ある。1点は、検討会議委員以外の方からの提案をどう扱うのか。
もう1点。私は今回資料を追加したが、私としては市民の会の議論を踏まえ提出したはずだ。しかし、谷岡委員長からはいたずらに議論を引き延ばしているという批判をいただいた。これについて説明を求めたい。

□ 谷岡委員長

次回議論したい。ここで文章の一部を切り取って行うような議論はしたくない。
宇佐見委員のご意見はこれを議論しなければ、会場計画の提案の議論に入らないというものであり、受け入れがたいと考えた。

□ 宇佐見委員

一人の委員の意見が議論を妨害するというような断定した意見を言っていいのか。

□ 谷岡委員長

本日は委員の提案を聞くということで、議事を進めるということである。協会に昨日、提案が来ているのかどうか聞いたが、出ていないと言われた。提案が出ていないのに発表時間が与えられるものかどうか困った。私のメールにも誤解があれば意見を願うという言い方をしている。また、私の意見を断定したとされるのは、断定の断定である。

□ 宇佐見委員

これについては次回議論の時間をとっていただきたい。
また、委員以外意見の取扱はどうなっている。

□ 林委員

私は、谷岡委員長の判断が全面的に正しいという判断をしている。文章表現によって一義的ににしか受け取れないよう気を付けて書いてほしい。そのように思う。
第2点については、委員外の意見をとりあげるのならば、委員会の存在は不要。そのような意見は直接協会に申し出る方がよい。
委員会というものはいかなるものであれ制限がある。

□ 上杉委員

所属する団体のメンバーが少ない委員であればいいが、1週間に1回というスケジュールは厳しい。1週間に1回というのは早晩見直してほしい。

□ 草刈委員

事務局で宿題のスケジュールについて説明してほしい。

□ 高垣委員

上杉委員の問題提起に対するインターネット上の議論を、委員同士で7日の午後までに行おうとしたが、このような議論は開かれた議論を目指す委員会の中で見えにくいものとなっているのではないか。

□ 谷岡委員長

この場で議論すべきことか、そうでないかの意見を委員に伺っただけで、見えにくくしたつもりはない。