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第5回「愛知万博検討会議(海上地区を中心として)」議事録

博覧会における海上の森の活用について(博覧会協会から説明)

□ 谷岡委員長

どうもありがとうございました。これで委員からの一応の冒頭における追加説明あるいは発表を終えさせていただきたいと思います。今日は博覧会における海上の森の活用についてということで、博覧会協会側からの現在のお考えをお聞きしたいと思います。この後時間的に見まして必要であれば質疑応答を、質問等の時間が設けられるかもしれませんが、時間を見て早めに休憩を取って第2ラウンドに入ろうと思っております。協会の説明を先にお聞きしてから、時間の具合を見たいと思います。

□ 片山事務次長

それでは事務局の方からご説明をさせていただきます。最初に海上の南地区の地形等につきまして、湯山グループ長から説明いただきます。

□ 湯山計画グループ長

第2回の検討会議に、海上の森で何をやりたいのか、協会としてもとにかく森の中でいろいろな活用をしたい。その中で拠点的な施設を作りたいということを述べております。これにつきましては県のほうからも恒久的施設ということで拠点的な施設を造りたいといわれ、協会もそう思っております。どういう形で造れるかは県のほうと共同で作業したわけでございます。作業の指導も受けました隈委員のほうから、概略のご説明があったと思いますが、資料があります。どういう考え方かといいますと、南地区・西地区を活用したいという形ですが、工事の仕方としまして、2005年までという短い工期のことを考えますと、どうしても端から順番にやっていくと工期的に間に合いませんので、工事用道路を使わないといけない。工事用道路を使うにいたしましても、吉田川沿いの希少な場所ですので、工事用道路に最も負荷を少なくするような工法、そうなりますとやはり奥の方については切った土と盛った土を同量にしないといけない、通る車輌も最小限にする。手前のほうにつきましては外に搬出することもできますが、奥の方につきましてはこの工事用道路になるべく走る車を少なくするという考え方です。実際細かい計画図までやっておりますが、この場所につきましてはこの検討会議で使い方を考え、企画運営委員会で実際の計画を考え、物理的な計画を作るという形ですので、今のイメージということで第2回の検討会議に協会・県のほうから考え方を示しました拠点地区の考え方を示しております。
話題になっております道路の幅ですが、博覧会をやるときに最低限必要なものは、入り口につきましては緊急車輌のすれ違いが可能なもの、会場の中で何か起こったとき複数方向に避難ができるといったかたちです。そうなりますと手前だけではなく、奥の方に避難できないといけないということで、一応林道の方につながる道についても書いております。必ず緊急車輌が両方向にいける、手前側については緊急車輌のすれ違いができるというのをやっています。ここの使い方が決まらないことによっては実際の幅も決まらないわけで、この幅につきまして最大限の使い方をする場合、奥の方まで体の悪い方がある程度乗合バスで行き、健康な方は歩いていくといういろいろな形の幅をやっています。実際は使い方が定まらないと、どういう形に落ち着いていくかということでございます。一応この図面で書いてありますのは、海上の南地区辺りの造成が10ha少しということで、平場がどれだけできるかということですが、多くて5~6、十何年たった時、もとの山に近いところに戻るような工夫をしますと、あんこの部分が少なくなるということですが、やはり使い方、どういう形で整備をするかという方向が決まらないと、実際には決まってこない。これに建坪率3割ぐらいでやると、平均1~2haぐらいの拠点施設というかたちになろうかと思います。これでいきますと、入り込み人数、基準日で2~3万人ぐらいというかたちですが、これにつきましてもこの検討会議で、ここのあり方、委員の方の計画で形が定まるものと考えております。以上です。

□ 谷岡委員長

協会のほうからは、まだありますね。引き続き片山さんのほうで全部終わりになるまでマイクをお渡ししますのでよろしくリードください。

□ 片山事務次長

引き続きまして、海上地区の植生について松崎グループ長のほうから説明をいたします。

□ 松崎環境G長

時間の制約もございますので、大まかなポイントにあたるところだけ説明をさせていただきたいと思います。資料の5といたしまして、博覧会における環境影響評価において、現在実施している現地調査という資料と、第1回の時にお付けしました資料ですが、現在のアセスメント上の手続きの位置付けがどうなっているかというのを改めてつけてございます。一般的に行われるアセスメントのような進め方をしていないということは、1回目にもご説明しましたとおりで、現在も様々な調査を進めています。進めている調査の状況についてまとめましたのが、本日お配りいたしました資料の5でございます。この表自体はご覧いただければよろしいと思いますが、この表の中には当初から計画して進めておりました調査の中に吉田委員のほうからご紹介がありましたようなNACS-Jのご懸念等も受けまして追加した調査も入っています。これらの調査につきましては、現在進行形でございますので、今日お示しする図面等は、評価書の段階でまとめたものという風にご理解いただきたい。評価書の段階の資料につきましても、なにぶん千数百ページにわたる図書でございますので、もしご希望があれば、ご連絡くださればそれぞれの委員にご提供する用意はございますが、今日お手元にお配りするには膨大すぎるので、OHPで海上の森は均質な森ではないといった観点での説明をさせていただきたいと思います。
(OHPを使って説明)
今映しておりますのは、現存植生図という、多聞に学術的な区分に基づいて作りました図面でして、大まかにこれを見て把握できることというのは、先程言いましたように海上の森というのは均質な森ではなく様々な植生がモザイク状に組み合わさってできているといったことかと思います。こういったデータをもとにいたしまして少し加工をして分かりやすい区分にしたのがこちらの植生図です。茶色っぽくなっておりますこの部分が人工林のエリアでございます。緑のクロスを中心に入っている所、その中にほかの色合いでぽつぽつ入っているところはほとんどが広葉樹の自然林です。海上で見られる特徴的なものとしましてはこういった尾根状の所にアカマツの二次林が出てまいりまして、さらにそういったものの間にこの図面では読み取りにくいが、湿地特有の植生が分布している。そういった状況があります。今湯山のほうから説明しました海上南といっているエリアですと、こういうエリアに入っていきますので、広葉樹の二次林を主体とした植生になっている。
少し植生から離れますが、海上で話題になるギフチョウについて図面でご覧いただきますと、緑の点々とありますのが、ギフチョウが卵を生み、幼虫が餌とするスズカカンアオイの海上での分布となります。ご覧いただいて分かりますように、ほぼ全域に点々とスズカカンアオイ自体は分布をしております。この中で平成10年11年の調査の段階で成虫なり卵なり幼虫なりといったような個体が確認されたエリアというのは、赤の点々で囲んだ2つの大きなブロックに象徴的に現れている。
もう一度植生に戻りますが、植生のほうで先程2種類の整理の仕方の図面をご覧に入れましたが、観点を少し変えまして絶滅の恐れのある植物種やそういった類のものを注目すべき種という事で拾い出しまして、そういった種がどこに分布をしているかを、「保全上重要性の高いエリア」という表示をした図面がございます。これにつきましても細かく見ますと海上全体でかなりあちこちにこういった分布があるといったことはお分かりいただけると思います。どこかにまとまって部分的にドンということではなく、このような形で、モザイク状に様々な環境が組み合わさってできているのが、海上の特徴と考えております。
もう2点ほど動物に戻りますが、例えばということでお持ちしました資料です。こちらはムササビの調査結果から作成しました図面です。図上緑で塗ってあるのがスギ・ヒノキの人工林です。ムササビの確認をした地点を黄色の点で入れてございます。そのほか細かい凡例がありますがそちらの説明は省略します。これを見ますと人工林といえどもそこの環境に依存した生活をしている動物もいるといったことがいえます。
 もう1点これも全く違った観点で全体を見るときの参考にということで、ゲンジボタルの確認位置図をおとしています。水系の所で色合いが変わっておりますのは、海上池、篠田池、えん堤で区切られているという、ここを境に河川の条件が変わっている所で区間を分けておりまして、便宜上上流側からABCと区分をして集計をしておりますので、色合いが何かの等級を持つという趣旨ではありません。色合いの違う区間ごとに河川の条件が違っているというふうにご覧いただければいいかと思います。平成11年の調査段階でゲンジボタルの成虫が確認されたところが黄色の「○」で表示してあります所で、ゲンジボタルに関しては吉田川の水系は、ほかの水系と比べても高い。なおかつ森の外のこちら側の区間の方が個体数が多いということで、先程の資料―5にも現在やっている調査で、動物のところに詳細調査ゲンジボタルといったようなことが書いてありますが、今年も発生している成虫の数のカウントも続けております。今日お持ちしましたのは調査をした中のごく一部のデータですが、ご紹介しましたように環境条件が一様ではないということはお分かりいただけると思います。ですから海上の南地区ということで湯山のほうでご説明いたしましたが、何かをやる以上全ての環境を改変しないということでは物作りはできないわけで、どこの場所でどういった仕事をやるかによって、影響を受ける部分が当然出てくる。さらに一様な環境ではないのでどこかの部分をやって同じ環境を別の場所に求めるというのも非常に難しいチャレンジが必要な場所であると言うことを申し上げて、私の説明とさせていただきます。

□ 片山事務次長

事務局で用意しております説明は以上です。もしお許しいただければ傍聴室の方への伝達の具合がよくないという部分がございまして、システムのチェックをいたしたいのでここで休憩を取っていただければありがたいと思います。会議の時間帯が6時~9時というようなことで、おなかもすく時間にセットさせていただいておりますので、出入り口の横に若干の飲み物とおなかに入れていただけるものを用意いたしましたので、そちらのほうもぜひおとり頂ければと思います。

□ 谷岡委員長

そうなりますとずれ込む時間も必要になってきますので、15分ぐらいですか、あまり長くなっても今度は眠くなってしまいますので、15分後に再開したいと思います。

(休憩)