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第6回「愛知万博検討会議(海上地区を中心として)」議事録

開会

□ 片山事務次長

お待たせしました。定刻を過ぎましたので第6回愛知万博検討会議の会議を開かせていただきます。ちょっと遅れていらっしゃる委員の方もいらっしゃいますけども、会議を始めさせていただきたいと思います。この機会をお借りしましてこの一週間委員長試案の作業をしていただいた訳でございますけれども、事務局の大変な不手際にもかかわらず、たくさんの方がご参加いただいたことにつきましてお礼を申し上げさせていただきます。どうもありがとうございました。では、委員長よろしくお願い致します。

□ 谷岡委員長

では、ただいまから第6回の愛知万博検討会議を開かせていただきたいと思います。7月2日くらいをめどにと言ってから、我々は本当に怒涛のような日々を送ってきたということで、毎日がサバイバルゲームになるんだろうと思っておりましたけれども、まさにその通りになってまいりました。今ここにおりまして、私が何を考えているかといいますと、今度大学へ出たら私の机はあるのだろうか、ということと、にもかかわらず万博がこれで私達の結論が出せないというようなことになれば、踏んだりけったりだなというのが率直な思いであります。どうやら時間がないのが検討会議の宿命であると言うのが、どうも最初から宿命付けられていたようでございまして、大変ご熱心に議論をいただきまして、そしてたくさんのことがまだ議論されていない状態だということも、また事実だろうと思います。昨日私が、おとついの晩にいわば試案作りのためのさまざまな、まだ詰めていないような部分について皆さんのご意見をお聞きするような機会が終わりまして、昨日一日いろいろ考えておりましたし、まだ自分でも調べなければならないような資料を調べたりとか、いうようなことをやっておりました。最終的にこういう形でと決まったのが夜遅くでございましたし、またそれを、ひとつのフォーマットにおとそうとしましたら、最終的に鉛筆をもって書き始めたのが今日の日付に変わっていました。本当は中沢さんばりのかっこいい文章を書こうと思ったんですが、残念ながらそういうふうにはならなくて、スピードを要求されるということで質の方はだいぶ犠牲にしなくてはなりませんでした。大変、「ひょっとすると歴史に残る文章かもしれないのに」と思いながら、残念に思っているところでございます。さっきも言いましたように、時間がないのが検討会議ということですし、検討の時間が増えれば、またいっぱいいろんな問題がでてきてしまうのかもしれないので、どうなんだろうなということを率直に感じます。試案を自分で作ってみまして、今どういうことを感じているかということを申し上げますと、おそらくこれは誰の気にも入らないだろうと、だけどひょっとすると全員が我慢できる程度かもしれないと、そういうことです。制約はあまりに大きかったです。問題はあまりにもたくさんありました。もし、2年前に時間をまき戻すことができるのであるならば、おそらくこういう会場を選ばなかったであろうと思うくらい、大変難しい問題です。ただ、万博はがけっぷちにきているところで、万博をゼロにするのか、あるいは、やるということ自身に意義を見出すかということの中で、やるという方向で何とかその答えを見つけることはできないのか、ということがこの一週間の間、私がやろうとした作業でございます。大変ありがたいことに、20人の委員の方が互いに入れ替わり立ち代り、中には毎回きてくださった方もいましたけれども、ご出席いただけました。また、4人のほかの委員の方々も、メールや電話を通じて私と連絡をとっていただきました。そういう形で本当に私が試案を作りますよ、と言ったことに関してこれほど多くの人がかかわってくださって、代理者の皆さん、企画委員の皆さん、あるいは協会をはじめとする皆さん、知事も一時間くらい来て議論に加わっていただいたりというようなことがありまして、大変恵まれた環境の中で。それだけに皆さんを満足させたいと思いながら、おそらく誰も満足させられないであろうということが、私自身としては大変に残念に思っております。この間のやり方についてはさまざまな方からご批判をいただいております。さまざまな代案を出してそれらを慎重に、ていねいに検討すべきであろうというご意見もございましたし、そこには一理あろうと思います。私も完璧な議論ができればいいと思いますが、完璧な議論というものが何を意味するのかということ自身がわかっているわけではありません。そしてこの会議は万博のために開かれておりますけども、会議で完璧を尽くすために万博自身がふっとんでいるのならば、もとの目的がそこなわれると、しかし一方で乱暴なプロセスをふむということが、間違いの基になってしまう可能性が高いということでありますし、これは私自身が十分認めたいと思います。それがゆえに、先回の会議から手伝っていただける方々は、できるだけ手伝っていただきたいと呼びかけたわけですけれども、それでも実際に会議のあり方として正しいやり方ができたかどうかということには、疑問が残っております。ただひとつこの中で私が、それが分かっているがためにやっておりますことは、ブレーキとハンドルをできるだけたくさん組み込んだと、この委員長試案の中にブレーキとハンドルはたくさん組み込んだつもりでございます。つまり、本当に私達が意図しない方向で、問題がうまくいかなかったときのために、モニタリングシステムの設置の必要性ということを何度も何度もいろんなところで埋め込んであります。また、まだ積み残して本当に結論が出ていないような問題について、その検討の必要性あるいは、これからの検討会議の課題というような言葉でそこにふれるように致しました。そのことによって、ここでは議論尽くせなかったそういう問題に関しても、これから私達が検討会議として、なお責任がもてるようにこの万博をできるだけよいものにしていくための努力を、なお今後もしていくことができるようにということのみは確保したつもりでございます。だからといって及第点をいただきたいというふうに思っておりませんし、今日私はいわば被告席に座る覚悟でやってきて、これで他の被告席に座られた皆さん方の気持ちがわかるかなと思っております。どんどんご質問いただいて結構だと思っておりますし、あらかじめ言っておきますが、これはあくまで今日の議論のたたき台と。こういう形で皆様方からいただいたさまざまな発表の結果、議論の過程というものを反映させるような形で試案にまとめるという形で、いわば焦点を絞った議論をするしか時間との戦いということの中で、調整がつかなかったということでご理解いただきたいと思います。ですから、私によっての質疑応答というだけでなくて、ぜひ闊達にお互い同士の中でご議論をいただきたいというふうに思いますし、私がかわいそうだと思って味方してやろうという方は是非よろしくお願いします。この一ヶ月間、確かに時間は短かったと思います。ただ、合意形成というものを私がどう考えているかということを最後に報告に入ります前に申し上げておきたいと思います。私は、合意形成というものにはさまざまな学問上の視点というものがあります。そういうものももちろん重要でございます。しかし、一方で人の合意をなすものというものは、知性的、理性的な理解や妥当性のみではないと思います。それは願う心であり、思いであり、そしてその志であるところのようなものでもあると思います。それぞれの正しさというもの、ぶつけあっていくということの中からできてくる合意形成というものもありましょうけれども、しかし、ある目的に向かって心を合わせるという形の合意形成というものもあろうと考えております。この一ヶ月あまり、本当にそれぞれの過酷なスケジュールで非常に緊密に委員たちが付き合ってきたと、そして非常に摩擦の激しいふれあいの中で、私達は今まで自分達のフィールドにいてはなかった知見や知識、意識を得たと思います。お互いに理解でき合えなかった立場というものを理解し合うようになったと思います。お互いにグループ名ですとか、あるいは立場でしか規定できなかった人が、個人として見え始めたと思います。そしてそこに対する共感というものを育ててきたと思います。そしてこれこそが、私は今後もしこの万博がこの会議において生き残るのであるならば、これからの万博を動かすための最大の原動力になるのだろうと思います。私の願いはこの一ヶ月を通じて皆さんが人間として自らを、お互いを見ることができるようになって、そして心を合わせることができたように、このプロセスがこの会議の外へ出て、もう五年間この地域で続いてほしいということであります。私の意見はどのようにして修正していただいて結構です。どんどん皆さんに指摘をしていただいて、合意をしていただいて、修正していただいて、そしてそれを正案にまとめていただきたい。ただ私の願いは、どうかこの万博をやれるようにし、生き残らせていただきたい。そして五年間かけてさまざまな市民が、ネットワークを組んで新たな循環型社会の建設にむけて、ともに努力することができるようなそういう機会を是非作り出していただけるように、そこにご協力いただきたいということを申し上げます。前置きはこの辺に致しまして、今日の委員長試案の説明に入りたいと思います。

□ 宇佐見委員

委員長試案のご提案いただく前に、この一週間、前回の検討会議から今日の委員長試案をまとめられるまで、先ほどおっしゃった中にも、いろんな方に手伝っていただいたというお話がありましたが、経過を少し詳細に報告をいただけないでしょうか。どういう形で試案の提案にいたったかという経過の報告です。それと、その経過についての若干の、つまり私は実際に一度も参加する時間を持っていないわけですが、したがってどういう経過でこの試案が出て来たかについての情報を委員とそれと今日聞いておられる方が共有する必要があると思うんです。

□ 谷岡委員長

はい、どうもありがとうございます。月曜日に先回の委員会が開かれまして、その最後のところで私は、委員長試案をまとめたいということを申し上げました。その結果、できたら皆さんが一緒に作っていただきたい、作ることに協力していただきたい。ということで、次の晩から大体夜6時ぐらいから集まりました。6時から10時まで場合によっては12時までというようなかたちで、まだ詰めきっていない部分、まだしっかり調査されていない部分、わかっていない資料、というようなものを点検するというようなことを集まった人達で繰り返しました。また、争点となっているところについては、かなり厳しい議論をしたというふうに思っています。そして4日目の金曜日の10時前だったと思いますけれども、その作業を一応終えました。私はこの会議の中いわば火曜日から金曜日の話し合いの中では会議をリードしたり、あるいはまだ問題にしてほしいところについては質問を投げかけたり、挑発したりしながら、できるだけ皆さんに率直なご意見というものを引き出そうとしたというつもりです。それは何なのかと言いますと、発表された内容や資料に加えて、先ほど言いましたように人々の思いや考え方というものについて、できるだけ私は自分が受信装置になろうと、そして皆さんがどういうところでならば合意ができるのかということをひたむきに探ろうというふうに致しました。土曜日は一日お休みをいただきましたので、金曜日の晩からその後はそれを消化致しまして、一つの形にまとめられないかということで、ここの作業は自分自身一人でやったのでございます。そしてそれは、今朝書き上がりました時点で協会の方に届けて、要はワープロ打ちをして書類にまとめたというのが経過でございます。それがどのようなことになったのかということにつきましては、私もいろいろなところを動いて頭がボーっとしていますので、戸田さんあたりからまとめてもらってもいいのではないかと思います。ほとんど毎日来ていましたし、いかがでしょう。もしよければお願いします。

□ 戸田委員

毎日だったものですから、どこまでがどこの日にちだったかということを正確に思い出せないのが実態であります。月、火、水、木、金の間ですけれども、当初全体論についてのいろんなご意見がでまして、それについて意見交換というのが続いてきたというふうに思います。中盤から青少年公園とそれから海上地区に分かれた議論というものが行われた。というふうに記憶しております。海上地区については、水、木、金と3日間に渡って、どのような利用形態を行うべきかということについて議論がなされたというふうに記憶しております。その中ではじめ2日、いろんな意見が出まして、最後の1日、金曜日にテーブルを囲んで一定の方向に向けての話がありました。青少年公園については木曜日に勉強会をするということで、これまでいろんな交通量、あるいは供給処理量、それから会場施設ということについての具体的なご説明をいただいておりませんでしたので、その後説明をいただいて、それについての議論、ご質問をするということで、同じく金曜日に後ほど委員長試案の中にそれをふまえた上でのお話になっているというふうに思いますが、方向、ハードル点、問題とそれから、それに対する対応というかたちで意見がまとまったように思います。作業に入る前に特に青少年公園と海上地区についてどのようなハードルがあるかという、ハードル項目を列記しまして、それに対しての議論を取りまとめ、それをベースに委員長試案といいますか、谷岡委員長から話があったように個人的な思索作業でありますけれども、入られたというふうに記憶しております。日にちについてはどこまでがどこであったかということは、明解にメモを見ておりませんので申し上げられませんが、全体としてそのような形であったと思います。

□ 谷岡委員長

では、報告させていただきます。

□ 加藤委員

経過はご説明いただきましたけれども、私はやはりこの検討会議が市民参加と公開というのが原則でやられながら、なぜその部分が公開でやられなかったかということを非常に疑問に思います。前回の一番最後の時点で谷岡委員長は委員長試案を作りたいというふうにいわれました。これが私の案であるのか、試みの案であるのか私はわかりませんが、議題にないことを提案されて、その上でこういう形で委員の方皆さん来てくださいというふうに言われました。私は、これがですね、これまでの検討会議の原則を破ることだったというふうに思います。その点で、なぜ谷岡委員長がこういう案をまとめられたのか、ここのところを私は聞きたいと思います。宇佐見先生がいわれたのも、多分そのことなんだろうと思います。谷岡委員長がこれでいいと言われるなら、これでいいというふうに至った経緯がこの検討会議の中に明らかにされて委員全体に共有されなければいけない、こう思います。それができないのであれば委員長としての試みの案ではなくて、委員長個人の私の案というふうに理解したいと思うんですが。

□ 林委員

今経過報告をしていただいた分は、すべて公開でやられております。委員会の原則を破ったのは委員以外のいろんな人を入れたという、それは原則を破ってますね。それで議論をしたというのは、ただし、それは悪い意味ではなくて、いい意味で破られているわけです。すべて委員会というのは、ある段階で議論の経過をまとめるというのは、これ委員長の権限ですし、我々はそれを認めて託しているわけです。この段階で、いままで議論してきたことを委員長としてまとめたいということをやること自体は委員長としての職務として当然のことです。それをどういうプロセスでやるかということをこの委員会だけでなくてもう少し幅広くフリーに議論してもらって、それを不足として入れながら今日の段階でまとめたいと、別に何の意図するには足らない、それが不充分であるですとかですね、少し委員長が思い込みすぎているというのはこれからこの試みの試案をですね、検討していく中で意見を申し述べればいいことであって、委員長がある段階でまとめるというような、シンポジウムのコーディネーターがそのシンポジウムを最終段階でこうだったと総括するのとまったく同じことで、何を意図するには足らないと思います。

□ 谷岡委員長

木村先生どうぞ。

□ 木村委員

一週間にわたる大変な努力をなさっていただいてありがとうございました。私、若干、個人崩壊している。家庭も個人も崩壊しておりまして、参加できなくて申し訳なかったんですが、いろんなかたちでどういうふうに動いているかというのを少しずつ聞かしていただいておりました。もうここまで来ましたら時間を切るというというのではなく、いちど谷岡委員長がまわりの方々の意見をどう汲み取られ、組み込んだ形の試案をお出しになったのかというのを一度聞かせていただいて、足らない部分ははっきりと申し上げなければいけないし、間違っている部分は訂正しなければいけないし、という議論に入っていただきたいと思います。いかがでしょうか。

□ 國分委員

私もこの案を作るのに3日間出させていただきました。当初ですね、先回の検討会議で委員長試案を出すということは皆さん了解されたと思います。この試案もですね、委員長の私案と私は思っておりません。非常にたくさんの人の案を委員長は聞かれて、作業をされておられます。現に1日目の終わりに最初は委員および関係者だけだったんですが、その時に報道陣に公開していいかどうかというのを皆で議論いたしました。そして報道陣に対しても公開致しましょうというふうな形で進めました。そして現実に委員以外の大勢のおそらく委員以上の支援の方、および関係者の方が参加されて議論をしております。ですから、私はこの過程は100%公開されていたと私は理解しています。
もうひとつ、この案をどういう形で出すかということも委員長から皆に相談がありまして、たとえば、両論併記的な出し方もありましょう。複数案を出すということもありましょう。ですけど、それではなかなかまとまらないということで、全員そこに参加した人達で合意して、そして、いろんな皆さん方の意見を極力入れた形で一本の試案にしてだそうというようなことも、皆で話し合った上でここまできたと私は理解しておりますから、決して私案などではないと、私は100%試案というふうに認識しております。