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第14回環境影響評価アドバイザー会議 議事要旨

1. 開催日時

平成15年8月28日(木)午後1時30分から午後4時15分

2. 開催場所

名古屋ダイヤビルディング2号館7F会議室

3. 出席者

環境影響評価アドバイザー委員

加藤久和委員長、吉田克己副委員長、糸魚川淳二委員長、青山光子委員、石井実委員、植下協委員、北田敏廣委員、久野和宏委員、斉藤馨委員、佐藤正孝委員、下村彰男委員、芹沢俊介委員、武田明正委員、成瀬治興委員、八木明彦委員、山本晋委員、遊磨正秀委員

事務局 (財)2005年日本国際博覧会協会

椋会場整備本部長、黒瀬環境グループ長、久米上席調査役、近藤課長代理(以上環境G)、山田課長(輸送G)、石田会場整備グループ付部長、野々山TL(以上会場整備G)他

4. 議事

(1) 開会

  • 事務局あいさつ
  • 委員長あいさつ

(2) 「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その2)」について

博覧会協会より、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その2)」について説明した。

[質疑応答]

(委員)
ゴンドラの稼働時間は?

(事務局)
9時~18時の運行が原則。夏休み中は会場の閉館時間が19時なので、19時まで延長の予定です。

(委員)
周辺のプライバシーに配慮してゴンドラに調光曇ガラスを用いるようだが、その距離は?

(事務局)
7~10号支柱の間の約500m、時間的には1分半程度を予定しています。4面全部曇らせると乗客が不安になるので、どの程度曇らせ
るかは検討中です。

(委員)
このガラスを用いるとプライバシーは守れるか?

(事務局)
大丈夫であると考えています。

(委員)
最近ジェットコースターの事故があったが、安全対策はどうなっているか。

(事務局)
安全対策については、国交省の検査を受けて合格してから運用します。法律では鉄道事業法に従います。

(委員)
29ページについて、1時間値のバックグラウンド濃度とはどういう考え方か?この1時間値のバックグラウンド濃度が年平均値の予測にどう関連するのか?またP31の表1Ⅰ-1-19における一般車両とは何を示しているか?

(事務局)
1時間値のバックグラウンド濃度は周辺の一般環境局で観測した1時間値の最高値を使っています。年平均値の予測に関しては、周辺一般環境局の年平均値をバックグラウンドとして使用しており、1時間値の最高値を年平均値に使っているわけではありません。一般車両は、現在走行している博覧会関連車両ではない車両です。一般車両の影響については工事前とほぼ同じとして、そこに工事用車両が増える、増える分を予測したのが、工事用車両の予測値ということになります。

(委員)
34ページの年間予測結果の表で、工事用車両の寄与率が2%とあるが、これは小さいと言い切って良い数字か?回避低減と言っていいのか?全体にこの回避低減という言葉を使っているが、一つ一つチェックした方がよいと思う。

(事務局)
寄与率が大きいと見るのか、小さいと見るかについては答えにくい所もありますが、参考までにp.34の日平均値の年間98%値において、0.001ppmの増加は周辺住民の方への著しい影響の増加につながるものではないと考え、低減されているものとして記載しました。

(委員)
何%なら大丈夫であるという一般的な根拠を説明していただきたい。

(事務局)
参考までにNO2の環境基準が0.06ppmと設定されています。

(委員)
トータルで環境基準を超えてないからいいという事ではなく、これだけの負荷がかかることに対して回避されていると判断するなら、その根拠はどこにあるのかという意味だ。

(委員)
根拠はないのではないか。ミクロ、マクロを考慮して、環境基準値を設定した時の知識に照らして、大丈夫と判断するというものだと思う。

(委員)
提案だが、工事の環境影響の文言について、無いとは言わず、「何%の寄与率であり、比較的軽微であると考えるが、なお一層の低減の努力をする」というような言い方にして欲しい。

(委員長)
一律の表現であるところは検討して欲しい。バックグラウンドが環境基準を超えているものについては、より慎重であるべき。もっとこういう方法があるということであれば助言をして欲しい。また、ヘリコプターの騒音のように、平均値だけでなく瞬間的な大きさが問題になるものもある。工事期間を短くするとか、騒音自体を小さくすることも技術的には可能と思われるので、低減の努力をして欲しい。ゴンドラについても、技術的なものではすまない問題でもあるので、地元の人の心情にも配慮が必要だ。

(委員)
一つはヘリコプター使用について沿道の大気質の予測に含まれているか。二つ目は、周辺他事業の影響を加味した予測は、年平均値に対する予測のみで1時間値は行わないのか。

(事務局)
大気予測においては、ヘリコプターの稼働が一時的であり、道路からの距離が離れていることから、車両の寄与の方が大きいと考え、車両のみを予測しています。他事業の影響を踏まえた予測で1時間値を採用しないのは、他事業で1時間値を採用しておらず、1時間値の予測に必要な諸元が不足しているためです。

(委員)
ゴンドラの騒音は、等価騒音レベルで予測しているが、ピーク時ではどれくらいか?レベルが変動するものであれば書いておいて欲しい。また、ヘリコプター騒音については、LAeqにしてもそれなりのレベルになると思うが、工事予定については住民への周知を徹底するべきと考える。工事用車両の等価騒音レベルは増加率は0であるが、すでに環境基準、要請限度を超えているところなので、注意が必要。今回の事業整備により、道路が整備されこれより良くなることはないか?

(事務局)
ゴンドラについては比較的連続音であることと、周辺の騒音レベルとの比較をするため、等価騒音レベルで評価しました。ヘリコプターの運用は非常に短時間です。平均値での比較は検討中で、表現方法についてご助言があれば、検討します。

(事務局)
リニアや道路整備により、利便性や騒音についても改善の方向に行くとは思うが、交通量のコントロールは難しく、改善されると言うことは難しいと考えています。国道155号は現在でも混雑しており、万博開催中には県道155号線に負荷をかけないように迂回路をとるが、このことから環境がこう改善されると言うことは難しいと考えます。

(委員)
経済性と難しい条件の中で、仮設のものを作らせたときの安全性を徹底して欲しい。特に基礎で問題を起こさないように。

(委員)
直接改変域の植生について、終了後の復元計画はどうなっているか。あるなら配慮事項に記載したほうがいい。

(事務局)
会期終了後については、ゴンドラも含めて追跡調査を行う予定としており、そちらに記載する予定です。植生復元計画は、現時点では具体的なものはありません。

(委員)
今回、仮設物のアセスという特殊なケースなので、環境への影響を評価する時にその後の事まで考慮するのが必要ではないか。

(事務局)
資料1の、「はじめに」に、計画熟度の応じた追跡調査の一つとして、会期終了後の工事に伴う環境影響評価を行う事としています。これにほぼ全ての撤去工事に伴う追跡調査が含まれます。

(委員)
この地域は地滑り地が多く、地滑りが生じれば700m2位の裸地は当然出現する。裸地は裸地のままにおいておいた方がこの地域の自然環境の見地からは望ましい。裸地は環境の遷移の初期段階としてある。復旧についてはあまり考慮はしなくてもいいのでは。

(委員)
p.34のNOxの環境基準を下回っているという点について。ゾーンの扱いについて多くの文献で0.04以下は問題ないが0.06以上は問題ありとされている。この間が文献でもいろいろであり、当時の大気局から、0.04以下である地域については、0.04以下を守るようにという通達がでていた。表現としては、「環境基準を下回っている」を「環境基準のゾーン上限を下回っている」と訂正すべき。

(事務局)
適切な表現を検討したい。ありがとうございました。

(委員)
5ページで、除外理由がヘリについて発着しか記載されてないが、問題にするとしたらホバリングかと思う。

(委員)
ゴンドラルートの下は刈るのか?また工事関係者は歩いて入ると思われるが、どのように入るのか?モンゴリナラへの間接影響についてどのようなものが考えられるか。

(事務局)
ゴンドラルート下の伐開は行いません。森林部分は県有林がほとんどですが、その境界確認のため幅3m程度伐開しており、作業員が入るときはここを使うため、伐開をする必要はありません。

(事務局)
間接影響についてはp.124に生育環境変化による影響を、検討しています。

(委員)
モンゴリナラ11個体というのは根こそぎ無くなってしまうという理解でよいか。

(事務局)
場合によっては伐るだけで根はそのままというものもあり、基礎を打つような場合は根をとることとなります。

(委員)
現状の県有林の利用実態、つまり不特定多数の人の出入りの状況はどういう状態か。

(事務局)
博覧会協会が借り上げる海上地区はインタプリター付きで入ることができます。

(委員)
地域の人々がレクリエーションの場として活用しているなら、それも念頭に置いて環境影響評価が必要になると思う。

(事務局)
県有林境界の伐開地などは、基本的に工事や日常点検に利用するため、協会が借り上げて、一般人の立入は禁止する方針です。

(3) 「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成14年度)」について

博覧会協会より、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成14年度)」について説明した。

[質疑応答]

(委員)
48ページの件について、池の調査をしているが、土地の特徴を考慮して工事をしているか?YP地区で排水と一緒にシルトを池に流し過ぎている。池を開催中も使用するなら配慮が必要だ。

(委員長)
それは間違って流れ込んでしまったのか?それとも元々の計画でそうなっているのか?

(委員)
2月は事故で1回、3月はよく知らないが、雨の度に池に直接排水が流れ込むようになっている。

(事務局)
1月については既設配管の位置に関するデータがなく、工事の途中で誤って貫通し、予期せず流されました。。砂防法に基づいて、工事にあたっては沈砂池を設けて配慮していますが、現場の方には再度注意を喚起していきたい。

(委員)
沈砂池が小さすぎるとか、この土地の地質にあっていないことが考えられる。池に入った濁水は通常池に溜まって上澄みが出ていくが、(ハス池では)入った濁水がそのまま出ていくような構造である。工事をきちんとやらないと先ほどのような心配がある。

(委員)
図面について、会場内の施設配置が、報告書の図では分からない。図面の配慮を今後お願いしたい。

(委員)
いろいろな調査がその後行われ、貴重種が出てきている。あらかじめ選定された調査対象についてモニタリングを行っているが、ツマグロキチョウなどが新たに確認されている。そのような種に対する対応も必要だ。モニタリングを行って行くなら、定着性のあるものを追っておくべきであり、あるいは新しい種も併せて行うべきであり、現在の状況に合わせて調査していくなど、いろいろな要素を合わせたモニタリングをお願いしたい。また、関連事業の調査結果をリンクして欲しい。ツマグロキチョウはリニアの調査で出てきている。

(委員)
他の調査や、ワーキングの連絡を密にして、新しい種等についての意見交換を、またこのような種はもういいというものもあるかもしれず、モニタリングのやり方そのものも含めて検討が必要。

(事務局)
モニタリングの実施計画に基づいての調査なので、それは誠実にやらなければと考えています。追加については、アドバイザー会議や経産省の会議でのご助言を受けて検討していきたいと考えています。

(委員)
基準については環境省のRDBの最新版に対応して行うべきだ。

(委員)
上之山町の沿道における等価騒音レベルで、予測結果に対して4dBの超過というのはかなり大きい。原因をはっきりさせるべき。

(事務局)
上之山町とそれ以外の地点の予測手法は異なります。上之山町は以前の計画に基づいた評価書と比較するため古い手法で計算しており、現況調査結果を反映していないことが一番大きな原因と考えています。事実、走行台数や車種構成はほとんど変わっていませんので、このことを書き添える必要はあるかと思います。

(4) その他

博覧会協会より、今後の追跡調査(予測・評価)のスケジュール等について説明した。

(5) 閉会

事務局あいさつ