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第17回環境影響評価アドバイザー会議 議事要旨

1.開催日時

平成17年6月17日(金)午後3時00分から午後5時45分

2.開催場所

名古屋ダイヤビルディング2号館7階大12会議室

3.出席者

環境影響評価アドバイザー委員

加藤久和委員長、吉田克己副委員長、糸魚川副委員長、青山光子委員、石井実委員、植下協委員、久野和宏委員、斉藤馨委員、佐藤正孝委員、下村彰男委員、須藤隆一委員、芹沢俊介委員、成瀬治興委員、八木明彦委員、遊磨正秀委員

事務局 (財)2005年日本国際博覧会協会

椋事務次長、黒瀬環境管理室長、久米担当部長、永井課長代理(以上環境管理室)、森撤去住宅管理室長、大西課長(撤去住宅管理室)、大島駐車場・ターミナル室長、山田(幸)課長(輸送管理室)他

4.議事

(1) 開会

 事務局あいさつ
 委員長あいさつ

(2) 「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その5)」について

 博覧会協会より、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その5)(案)」について説明した。

質疑応答

委 員

 香流川の水質について、この評価では水質は特に問題ないとの事だが、先日の新聞には「万博開幕後に水質悪化」ということが書いてあった。その辺のところはどうか。

事務局

 香流川の測定地点は浄化センターよりもずっと上流です。浄化センターに放流する計画にあたり、協会は浄化センターと協定を結び、「これだけの量とします」としていますが、その量を超えたことはないという話を聞いております。

委 員

 水質の予測・評価では、確かにSSも極めて低くなっているが、モニタリング調査では濁度の管理目標値(100)を超えたりしている。予測のときにそのことも含めてやっておいたほうがよい。安全側というのか、SSの場合は予測にもその辺のところをもう少し入れていただいた方がいいと思う。
 廃棄物の資源発生量が大体39万トンとなっているが、39万トンというのは、中小都市の大体1年分ぐらいになり、その再資源化が94%というのは大変立派だし、こういうふうにいってくれれば大変いいと思うが、努力目標ではちょっと具合が悪いのではないか。

事務局

 再資源化率は、建設時では、会場内から出た建設廃材等については100%再資源化を達成しております。協会としてはこの目標を掲げてできるだけやっていきたいというふうに考えているところでございます。
 それから、もう1つの水質ですが、SSというのは大変難しくて、今回の予測もたしか、5ミリの雨の量で勘案してやっているので、その雨の量が非常に多くなると確かに出てきてしまいます。ですから、今回の記載につきましては、これまでの例も踏まえて、確かにこれだからいいというような形をもうちょっと変えて、「モニタリングの結果も踏まえて、できるだけそういう配慮をもうちょっとやっていきます」というような記載に変えさせていただきたいというふうに思います。

委 員

 解体工事は一体どういう工程なのか。基礎工事というのはどの程度されているのか、基礎の部分はどうするのか。どれくらい下を掘り返す可能性があるか。その辺のやり方と工期、工期は長久手、瀬戸は1年間かけて解体するということで思ったより長い期間をとっているが、解体工事の終わりは整地までなのか。整地という言葉が出てくるが、その整地というのは何かという疑問もある。全体の解体の流れはどうなっているのか。

事務局

 解体の工程ですが、これは基本的に造るときの逆の工程をします。造るときには最初に造成をやりました。それから施設の方は杭を打ってその上の構造物を造る。杭も杭基礎もコンクリート杭もありますが、鋼管の杭を主にやっています。それからその上に構造物を造るというような工程でございますので、解体はその逆で、上の構造物をとって、それから杭とか基礎工事の部分を撤去するという形になります。その後、造成の逆をやるわけですが、土木工事については基本的にできるだけ建設時の終了形でやることによって、負荷を下げようという形にしております。
 整地の定義についてご質問がありましたが、基本的に整地は、例えば住宅を造るときには宅地造成をしますけれど、その後に今度は住宅を造るときに基礎の根切りみたいな、敷地の中で土を動かすことを基本的に整地工事と呼んでいます。実際にここの現場で想定されるのは、基礎とか杭をとるための若干の土の移動、それからとった後の埋め戻しといったような工事が出てくることが想定されます。グローバル・ループの杭は鋼管杭という鉄の30センチから40センチぐらいの杭を先端の方にスクリューみたいなものを付けて回転させて打ち込んでいます。撤去するときには、コンクリートの場合は、例えば10メーターの杭を打ったら全部土をそこまで掘らないとなかなか撤去できませんけれど、鋼管杭で逆回転をさせて抜けば土を動かすのが少なくなります。事前にそういう工法を採用して、土を動かすこともできるだけ少なくするようなことをやっていきたいというふうに思っています。

委 員

 埋め戻しの際に必要になる土は、会場内で調達するのか。それともどこかから持ってくるのか。

事務局

 会場の中にも、西ゲートあたりには土を盛っています。最後の段階で建物の基礎をとったときにどうしても穴が開きますが、その分の埋め戻しは、そこの部分を最初から想定をして会場の中に一部土を置いておきまして、それで最後の段階に埋め戻しをするということになろうかと思います。

委 員

 ゴンドラの影響評価のときに基礎の部分は地盤が動きやすいので、あれは撤去しない方がいいのではないかというような意見があったやに記憶しているが、そういうところも含めて埋め戻すということになるのか。

事務局

 保安林との関係で、造ったものは撤去するということでお話をさせていただいております。ですから、基本的にはすべて撤去するということで今回計画しております。

委 員

 撤去すること自体はいいのだが、しっかりした地盤になるようにちゃんとした配慮をして埋め戻しを行う必要があるということであるが。

委 員

 ゴンドラのところは植林はしないのか。あそこは砂防保安林。

事務局

 保安林ですので、ゴンドラの撤去した後は植林してまいります。

委 員

 植林するとしたら、何をどの位置にどういう性質の個体をどういう位置に植えるのか、これが非常に大問題。例えば、同じモンゴリナラならモンゴリナラを植えるにしても、どういう遺伝的組成を持ったモンゴリナラをどの位置に植えるのか。これは考え出せばきりがないぐらいやっかい。やるのだったらそこはきちんと予測・評価をお願いしたい。

事務局

 先ほど杭をそのまま残した方がいいのではないかというようなことがありましたけれど、これはたしか法的な規制で、埋め殺しといいますか、禁止されているやに聞きますので、そういうことはできないので、ちゃんと強度も考えながらとるということになろうかと思います。
 そこで、ゴンドラの橋脚のところは、砂防指定区域がかかっているということと、保安林の部分があると思います。
 保安林ですので、森林法上からそこは植林をしていかなければなりません。ただ、どういった樹種を植えていくかということにつきましては、周辺の樹種なども考えながら、ご相談させていただきたいとは考えております。

委 員

 森林法からいえば、森林法は植物そのものを保護することを目的としていないから、極端なことを言えば植物は何でもいい。今、ここで論議しているのは、植物の自然群落をどういうふうに保全するかという話だということ。そこの整合をどういうふうにとるかという問題。撤去の問題もそうだが、法的にそうなのはわかるが、今のループみたいな工法の工夫をして簡単に基礎が撤去できるような工事は多分していない。多分、コンクリートを流し込んで固めているわけだからこれを撤去するとすれば、周りを掘らなければならない。造るよりもよほど負荷がかかる。法律上そうだというのはわかるけれども、法律を遵守すれば環境影響は甚大になる。そこをどうするかというふうなことが問題。

委 員

 地盤としては、地盤の安定のためにむしろ杭を入れたりすることがあるから、それを抜かなくて、そこにそういうものが入っているということが明らかに後でわかる形で置いておくというのも1つの方法だと思う。地滑りするようなところは杭を打ち込んで止めるということもある。杭があるからかえって地盤が安定するということもあるし、それで差し支えない。そういうような地盤になっているということがわかる形で残すということも考えていいと思う。

委 員

 これは砂防指定解除はされてないから、ある程度法律を遵守しなければいけないのは確かだとは思うが、今後最善になるように、法律を杓子定規に守るのではなくて、一番いい方法の中で、なおかつ法律的に無理のない形にならないか、そういうのを考えていくのがこの万博の一番いいスタイルではないかという気がする。

事務局

 植生上の再生という立場のご指導もいただきました。植生はその場所によっても違うと思いますし、そこは関係機関や先生にご相談させていただこうと思っています。
 それから、ゴンドラの鉄柱の基礎の部分の復旧については、いろいろ工法上の工夫で、周りに影響を極力与えないような慎重な工法の検討ということもしなくてはいけないのではないかなというふうに思っております。

委 員

 瀬戸会場、長久手会場で森林体感ゾーンとか里山のゾーンがあるが、工事期間中、一般の方の利用というのは、そこも制限されるのか。特に瀬戸の場合は、この影響評価書を読んでいると、どうも普通に利用されているようなイメージだが、どういう状況になるのか。

事務局

 瀬戸会場のところでの利用というのは、会場外の海上の森が利用されている。ではそこに対して影響はどうだろうということでございます。今回、特に自然体感ゾーンは、県の方で施設を造っていただいております。これは会期終了後に利用されるのを想定して造っていただいているということでございますので、ここでは工事は行いません。今、展示をしているようなものは簡単に撤去できますので、そういったものは行います。一方、周りの工事が行われている中で、県の方、特に長久手会場の方は、せっかく造ったのだから早く利用したいというお話がございます。したがいまして、私どももそういったものと整合をとって工事の期間中でも早く使えるように、調整を図ってまいりたいということで考えております。

委 員

 そうすると、瀬戸の方の里山遊歩ゾーンというのは、それも一応工事エリアに入って、解体工事期は使わないということか。

事務局

 工事のエリアには入りません。ただ、瀬戸会場も含め、まなびと交流の森の構想というのが今計画されているところでございます。したがいまして、県の方でどのような形で使うかというのが、今後の方針として出てくるだろう。ただ、今の段階で私どもとして承知していないので、ここについて言及することはできません。

委 員

 そうすると、将来利用と併せて、それを解体工事のいろんな進捗とどうつないでいくかというのはこれから想定されるというふうに理解してよいか。

事務局

 そのとおりです。

委 員

 駐車場の解体工事中の騒音について、例えば工事用重機がどこでどういうふうに動いたかということが問題。造るよりも壊すときの方がどうしても音が大きくなり、振動も大きくなる。重機の発生源の位置が真ん中の方になっているが、敷地境界に近いところで工事が行われるということがあり得るから、そちらの方が問題になるのではないか。

事務局

 自家用車駐車場の諸元でございますけれども、それぞれの駐車場の巻末資料に予測に用いた工事用重機の台数、あるいは発生源における工事用重機の種類及び台数、例えば753ページ、藤岡駐車場についてこういった形で載せさせていただいているところでございます。

委 員 長

 真ん中辺に集中しているのは、それは実際にそういう使い方をするということか。

事務局

 工事用重機は移動します。予測に際してどこに音源を置くかというところは、今までのやり方で行っております。

委 員

 自動車交通騒音の予測について、現況調査があって、そして今度解体に伴って工事用の車両が走行するということで、現況が既に非常に高いレベルだということで、既に環境基準どころか場合によっては要請限度を超えているような状態。現況の認識であるが、この現況の調査は平成14年で、今はだいぶ整備されているのではないか。14年のころに比べると現況はよくなっている可能性もあるような気がする。交通量が多少変わってもあまりレベル差は違わないので、レベルの増分はあまりないことは事実だが、現在も例えば長久手町長湫は76dB、豊田市八草町は75なのか。道路が全然整備されない状況ならいいが、道路自体もたいぶ変わっていると思うが。

事務局

 おっしゃるとおりで、できるだけ新しいデータを使いたいと思いますが、それより後というのは、私どもの工事が行われ、その後は今度は博覧会が始まっております。その影響をどう見るかですが、最新のものを使用し、それを台数でもって割り戻して現況というふうにしていいものか。今まで現況に工事影響をオンさせる方法をとっています。道路整備の終了時が博覧会工事の影響を受けている場合は、今の道路の状況でもって一回割り戻してもう一度やるのがいいのかというところは、それが皆様方のご理解を得られるかどうかというところがあると思います。

委 員

 この報告書(案)とモニタリング報告書(案)との整合性の問題がある。モニタリングの方には、「ノタヌキモ及びイトトリゲモは確認できなかった」と書いてあって、「また、本種は一年生草本であり種子の休眠性も高いと推測され、今後の再確認される可能性も十分に考えられる」とある。ということをもしそこに書くのであれば、「未確認だけれども休眠中の可能性がある」と書くべき。それから、もしイトトリゲモとノタヌキモを落とすのであれば、こっちのモニタリングの報告書の方は「これはもう絶滅しちゃいました。もう取り返しがつきません」と書くべき。片方には可能性があると書いておいて、片方は完全にないことにしてしてしまったというのは、まずいと思う。

事務局

 整合を図って記載していきたいと思います。

委 員

 解体の仕方について、例えばこいの池の中にかなり大きな構造物を入れている。ああいうものはこういうところに入らないような気がする。池だけの非常に注意深い解体の仕方、撤去の仕方というのが必要で、そのことは最初に設置される方が言ってはいたが、一つ一つの施設でもう少し注意点、留意点を列挙しておいて、それの中でこういう評価がどうかということがわかるような形にしておくべきではないか。どのように注意してどういう評価をしていくかというのが、これとはまた別個の形で要るのではないか。

委 員

 今のことに関連すれば、やはりこの一番最後に、ここはこういうふうに手続をやってきたけれど本当に保全できたのかどうかというのを、すっかり全部終わった後で評価をしないといけないと思う。つまり、一つ一つのプロセスはずっと手順を踏んできた。結果としてこいの池の生態系が守れたのか守れなかったのか。守れたとすればそれでよろしい。守れなかったとすれば、今みたいに一つ一つの手順を踏んできたやり方ではだめなんだという話になる。一つ一つの手順はこういうふうに予測をしてこういうふうにした。そういうふうなことが繰り返されているわけだが、一番最後に、要するに協会が解散する直前に、本当にこれで今までのこういうふうな環境配慮がうまくいったのかどうか、それをトータルとして評価して検証する必要があると思う。

委 員 長

 この問題は、今後どういう予定で環境影響評価をしていくか、あるいはその結果をどう見直し、検証するかという問題に関係してくるので、後ほど事務局の方からその点は説明いただこうと考えていたが、ただいまの質疑応答の中でも、だいぶ平成16年度のモニタリング調査との関係が出てきたし、時間も押しているので、次の議題に移ってよろしいか。

(3) 「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成16年度)」について

 博覧会協会より、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成16年度)(案)」について説明した。

質疑応答

委 員 長

 予定の時間をかなり大幅に過ぎているので、特に調査結果の比較とか評価にわたる部分でどうしてもここで指摘しておいた方がいいというような意見があったら、少し時間を割きたいと思うが。

委 員

 心配なのは瀬戸の会場のハッチョウトンボ。「存在影響」というところだが、「評価書において、調査地点1及び2は直接改変により消失するが、調査地点3及び4の生息地が残され、また直接改変以降も同程度の個体群が維持されるならば、調査地点1及び2が消失したとしても、瀬戸会場及びその周辺でハッチョウトンボの生息を維持していくことは可能であると予測された」ということだが、表を見ると、やはり4しか残ってない。大体ハッチョウトンボというのは難しいトンボで、本来の生息地は多分、湧水湿地だと思うが、いろいろなところにあらわれては消えていくというトンボかなと思う。このアセスをやって、そしてこういう予測をして、実際には1も2も3も消えてしまった。そういうことでいいのかどうか。
 1つのやり方としては、やはり責任を持って、調査地点3というのは遷移が進行してしまってハッチョウトンボについてはゼロになってしまったけれども、ハッチョウトンボがそういうトンボであるということを考えて、調査地点3をハッチョウトンボのために何か遷移をとめるような施策をするとか、ミティゲーション措置をするとか、そういう考えはあるのか。

事務局

 調査地点1は団地を造っている途中の造成地の水たまりでございます。それから調査地点3というのが、その調整池です。2も、基本的に計画をつくっていく中ではなくなるよということです。3と4ですけれども、3の調整池は、協会では管理しておらず、市の方で管理していますので、協会で調整池の土砂をさらってまた湿地を造るのかというところ、ちょっと今のところどうしたものかと……。

委 員

 直接管轄ではないとは自覚しているが、「前にはいたが、万博をやったらいなくなった」という事態というのは避けたい。スタンスとしてはこうなんだけれども、この万博が終わった後でもなくならないような措置というのを何か考えてほしい。

委 員

 先ほどの解体工事の予測・評価とそれからこのモニタリング調査のトーンが、特に水は濁水管理の点で合ってない。このモニタリング調査を十分に予測・評価の方に反映させていただきたい。

委 員

 例えばSS。香流川の平成14年、工事を開始して直前というのは、もちろんまだあまり影響は出てない。ゼロに張りついているところというのがかなりある。それ以降、ゼロに張りついているところはほとんどない。場所を変えたのは協会の責任だから、場所を変えても差が出ないというのが前提で、場所を変えたというのは理由にならない。これから見れば、明らかにSSは増加している。吉田川なんかはなおはっきりしている。少なくともSSに関しては保全措置は失敗したとはっきり書くべき。今のSSに関係してノタヌキモが消失したという問題、これはもうちょっと真剣に受けとめていただきたい。長久手会場の方です。それからもう1つ、尾張旭の駐車場のダルマガエルだが、きちんと調査して欲しい。いなかったから調査範囲を広げてつじつまを合わせているんじゃないのか。

事務局

 いないから調査範囲を広げているということはありません。過去と同じ調査範囲でやっております。ですから、「いないので調査範囲を広げてつじつまを合わせている」というようなことは、なかなか厳しいご指摘だというふうに思います。

委 員

 こんな結果を出したら、調査の信頼性が疑われると思う。やはりこれは周辺域も激減したと評価すべき。

委 員

 地下水で鉄、マンガンが基準以上にあった。例えば間違って杭を打ち込んで抜いたら地下水が鉄分の真っ赤なのが出てくる、そういう可能性は幾らでもある。やはり濁水が幾らでも出る可能性があるから、これからもやはり工事の後始末のときに出ないようにするはずだけれども、池についても後の始末はきちんとしていただきたい。

(5) 閉会

委 員 長

 まだまだ議論は尽きないところだろうと思うが、時間も大幅に超過しており、この辺で議題の1と2は一応閉じさせていただきたいと思うが、今後の予定も含めて事務局の方から何か説明がありますか。

事務局

 今後の予定について説明させていただきます。今後、これまでの追跡調査同様に、追跡調査のもとになっております経済産業省の要領に従いまして手続を進めてまいります。本日ご議論いただきましたことを踏まえまして(案)を検討し、来月にはこの報告書をとりまとめて公表したいと考えております。
 予測・評価に係る追跡調査に関しては、今回の「会期終了後の工事に伴う環境影響調査」について、いただきましたご意見をもとにとりまとめさせていただきまして公表するという形で終わりになります。一方、追跡調査の中のモニタリング調査につきましては、今後も調査を行ってまいりますので、その報告を引き続き行っていく予定でございます。今後の報告書作成につきましても、アドバイザー会議の先生方のご意見、ご助言をいただく形になると思いますので、よろしくお願いしたいと考えております。

委 員 長

 先ほど、最後に実際の予測と結果がどうだったかという検証をやる必要があるというのがあったが、それはモニタリング調査でやるということなのか。

事務局

 全体的な総括をどうするかというご指摘について、大変重要な事柄だと思っております。これまでやってきましたモニタリング調査の中でも、調査データの分析と、それからそれなりの項目別の評価もしてきて公表しているわけでございますから、全体の総括を最後のモニタリングでやるのがいいのか、あるいはまた違った形のやり方を考えるべきなのか。いずれにしても、これは私どもこういう博覧会をやっておりますし、それか終わった後、この協会が閉じる前には、万博そのものの評価も、全体的な総括といいますか、しなくてはいけない事柄ではないかと思います。その中に当然、重要なファクターとしてこの環境面、アセスメントを中心としたファクターも入ってくると思います。それとは別にこれまでやってきたモニタリング調査という手法としてやるべきか、あるいは公表の仕方というかやり方についても検討させていただきたいと思います。いずれにせよ何らかの形でそういう万博そのものの総括の段階になれば、環境面についての全体的な総括もする必要があるというふうに受けとめております。
 今回の予測調査の中にモニタリング結果をどのように含めてそれと検証するかというお話だと思いますけれども、これについては、今までモニタリングを実際やってきていてそれを生かすという意味もありますので、それとの整合みたいなものを一回図ってみたいというふうに考えております。それを報告書の中にどうやって盛り込めるかというのは検討してみたいと思います。

委 員 長

 最初に「最終局面に入った」と申したが、まだまだ終わったわけではなく、これからがむしろ正念場というか、何のために環境影響評価をやったのかということが問われるので、きょうは重要な指摘があったと思うが、両方の報告書の案について意見が出、今後に残されたすり合わせが必要な点もあるので、事務局の方、関係の先生方とも協議を続けていただき、とりまとめをお願いしたいと思います。それでは、本日の会議は終了します。