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第15回環境影響評価アドバイザー会議 議事要旨

1. 開催日時

平成16年2月6日(金)午後1時30分から午後4時15分

2. 開催場所

名古屋ダイヤビルディング2号館7F会議室

3. 出席者

環境影響評価アドバイザー委員

加藤久和委員長、吉田克己副委員長、青山光子委員、石井実委員、植下協委員、北原英治委員、久野和宏委員、佐藤正孝委員、須藤隆一委員、芹沢俊介委員、成瀬治興委員、八木明彦委員、山本晋委員、遊磨正秀委員

事務局 (財)2005年日本国際博覧会協会

椋会場整備本部長、黒瀬環境グループ長、久米上席調査役、近藤環境代理(以上環境G)、紀藤チームリーダー、河野調査役(以上輸送G)、滝沢駐車場・ターミナルグループ長(駐車場・ターミナルG)他

4. 議事

(1) 開会

事務局あいさつ
委員長あいさつ

(2) 「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その3)」について

博覧会協会より、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その3)」について説明した。

[質疑応答]

(委員)
大気1時間値予測の説明において、予測を実施した気象条件は出現頻度が多い気象条件となっているが、すべての駐車場で同じ出現頻度なのか。

(事務局)
予測条件としては出現頻度ではなく敷地境界で高濃度となる気象条件でやっています。文章に誤りがあったので修正し、最大濃度が想定される条件である旨も追記します。

(委員)
この気象条件が濃度の最大となる事の確認は行ったか。

(事務局)
今までの知見の蓄積で確認しています。

(委員)
濃度が最大となる気象条件が場所によって異なると思うので、現地調査や他の条件についても確認しておいてほしい。

(委員)
SPMのバックグラウンドについて、尾張旭が最も高くなっている。この駐車場は田などのはず。どうして尾張旭が高いのか。

(事務局)
バックグラウンドの設定は今回の駐車場の予定地で測定しているわけではありません。県などのH14年度の大気測定結果を用いており、このデータが一般的に地域を代表しているものと判断しています。

(委員)
SPMの予測結果では、バックグラウンド値が既に環境基準値ギリギリで、それに事業分を上乗せするとオーバーしてしまう。その辺はどう考えるのか。半年間ゆえOKとするか。

(事務局)
本アセスやターミナルについても傾向としては同じでした。バックグラウンドが環境基準値をオーバーしている場合は、環境行政を担当する県または市町村に、改善について要望させていただくというスタンスを取らせていただいています。

(委員長)
基準値をオーバーすることは事実であるため、対策をとることをアピールした方がいいのではないか。

(委員)
供用時の水質で、負荷の低減方法を具体的に示してほしい。また、きれいな河川に排水することになるので、NとPについても予測すべきであったのではないか。

(事務局)
現地調査はNとPについても行っています。予測は浄化槽の基準がBODであるのでそれに準じてBODのみとしました。N、Pについても低減策を行わない訳ではなく、維持管理として放流口で水質のチェックを定期的に行ったり、浄化槽内の管理を密に行うことにしています。

(委員)
対策徹底のうち、具体的なものは書けないのか。

(委員)
浄化槽については特にNについての問題が大きい。N除去型の浄化槽というものもあり、その導入により結果としてBODも下がる。それも加味して予測を行ってはどうか。

(事務局)
今後、浄化槽計画の件や管理についてもご指導いただきたい。

(委員)
駐車場の規模はどうやって決めているのか。又、どうやって一般車を誘導するのか。

(事務局)
整備台数は、計画基準日における自家用車による来場者数と方面別分担率から決めています。誘導については、高速道路のジャンクションや分岐点に誘導の看板などを設置する、駐車場の空き情報を随時流して空いている駐車場に誘導するなどの対策をとりたいと考えております。

(委員)
うろつき交通や違法駐車が発生しないよう、誘導をきっちりやってほしい。

(事務局)
事前の準備として、ITSの利活用を国交省及び愛知県と連携して進めていく予定です。

(委員)
長久手インター駐車場で見つかったツマグロキチョウであるが、これは東部丘陵線のアセスでも見つかっているのではないか。関連事業と連携して進めていくことが前提ではないか。保全や対策について検討する時間があったはず。どのような検討をしていたのか。

(事務局)
今回は、東部丘陵線との保全対策の連携は行っておりません。

(委員)
関連事業との連携はこのアセスの当初から言われている。どうして情報をつかんでいなかったのか。アセスの精度(信頼度)にかかわってくる。又、尾張旭駐車場のダルマガエルの調査日については解せない。8月20日の調査で見つからなかったのは見落としていたのではないか。又、11月は冬眠中のはず。10月3日の調査はほぼ現況を反映していると思われる。先日現場を見てきた。予定地の中に水はけの悪そうな湿田が3枚あり、そこが産卵場所になっていると思われる。保全対策としての移住は無理ではないか。移住先もすでに生態系ができていて、何らかのしばりにより個体数は決まっているはず。そこに移しても飽和状態になるだけ。何が限定要因かをはっきりさせて、それを除去すれば住めるかもしれないが。移住というのは相当な準備が必要となる。

(委員長)
この点に関しては、ダルマガエルの専門家にも相談していると聞いているので、具体的な対策についても検討していってほしい。

(委員)
移住というのは問題。生息域の近くで何らかの保全対策がとれないか。

(委員)
移住の件は重要。もともと適正な数が住んでいるはず。何か別の適正な数となる規制を外す調査をした上で実施すべき。

(事務局)
調査の未熟さについては事実を確認した上で、厳粛に受け止めて努力していきたいと考えております。尾張旭は現況の田を借りるということで、地権者と確認しています。車の出入りに関しては信号のあるところで行うという制約条件があり、一方問題となる湿田は計画図ではちょうどバスターミナルとなり、大変重要な箇所ですが、ここの保全が重要ということですので、博覧会だけでは難しく、専門家を交えてや計画グループで検討していきたいと考えています。引き続きよろしくお願いします。

(事務局)
地域全体で保全を考えていくべきという話があります。市と相談したところ、学校教育の中で子供たちに協力させたり、地域の自然保護活動と連携してはどうかと助言を頂いています。しかし、貴重種保護の観点からは情報を流すことに関しては足踏み状態となります。どうすればいいか相談させていただきたい。

(委員)
大変よいことだ。環境というのは地域の協力がないと保全できない。もともと自然度が低いところを選定しているので、そういう場所でしかいない種がいるはず。この保全は難しい。改変後の遷移の段階で出現する環境であるため、これを守るためにはある程度改変させないと維持できない。これが人と自然との共生である。

(委員)
ハッチョウトンボの調査時期としては6月、7月が最盛期であるが、調査結果では8月末に1頭となっている。できれば6月まで着工を延ばして調査できないか。

(事務局)
着工と同時に全体の土工が始まるわけではないため、今後検討させていただきます。

(委員)
ハッチョウトンボの生息場所としては水が湧いている部分であり、そう大きな範囲が必要というわけではないので、そこの工事を後回しにすることはできないか。

(事務局)
了解しました。また、調査結果についても報告させていただきます。

(委員)
住宅や学校があるので、そこに対しての対策を決めていく必要があると思う。

(委員)
1月のハッチョウトンボの調査は幼虫か成虫か。これはたまたま見つかったので注目すべき種に入れていないと思うが、もともとこの種を対象にして調査していないのであるから、なぜこの時期にやったのか、と言われかねないので書き方を注意した方がよい。ツマグロキチョウ、カヤネズミ、ハッチョウトンボなどは、撹乱からの復元途中に出てくる種ばかりなのでこれをうまく利用できないか。例えば法面などをそういう植生(カヤ場)などにするなど。

(委員)
土壌の沈降試験をやっているが、このデータを見る限り、シルト分などを含んでいる場所である。この辺のことを工事の関係者にも知らしめて、濁水には十分気をつけて工事してほしい。

(3) その他

博覧会協会より、今後の追跡調査(予測・評価)のスケジュール等について説明した。

(4) 閉会

事務局あいさつ