サイト内検索

第7節 底質

■ Ⅰ 調査、予測及び評価の手法

□ Ⅰ-1 調査手法

項目調査方法・調査地点
底質の状況・会場候補地及びその周辺の河川、池沼の底質について、河川9地点及び池沼4地点において夏季に1回、カドミウム等の「人の健康の保護に関する環境基準項目」現地調査を実施した。
・会場候補地及びその周辺の河川、池沼の底質について、河川4地点及び池沼4地点において四季に1回、強熱減量、酸化還元電位、COD、全硫化物の現地調査を行った。
河川流量等の状況水質の調査結果を活用した。

□ Ⅰ-2 予測及び評価手法

1)工事中

項目害物質の使用による影響
予測予測地域:本事業地区
予測時期:工事中
予測方法
有害物質の種類、量、使用方法、管理方法等あるいは有害物質の発生を回避・最少化するための対策、配慮事項について明らかにすることにより予測を行う。
評価環境保全対策をすることにより、実行可能な範囲で回避又は低減が図られているかどうか評価した。

2)供用時

項目有害物質の使用及び農薬・肥料の使用に伴う影響
予測予測地域:本事業地区
予測時期:供用時
予測方法
有害物質の種類、量、使用方法、管理方法等あるいは有害物質の発生を回避・最少化するための対策、配慮事項について明らかにすることにより予測を行う。
農薬・肥料の使用に伴う影響そのものを回避又は低減させるための措置を具体的に示すとともに、当該措置を取り入れて予測した。
評価環境保全対策をすることにより、実行可能な範囲で回避又は低減が図られているかどうか評価した。

■ Ⅱ 調査、予測及び評価の結果

□ Ⅱ-1 調査の結果

1)底質

 川及び池沼底質の調査結果を表4-7-1に示す。
 一般項目についてみると、外観は河川では砂及び礫、池沼ではシルト質で構成され、色相は、河川が概ね灰茶色、池沼が茶褐色となっている。強熱減量は、河川で0.3~2.2%、池沼で5.3~18.0%、含水率は河川で4.9~28.9%、池沼で50.3~75.3%の範囲であった。酸化還元電位は、河川で酸化力が、池沼で還元力が強くなっている。CODは、河川で0.08~1.6mg/g、池沼で6.1~83mg/g、全硫化物は、河川では0.01mg/g未満、池沼では0.01~0.26mg/gの範囲であった。

 健康項目についてみると、カドミウムは、河川では赤津川、矢田川(屋戸橋上流)、矢田川(天神橋)を除く地点で0.01~0.05ppm、池沼では全地点で0.14~0.24ppmの範囲で検出されている。鉛は、河川では2.0~13.2ppm、池沼では11~31ppmの範囲で全地点で検出されている。砒素は河川では0.13~0.38ppm、池沼では0.77~16ppmの範囲で全地点で検出されている。総水銀は、池沼で0.10~0.16ppmの範囲で全地点で検出されている。他の項目については報告下限値未満であった。

□ Ⅱ-2 予測及び評価の結果

1)工事中

(1)回避・低減のための方針
事業の実施による環境への影響を回避又は低減するため、以下の保全対策を徹底する。
 ア 有害物質の使用による影響
  (1) 有害物質を極力使用しない工法等の選択
  (2) 有害物質使用における管理の徹底
  (3) 適切な処理の実施

(2)予測及び評価結果
 上記(1)に示す環境保全対策を徹底することにより、本事業による環境への影響は小さいと考えられ回避又は低減が図られるものと判断した。

2)供用時
(1)回避・低減のための方針
事業の実施による環境への影響を実行可能な範囲で回避又は低減を図るため、以下の保全対策を徹底する。
 ア 有害物質の使用及び農薬・肥料の使用による影響
  (1) 有害物質の啓発の徹底
  (2) 有害物質使用における管理の徹底
  (3) 適切な処理の実施
  (4) 農薬・肥料の適切な使用

(2)予測及び評価結果
 上記(1)に示す環境保全対策を徹底することにより、有害物質の使用及び農薬・肥料の使用に伴う底質への影響は回避又は低減できるものと判断した。