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第12回環境影響評価アドバイザー会議要録

1. 開催日時

平成14年6月13日(木) 午後4時30分~6時30分

2. 開催場所

(財)2005年日本国際博覧会協会 名古屋事務所会議室
名古屋ダイヤビルディング2号館5階

3. 出席者

環境影響評価アドバイザー会議委員

加藤久和委員長、糸魚川淳二副委員長、吉田克己副委員長、青山光子委員、植下協委員、北田敏廣委員、久野和宏委員、佐藤正孝委員、芹沢俊介委員、武田明正委員、成瀬治興委員、服部重昭委員、八木明彦委員、遊磨正秀委員

事務局:(財)2005年日本国際博覧会協会

椋会場整備本部長、国安環境グループ長、鈴木会場整備グループ長、菅野輸送グループ長、馬越環境保全チームリーダ、近藤環境保全チーム課長代理他

4. 議事

(1) 開会

  • 事務局あいさつ
  • 委員長あいさつ

(2) 今までの経緯について

配布資料1「環境アセスの進捗状況について」に基づき、今までの経緯について説明した。

(3) 「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書(案)」についての住民意見の概要及び博覧会協会の見解について

配布資料2「『2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書(案)』についての住民意見の概要及び博覧会協会の見解について」に基づき説明した。

[質疑応答]

(委員)
もうこの時期になって「計画熟度が高まっていない」という言い方をしてはいけないのではないか。

(事務局)
できるだけ早くいろいろな整理をしていかなくてはいけないと思っておりますが、ご指摘のあったように、現実としてまだ、多くの課題が残っております。不十分な点は重々承知していますが、今のような御指摘を踏まえながら、今後、できるだけ早くいろいろな必要な事柄を決めていき、それに関連するアセスも行いながら、2005年の開催に向けて努力をしていきたいと思っています。

(委員)
ゴンドラの計画を含めて、計画がほぼ確定した部分と、していない部分の整理ができていない。「計画熟度に応じて」という言葉の度合いを具体的に説明することはできないか。

(事務局)
自然環境の保全という観点から、どのような計画の内容がいいのか、保全措置を含めた内容であるべきかということを追求していきたいと考えています。今の時点でこの評価書の中に計画の熟度の物差しを書き込む事はなかなか難しい事であり、このような表現をさせていただいていることをぜひご理解していただきたいと思います。

(委員)
会場間の輸送に関してゴンドラとシャトルバスが考えられているが、エネルギーを使わない、例えば自転車やジョギング等で移動できるようなルートは考えていないのか。

(事務局)
海上地区と青少年公園地区との直線距離は2km弱ですが、実際に移動できる道となると、距離もありますし、アップダウンもありますので、自転車では難しいと思います。それと、会場間を一般の道路を通り移動するというシステムはこれまでの国際博の例ではほとんどありませんので、そのあたりの仕組みをもう少し考える必要があると思っております。

(委員)
車で会場まで来ると、朝晩に周辺道路に車が集中し、騒音、浮遊粒子状物質等が急激に増加すると考えられるが、その対策についてはどのように考えているのか。

(事務局)
朝夕は来場者が増えるということを前提として予測計算はしております。さらに、自家用車が会場周辺1ヶ所だけに集中しないよう、7ヶ所に分散させるということで対策を立てていきたいと思います。

(委員)
7つに分けるという事ですが、どのように分散し、集中を避ける方策についての対策はされているのか。

(事務局)
来場者がそれぞれどのようなルートを通って会場にやってくるかということを想定し、会場の手前に駐車場を配置するよう分散しました。それから、ITSの最新の技術をできるだけ取り込み、リアルタイムで駐車場の状況を提供できるシステムにも取り組んでいきたいと思っております。

(委員)
会場近くへ来た車についてはどのように考えているのか。会場周辺に私的な駐車場を開設される方も予想されると思いますし、会場近くまで来てしまった車で混雑することも考えられる。これらはどのように対処するつもりなのか。

(事務局)
交通混雑は相当心配しております。会場周辺には駐車場がないことを早くからPRをしていく必要があると思いますし、走行中にも駐車場の位置がきちんとわかるよう表示する必要があると考えております。

(4) 「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書(案)」についての瀬戸市長意見、豊田市長意見、長久手町長意見、愛知県知事意見及び経済産業大臣意見について

配布資料3「『2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書(案)』についての瀬戸市長意見、豊田市長意見、長久手町長意見及び愛知県知事意見、経済産業大臣意見について」に基づき説明した。

[質疑応答]

(委員)
ゼロエミッションに関する見解がたくさん出てくるが、それに対する対応が非常に後退しているように感じる。

(事務局)
環境マネジメントに関するプロデューサーに、国連大学でゼロエミッションをやっておられる方に就任していただき、博覧会のための会場整備、開催中の運営、その後の問題も含めて全体としてどうやってマネジメントを行っていくかを、そのプロデューサーの指導のもとに協会で横断的に取り組んでいくような考えでおりますので、決してゼロエミッションに対して後退しているとは思っておりません。半年間の一過性の博覧会ではありますが、環境マネジメントに十分重点を置きながら取り組んでいきたいと考えております。

(委員)
環境マネジメントシステムの導入と、ゼロエミッションの考え方は、かなりリンクしているものなのか。また、環境マネジメントのために事業者としてどのように取り組んでいくつもりなのか。

(事務局)
ゴミの負荷の低減、リユース・リサイクル等のごみ問題も含めたトータルとしての環境マネジメントであると理解しています。
どのような形になるかは今検討しておりますが、何らかの形で協会の環境マネジメントの考え方を外に出しながら取り組んでいきたいと思っています。

(委員)
催物による拡声器等の話が出ていたが、大勢の人が集まって賑やかに催物をやる会場はできるだけ中央部において、周辺地域から離れるような所で計画を立てていくと、来た人も博覧会を楽しめるし、周りの方々にもご迷惑が少なくなると思います。そのような配慮をして頂きたい。

(委員)
上水道や下水道を今よりたくさん作ると、その工事により会場が荒らされる。上下水道の配管についてはどのような計画なのか。

(事務局)
森林体感ゾーンに関しては、自己完結型のトイレを考えています。それから、パビリオンが既改変地に集中していますが、そこについては、場内に設けるループの下に上水管、下水管、電気等のライフライン系の敷設を基本に考えています。また、青少年公園は将来の都市公園として再整備されるという事ですので、将来も活用できるように恒久利用を考えた施設計画にしていこうと考えております。

(5) 「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書」について

配布資料4「ゴンドラの計画について」に基づき現在のゴンドラ計画について、環境影響評価書(案)から環境影響評価書への主な変更点について説明した。

[質疑応答]

(委員)
ゴンドラは会期終了後撤去する予定か。また、ヘリコプターとはどのような計画なのか。

(事務局)
ゴンドラは撤去する予定です。
ヘリコプターは、VIP等が会場に到達するために想定されておりましたが、現在協会としてヘリポートを造る予定はありません。緊急用については、駐車場に臨時的に降りることはあり得るかもしれません。
追跡調査の中でのヘリコプターの発着というのは、どこかのヘリポートを定期的に使う場合を想定し、その場合は予測・評価を追跡調査の中でやっていこうという趣旨で入れております。

(委員)
沈砂池について、博覧会会場付近は粘土質というかシルトが非常に多く含まれている。シルトは沈みにくいが、これを防ぐ方法を考える必要がある。
それから地下水の水脈について、限られたデータしかないという指摘があったが、どのように進めるつもりなのか。

(事務局)
造成工事の施工計画に合わせて適切な沈砂池を数ヶ所配置し、なおかつそのモニタリングをしながら香流川の放流水の問題に細心の注意を払っていきたいと考えております。
また、現在現場の地質調査を行っており、その調査結果により状況を把握していけると考えています。

(委員)
ゴンドラの計画に関して、まず第1に付近の住民の方の生活環境をよりいい方向で保全していくということを主にやっていただきたい。それと安全性が非常に大切だと思うので、計画を十分に検討していただきたい。

(委員)
ゴンドラは宙吊りになるわけですから、かなり揺れる場合もあると思うが、どうしても乗るのは嫌だという人は他に移動手段はあるのか。

(事務局)
安全性の面については、スキー場のゴンドラ同様索道規則に基づいてきちんと整備してゆきます。
それから、ゴンドラは嫌だという方につきましては、シャトルバスも運行しておりますので、そちらを利用していただきたいと思います。

(委員)
ゴンドラは許せない。一つ目の理由として、これだけ巨大なものを造ってその後壊して、これをどう処理するのか。二つ目の理由として手続き的な問題ですが、ゴンドラの距離が約2km、仮に幅を10mとするとかなりの面積になります。この工事をするためには工事用の取付け道路も必要になり、さらに大きな面積をいじることになると思います。この場所についてのアセスメントをどのように考えているのか。

(事務局)
ゴンドラは会期終了後は撤去する予定ですが、できるだけスキー場とかで再利用という形でこのゴンドラを転用していきたいと考えております。
それから、改変面積が非常に大きくなるというご指摘ですが、それぞれの鉄塔の下については5m四方ぐらいの形で支柱の用地として必要ですが、それ以外の場所については空中にロープが張られるだけであり、その下は開発することはございません。また、鉄塔を建てる位置については、既存の道路や改変地を取付け道路として使用できるよう配慮しながら考えていきたいと思っております。

(委員)
ゴンドラについていろいろな問題が出ましたが、せっかくこれだけのものを造るのだから、残すということも検討の中にいれていくべきではないか。

(事務局)
今日、いろいろと貴重な意見が出たと思いますので、その可能性も含めてさらに検討していただきたい。

(6) 閉会

事務局あいさつ