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愛・地球博で21世紀の未来型交通システムを体験 会場内移動にIMTS、会場間移動に燃料電池ハイブリッドバスを導入

2003年7月8日

(財)2005年日本国際博覧会協会

トヨタ自動車株式会社

(財)2005年日本国際博覧会協会(以下:博覧会協会)とトヨタ自動車(株)(以下:トヨタ)は、この程、2005年日本国際博覧会(以下:愛・地球博)における長久手会場内移動用として、IMTS(Intelligent Multimode Transit System)(※1)を、また長久手・瀬戸会場間移動用として燃料電池ハイブリッドバス(※2)を導入することに合意するとともに、博覧会協会は、その事業概要を決定した。

今回の事業は、技術協力参加として車両の開発・提供をトヨタが、インフラ整備と運行管理を博覧会協会主体でそれぞれ担当する。今回IMTSを導入するにあたっては、初の本格的な大量輸送の実施となるため、博覧会協会は、IMTS愛・地球博線の運行に関して鉄道事業許可を取得した。

愛・地球博は、21世紀における新しい地球社会のモデルを提示する。その一環として、博覧会協会は、環境にやさしく、安全で快適、さらに移動自体が楽しみの一つとなるよう、様々な未来型の交通システムの導入について検討を行っている。
一方、トヨタも、次世代都市交通システムとしてのIMTSの利便性や、燃料電池自動車の有用性や将来性を、多くの来場者に実体験してもらえる場を模索していた。
こうした中、この程両者の考えが一致し、IMTSと燃料電池ハイブリッドバスが愛・地球博における移動ツールとして導入されることとなった。

既に会場へのアクセスとしては、愛知高速交通(株)による国内初の磁気浮上式リニアモーターカー(HSST、愛称:リニモ)の事業計画が進行中であるが、今回のIMTSおよび燃料電池ハイブリッドバスの導入により、来場者は会場へのアクセス、会場内移動、会場間移動において、未来型交通システムを実際に体験することが可能となる。

(※1)IMTSは、最新のITS(Intelligent Transport Systems)技術を用いて、専用道は無人で自動運転・隊列走行、一般道は通常のバス同様にマニュアルで単独走行を行う新交通システム。鉄道などの軌道系交通システムの定時性・高速性・輸送力と、路線バスの経済性・柔軟性を併せ持っている。

(※2)燃料電池ハイブリッドバスは、高圧水素ガスを燃料とする燃料電池と2次電池(ニッケル水素電池)を動力源として、モーターを駆動する。ガソリン車やディーゼル車などに比べ、CO2や有害物質を排出せず、エネルギー効率が高く、また静粛性に優れているなどの特徴がある。

愛・地球博におけるIMTSと燃料電池ハイブリッドバスの主な特徴及び運行計画は次のとおりである。

<愛・地球博におけるIMTSの概要>

1.車両の特徴

(1)デザインコンセプト:
発芽からイメージした、乗客を優しく包み込む、新しい公共モビリティのフォルム「Z-CAPSULE (ズィー・カプセル)」。
曲面的で柔らかなグラスキャビンは、人や街に優しく、車内からのパノラミックな視界を約束する。
(2)デュアルモード走行:
専用道では無人自動運転(先頭車両には添乗員が乗車)
一般道(会場内管理用道路)では有人マニュアル運転を実施。
(3)3台隊列走行、自動分岐・合流:
専用道では3台隊列走行し、一般道へは最後尾の車両が自動分岐。
専用道に戻る時には自動的に合流。
(4)バリアフリー対応:
低床車両を用い、専用道駅では床面がプラットホーム面と同一の高さにて停止。
(5)環境対応:
クリーンなCNG(圧縮天然ガス)エンジンを採用。

2.運行計画

(1)運行期間: 2005年3月25日~9月25日(185日)
(2)運行時間: 9:00~22:00(開場時間に合わせて運行)
(3)走行区間: <自動運転区間> IMTS専用道走行
  北ゲート駅~西ゲート駅~大催事場駅 片道約1.6km
  <マニュアル運転区間> 会場内管理用道路走行
  西ゲート駅~コンベンションホール前 片道約0.8km
(4)導入台数: 14台
(5)運行速度: 最高速度 約30km/h、平均速度 約20km/h
(6)所要時間: 約7分(自動運転区間の片道)
(7)運転間隔: <自動運転区間> 7分30秒間隔(8本運行/時間)
(8)輸送能力(概算): <マニュアル運転区間> 30分間隔(2本運行/時間)
  <自動運転区間(往復)> 27,000人/日
  <マニュアル運転区間(往復)> 2,400人/日

<愛・地球博における燃料電池ハイブリッドバスの概要>

1.車両の特徴

愛・地球博に導入される燃料電池ハイブリッドバスのベースとなる車両は、2002年に燃料電池バスとして初めて、国土交通大臣認定を取得し、ナンバープレートの交付を受けて公道走行試験を行っているもの。
また、東京都が推進する「燃料電池バス・パイロット事業」への参加も決まっており、今夏にも都営バスの路線にて運行が予定されている。

2.運行計画

(1)運行期間: 2005年3月25日~9月25日(185日)
(2)運行時間: 9:00~18:00(開場時間に合わせて運行)
(3)走行区間: 瀬戸会場~長久手会場 約3.5km
(4)所要時間: 約10分(片道)
(5)運行間隔: 約6~8分おき
(6)輸送能力: 往復900~1,200人/1時間あたり

(別添資料1)次世代交通システム IMTSの概要 PDF <約142KB>

(別添資料2)燃料電池ハイブリッドバスの概要 PDF <約76KB>

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