No.02 2004/11/10
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先月26日、長久手会場グローバル・コモン5の下にある「西管理棟」の2階にメディアセンターが開設された。
サービス提供時間は、来年3月14日までの期間は9:00~17:30。開催10日前の3月15日から閉会日の9月25日までは、8:00~23:00。万博に関する情報発信の拠点となる。
共用記者室は、メディア入場許可証を有するメディア関係者に開放。約50席のワーキングエリアが用意され、コピー(白黒)やインターネット用パソコンが使用でき、ファックスや公衆電話も備え付けられる。
主催者による記者会見・ブリーフィングが定期的に開催される他、各国・各パビリオンによる記者会見を実施する共同記者会見室は、メモ台付きマルチチェアが80席の他に、カメラ台、同時通訳ブースなども完備。
許可証を有するメディア関係者は、専用サイトから取材や記者会見に関する最新情報等を入手できる。メディアセンターでは、プレスリリースを随時ピックアップできる他、プレスキット(日・英)やブローシャー(コンテンツリーフレット等)が提供される。
その他にも、食堂、コンビニエンスストア、クリーニング、郵便局、銀行などのサービスも利用可能になる。
メディア入場許可証に関する詳細は以下のとおり。
● メディア入場許可証の種類
「会期前メディア入場許可証」「会期中メディア入場許可証」の2種類有り。
両許可証の同時申請も可能。
● 申請
当日の申請は、諸手続きに時間を要する場合があるため、事前申請が原則とされている。
● 申請方法
愛・地球博公式サイトの「メディア入場許可証」申請コーナー参照
http://www.expo2005.or.jp/jp/T0/T1/T1.11/index.html
世界有数の自動車メーカーとして知られるトヨタ自動車は、1937年の創業以来、「愛・地球博」が開催される愛知県に本拠を置いている。このトヨタ自動車をはじめ、トヨタグループ16社が「モビリティの夢、楽しさ、感動」をテーマに開設するのが「トヨタグループ館」だ。
「愛・地球博」に向けて現在開発中なのが、一人乗りの未来コンセプトビークル「i-unit(アイユニット)」だ。「i-unit」は夢のモビリティ。会期中には、「i-unit」同士の衝突の自動回避や隊列走行など、事故や渋滞のない社会の実現をはじめ、未来のクルマに求められる様々な機能が紹介される予定。
パビリオンのもう一つの呼び物が未来技術として開発されている「トヨタ・パートナーロボット」だ。繊細な唇と多様な手の動きでトランペットを奏でるロボットをはじめ、複数タイプのロボットが登場する予定。トヨタ自動車ではこの他にも「アシスタント」、「福祉」、「製造」、「モビリティ」などの分野で活用できるロボットを開発中。
この「i-unit」とロボット達が活躍する2部からなるパフォーマンス・ショーが楽しみだ。
まず、ウエルカムショーでは、ロボット達が楽器を演奏しながら、華やかな歓迎ステージを演出。
メインショーは、「i-unit」やロボット、そしてパフォーマー(出演者)の躍動感あふれる演技と、360度大型スクリーンや舞台装置が織りなすスペクタクル演出ステージ。舞台に現れる生命、自然、未来社会の様相を通して「自由に移動すること、生きることの素晴らしさ」と「人とクルマの新しい関係」を紹介する。
パビリオンの建物自体にも、「地球循環型パビリオン」を基本コンセプトに様々な工夫がもりこまれている。建物本体は、解体・リユースを前提として建設。外壁に古紙、再生紙を採用するなど、再生可能材料の活用に取り組むとともに、撤去の際のリユース、リサイクル徹底により、建設廃棄物ゼロを目指す。また、運営に必要な電力は、すべて会場外に設置した風力発電機により、パビリオンで消費する電力相当分を発電する予定。
愛・地球博のテーマである「自然の叡智」という概念は大変魅力的なものだと思います。しかし、私たちは自然というものをどのように捉えるべきなのでしょう?
ある哲学は自然と人類をそれぞれ違う存在であると考えます。他方、人類は自然の一部である、しかも、2つの意味で重要な意味を持つ自然の一部であると捉える考え方もあります。1つの意味は、人類が自然になり代わって、見、聞き、分析する自然の頭脳であるということです。また、もう1つの意味は、人類が自然の一部を支配しているということです。これはノースフィア(人類圏)と呼ばれています。20世紀において、人類は互いにコミュニケーションをとる手段を得たことにより、生物圏を支配するようになりました。人類を自然の一部と考える場合、人類は人類としての責任、そして、自然の一部としての責任の全てを考慮しなければなりません。人類圏においては、人類と自然との調和が美しくとれているかが重要なのです。
別の調和もとても重要です。人類の発展の主要な構成要素間の調和です。最も重要な構成要素は教育です。同時に、科学、工学、自由な企業活動及び文化が発展の骨格をなしています。これら全ての要素を調和して全てを発展させていく必要があるのです。
愛・地球博の中にもこの多様な構成要素の調和的な発展は現されていると思います。まず、企業パビリオンは、企業家精神とエンジニアリングの両方を現しています。大画面や沢山のパビリオンは、宇宙のこと、生物のこと、そして、すべての科学の発展の結果を展示します。グローバル・コモンでは、世界の文化の多様な発展を体験できます。地球市民村では、NGOを通じた市民社会の発展を見ることができます。愛・地球博ではこれら様々な発展の構成要素が結合されて示されているのです。
「コモン」とは、皆で共有する場所の意味。「愛・地球博」長久手会場の自然に包まれた丘陵地の中に、アジア、南北アメリカ、地中海沿岸国、ヨーロッパ、アフリカ、東南アジアとオセアニアなどの地域ごとに分かれた6つのグローバル・コモンが用意される。
この6つのグローバル・コモンは空中回廊「グローバル・ ループ」によって一つに結ばれている。
グローバル・コモンは、多様な文化や文明を持つ人類が一つの場を共有し、平和に共存し、交流する「地球大交流」というコンセプトから生まれた。各国パビリオンは、ここに設置される。
私たちはここで、世界120以上の国と国際機関の人々と出会い、各国の人々が知恵と工夫を凝らした展示物やイベントを通じて、各国の多様な文化を私たち自身の目や耳で直接体験することができる。
パビリオンの建設方法にも、工夫が凝らされている。縦横各18メートル、高さ9メートルの箱型の「モジュール」の組み合わせで各国パビリオンが作られる。1国が使えるのは最大5モジュールまで。
この方式の採用により工事量の削減や工程の短縮が実現され、環境への負荷も低減されることになった。もちろん、モジュールは再利用可能。
愛・地球博の「自然の叡智」というテーマ、「宇宙、生命と情報」、「人生の“わざ”と智恵」、「循環型社会」という3つのサブテーマは、グローバル・コモンの各国パビリオンから世界に向けて発信される。