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愛・地球博へのバイオマスプラスチックの導入概要について ~サブテーマ「循環型社会」を象徴する新素材~

平成17年2月8日

(財)2005年日本国際博覧会協会

(財)2005年日本国際博覧会協会は、脱石油社会への挑戦を象徴する新素材である「バイオマスプラスチック(生分解性プラスチック)」(※)を積極的に導入します。愛・地球博の環境目標においても「会場内で食器類等に生分解性プラスチックを活用する」と規定しており、協会としても2002年度から「生分解性プラスチック導入検討会」を開催し、課題や導入方針につき整理をおこなってまいりました。導入の概要等は以下のとおりです(なお民間パビリオンなどが独自に導入される場合も考えられますが、ここでは触れていません。)。

1.バイオマスプラスチックとは?

バイオマスプラスチック(生分解性プラスチック)は、枯渇性資源である石油に由来する従来のプラスチックとは異なり、植物由来の材料(とうもろこし等を原料とするポリ乳酸、でんぷん)に多くが依存しており、また、自然界の微生物により、水と二酸化炭素に分解されることなど環境にやさしい特徴を有しています。このことから、廃棄物削減や脱石油社会の実現に向けた有効な素材であると考えられます。

※「バイオマスプラスチック」と、「生分解性プラスチック」の用語について

“植物由来の材料から作られる”という素材の特性に着目した場合は「バイオマスプラスチック」、“水と二酸化炭素に分解される”という機能に着目した場合は「生分解性プラスチック」と言われます。今回万博会場で導入する資材は、植物由来の材料から作られ、かつ生分解性を示す素材ですので、「バイオマスプラスチック」であり、「生分解性プラスチック」でもあるのです。

2.「生分解性プラスチック導入計画検討会」の開催

わが国では前例がない事業であることから、2002年度より、行政、企業の参加の下、「生分解性プラスチック導入計画検討会」を計6回開催し、導入資材・製品の規格(生分解性や環境安全性また衛生安全性などの面からの調達条件)やリサイクル方法の具体化など、製品の利用から分別回収、リサイクルまでの方針を検討し、「万博モデル」として取りまとめました。

3.導入概要

主な導入製品等の概要は以下のとおりです。

(1)食器類

会場内のフードコート等でバイオマスプラスチック製食器を利用します。導入規模は以下のとおりで、世界初の規模での導入となります。導入概要(想定値)は以下のとおりです。

・リターナブル食器

使用後も洗浄し繰り返し使うタイプのもの。25種類、約12万個で導入予定。

・簡易食器具(ワンウェイタイプ)

一度の利用のみで廃棄するタイプ。24種類、約2000万個で導入予定。
各種イベント会場での利用等、ワンウェイにならざるを得ない用途で今後、普及が期待されるもの。
使用済みの食器類は、会場内で分別回収し、以下の方法によりリサイクルを行います。

・マテリアルリサイクル

廃バイオマスプラスチックをトレイや植物ポットなどの生活資材や農業用資材等としてリサイクルします。

・バイオリサイクル

廃バイオマスプラスチックと生ごみを一緒に会場外でコンポスト化し、農地へ還元します。農地で栽培された野菜を再び会場内のレストランの食材として活用する予定。

このようなリサイクル手法の確立・実証を愛・地球博の場を通じて行うとともに、実際に来場者が製品を利用することで、今後のバイオマスプラスチックの普及を強力に後押ししていきたい考えです。

(2)ごみ袋

会場内で使用するごみ袋につき、バイオマスプラスチック製のものを採用します。導入枚数は約80万枚を予定しています。
特に生ごみ袋をバイオマスプラスチック製にすることにより、除袋することなく生ごみの再資源化(バイオリサイクル)が可能になることから、今後の普及が期待されます。

※上記(1)~(2)は経済産業省の「バイオプロセス実用化開発事業」の一部として実施されます。

(3)会場整備資材

バナー(約500枚)、サイン(約550箇所)、簡易休憩所(約90箇所)など、来場者の目に触れやすい造作物に積極的に導入していきます。日本館の外装材・内装材などにも活用されています。

以上

導入される食器具

リターナブル食器

リターナブル食器

簡易食器具(ワンウェイ・タイプ)

簡易食器具(ワンウェイ・タイプ)