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瀬戸愛知県館

  • 愛知県


コンセプト

「森の鼓動と呼吸」~かつてない自然発見の場~

瀬戸愛知県館は、今回の国際博覧会の会場づくりを巡ってさまざまな議論がなされた「海上の森」の一隅にあります。このパビリオンは、万博後には「海上の森」の自然を学び育むための拠点とすることを前提に計画しました。パビリオンでは日頃見過ごしてきた多様な生命世界をダイナミックに実感できます。愛知県民による地域に根ざしたエコ活動の出展では、来館者の参加もお待ちしています。

パビリオン概要

出展場所瀬戸会場
開館時間4/26~7/19の期間:9時00分から17時30分まで
7/20~8/31の期間:9時00分から18時30分まで
9/1 ~9/25の期間:9時00分から17時30分まで
平均観覧所要時間約60分間程度
収容人数1285人
予約の有無無 ※ただし、県館での団体予約があります。
バリアフリー情報多目的トイレがあります。
車いす利用者には優先入場があります。
シアターには車いす席があります(11席)。
シアター映像には字幕表示があります(日本語及び英語)。
ベビーカーの持込み制限があります。入口付近に置き場があります。

展示概要

ようこそ瀬戸愛知県館へ。このパビリオンのある海上の森は、都市近郊の身近な自然がいっぱいの森です。森の生き物たちの姿を通じて、豊かな生命世界の大切さを知ってください。そして、からだ全体で森の鼓動と呼吸を感じてください。そしてここでは、もう二度と会えない生き物たちからのメッセージも受け取ることができます。

「ライブラリー空間」森の書斎

愛知県内で絶滅が危惧されている生物の姿、昔の人々の生物との係わり、瀬戸愛知県館のエコ対応工事などを書斎風の空間で紹介します。

ライブラリー空間 森の書斎

ライブラリー空間 森の書斎

壁面グラフィック

江戸時代に描かれた一大博物図譜「本草図説」(西尾市岩瀬文庫所蔵)から愛知県内の動植物を選びパノラマ展示します。

本草図説

本草図説

本草図説

江戸・目黒の博物研究者本草家であった高木春山(?~1852)が、20年以上の歳月と私財により作成した、全195巻にも及ぶカラー博物図鑑で、西尾市岩瀬文庫が所蔵しています。

ギャラリー空間 森の劇場

海上の森の四季の表情、そしてさまざまな生物の姿を2年間にわたって記録し続けた迫力ある特殊映像と世界初の7+1サラウンドシステムで体感するシアター。館内に移植したコナラの木の物語も込めて、この森を残すことができた気持ちを伝えます。

クローズアップ撮影によるカマキリ

写真:左から「虫の目線で生き物の姿を表現」栗林慧、「森の一瞬を大パノラマで撮影」池本喜巳、「かつて聞いたことのない森のシンフォニー」井出祐昭

●虫の目線で生き物の姿を表現
カマキリの捕食シーンなど、昆虫のクローズアップ撮影の第一人者がとらえたハイビジョン映像で、生き物たちの生命の営みを紹介。
撮影/栗林慧
●森の一瞬を表情豊かに撮影
四季折々の森の表情をあますところなくとらえた写真で、自然の美しさを伝えます。
撮影/池本喜巳
●かつて聞いたことのない森のシンフォニー
最新のデジタル技術で収録した森のかすかなざわめき、鳥や虫の音などを組み合わせた立体音響でシアターを包みこみます。
音声/井出祐昭


森の回廊・繭

移植したコナラが見守る吹抜け空間に、県内の子どもたちが海上の森や私たちの身近にいる生き物を模して創りあげた昆虫などを展示します。そして明るい吹抜け空間で出会うのは、神秘的な「鼓動・呼吸する繭」。その内部には、愛知県で絶滅した3種の哺乳動物が待っています。生命の多様性を尊び、これ以上生物を絶滅させてはいけないという思いを込めて・・・。

上:ギャラリー空間 森の回廊、下:リサイクル素材などで工作

森の回廊

愛知県内465校約1万人の子どもたちがリサイクル素材などで身近な昆虫などを工作しました。ハチの巣をイメージした六角形のケースに納められた作品は、モノ作りとリサイクル、そして生命の姿を学んだ成果です。

上:ミュージアム空間 森の繭、下:幕末にシーボルトが日本で得た標本  協力/ライデン国立自然史博物館(オランダ)

森の繭

「鼓動・呼吸する繭」の内部には、「レッドデーターブックあいち」に記載されている3種の絶滅種、ニホンオオカミ、ニホンアシカ、ニホンカワウソのタイプ標本(生物の学名がつけられた時のオリジナル標本)を展示します。

コラボレーション空間・にぎわいの里

自然と共生する社会づくり「エコ・コミュニティ活動」に取り組む県民が主役とするコーナー。さまざまな活動の姿を、わかりやすく親しみやすい展示・催事で紹介します。

愛知グリーンマップ2005

あいち環境絵本

みんなが主役! 集まれ! エコの仲間たち

◆愛知グリーンマップ2005=地域のグリーンマップ展示他、 ◆あいち環境絵本=公募絵本作品の展示・童美連協力作品の展示他、 ◆愛知自然と暮らしの暦=公募CDアート作品の展示他、 ◆愛知エコ・コミュニティ活動紹介=公募団体の活動内容発表他、 ◆エコの知恵袋=公募アイデアを館内運営業務で実施紹介

パビリオンについて

瀬戸愛知県館は、博覧会の原点である瀬戸会場に位置します。建物は、恒久部分と仮設部分の組み合わせ、起伏のある土地形状に合わせた三層構造となっており、交流広場から入館し、順に降りながら観覧する空間構成としました。パビリオンの建設は、各分野の専門家の協力も得て、徹底した環境配慮のもとに行われました。博覧会終了後は仮設部分を撤去し、恒久部分を「里山学びと交流の森」の拠点施設として整備します。

土地との調和を図るランドスケープ

建物の延べ面積は約3000平方メートルで、博覧会終了後はその半分の1500平方メートル程度の「里山学びと交流の森」の拠点施設に生まれ変わります。敷地は、縦長で狭くて脆弱、しかも急斜面という条件の中、自然の地形や環境に配慮した設計となっており、また建設に際しては、、木材や陶磁器などの県産材を積極的に活用するとともに、仮設部分については、リデュース、リユースそしてリサイクルが可能な建築素材を採用しています。

自然にやさしいメシュカゴ

自然の傾斜地は、石積みメシュカゴを段上に並べることで安定化を図り、さらに半地下部分にもカゴを連続させることで土地と建物が一体化したランドスケープを創り出しました。メシュカゴ内部は水や空気が通り、生物が棲息できて一種のビオトープと言えます。また博覧会期間中、中庭の棚田状部分には水をたたえ、周囲の空気が涼風となって空調負荷を減らす仕掛けです。

森を見つめてきた「コナラの木」

瀬戸愛知県館は、樹木を移植し、表土を保全、24時間の水質モニターなど、徹底した環境配慮型の工事で建設しました。その一つとして、瀬戸会場周辺工事で伐採予定だった高さ約20mのコナラの木を、建物の中心、吹抜け空間に移植しました。厳しい環境を乗り越えたコナラの木は、現在のところ移植した土壌にうまく定着しているようです。
建物の床と壁には木をふんだんに使用し、その建物がコナラの木を取り囲むように建てられているため、吹抜けとなっている森の回廊に枝葉が広がり、森の中にいるような雰囲気を中で展示を楽しむことができます。


環境への取り組み

愛知万博のテーマである「自然の叡智」を体現するために、瀬戸愛知県館は環境を真摯に捉え、パビリオンの建設において、また実際の運営においてもさまざまな試みを行なっています。

アテンダント、クルーのユニフォーム

竹繊維から、ユニフォームをつくりました

愛知県館アテンダント、クルーのユニフォームは、竹のスジスジ部分の繊維を取り出して糸をつくり、合服がウールと夏服がコットンと合わせた生地で縫製しました。竹は抗菌・消臭性に優れている上、その生地は生分解性を有しており、人と環境に優しいユニフォームです。

森を守る工夫

博覧会終了後は仮設部分を撤去し、恒久部分は「里山学びと交流の森」の拠点施設として整備します。仮設部分については、リデュース、リユース、リサイクルが可能な建築素材を採用しました。仮設部分の外壁や床に使用する木材は、下山村の新設小学校で再利用されます。