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瀬戸日本館 

  • 日本国政府(経済産業省)


コンセプト

「つなぎ直そう。人と自然」

テーマは、「自然と生きる日本人の知恵・技・こころ~自然とつながる感性を取り戻そう」。 日本人には、自然と折り合う生活に心の豊かさを感じとる力があります。それは、古くから育んできた「知恵・技・こころ」。災害の防止、快適な生活、資源の有効利用など科学や技術のみでは解決出来ない問題への解決の糸口を提示します。アーティストたちのパフォーマンスがあなたの想像力を揺さぶり、自然とのつながりを実感しながら懐かしい記憶を呼び戻してください。

パビリオン概要

出展場所瀬戸会場
開館時間4/26~7/19の期間:9時00分から17時30分まで
7/20~8/31の期間:9時00分から18時30分まで
9/1 ~9/25の期間:9時00分から17時30分まで
平均観覧所要時間約50分程度
収容人数1050人
予約の有無
バリアフリー情報点字パンフレット・2階シアター群読のシナリオ・4階アートギャラリー解説書・触知図・触知模型があります。
PDAによる音声案内があります。
2階のシアターには車いす席があります(7席)。
2階のシアターには磁器ループ席を設置しています。整理券配布所で「磁器ループ席ご案内カード」をお受け取りの上、スタッフにご提示ください。
アテンダント・ケアスタッフは筆談器・メモ用紙を携行しています。
4歳未満のお子様はシアター内でのご観覧はできません。なお、4歳未満のお子様もシアターロビーに設置のテレビモニターでご鑑賞していただけます。
ベビーカーは折りたたんで入場していただきます。

展示概要

瀬戸日本館は、映像空間のフロア1、演劇の上演をするフロア2、アートギャラリーのあるフロア3と3つのフロアで構成されています。フロア1「プロローグ」では、自然と生きる日本人の「知恵・技・こころ」の原点である心地よい暮らしの原風景を美しい映像でご覧頂きます。フロア2の「円形シアター」においては、30数名による臨場感溢れる群読  叙事詩劇「一粒の種」をご覧頂きます。あなたの中の自然の詩をよみがえらせてください。フロア3では作家の個性と創造力によって凝縮されたアートギャラリー「光と風の庭」で自分の庭を散策するように光や風を感じ、自然と人との繋がりに思いをめぐらせてください。

フロア1 プロローグ

風を音に変えたら、風鈴になりました。日本独特の四季、気候に順応する明かり取り、和紙の障子は開けると風の通り道・・・・・心地よい暮らしの原風景が、美しい映像空間となって四方に広がります。日本人の「知恵・技・こころ」があなたの心のひだに染み入り、日本の原点を再発見する旅へといざないます。

心地よい暮らしの原風景が美しい映像となって四方に広がります

心地よい暮らしの原風景が美しい映像となって四方に広がります

あなたを日本の原点を再発見する旅へと誘います

あなたを日本の原点を再発見する旅へと誘います

美しい映像空間。心地よい暮らしの原風景。

和紙を使用した壁面、床に広がるLED照明の紋様、光・音の演出など複合的な構成により、現代的な工夫を施した奥行きのある映像を四方に展開します。窓から四季折々の美しさを眺め、日本人の「知恵・技・こころ」に包み込まれる、日本人独特の感性を展示空間全体で美しく表現します。あたかも日本の住宅に招かれたような感覚を体験していただきます。

群読 叙事詩劇 「一粒の種~響きあう知恵の記憶、わたしがはじまる。」

日本人が古くから持つわらべ歌や祭りの掛け声には、自然と共に育んできた知恵の言葉が息づいています。ここはその言葉が、詩が、縦横無尽に飛び交い、映像が、照明が、それに協和する劇的空間。中央ステージを囲むように観客席が配置され、さらにその周りを多数の演者が囲む一体感覚が、あなたの中の自然の詩をよみがえらせるでしょう。日本を代表する演劇スタッフが、瀬戸日本館に集結。万博では初の試みとして、1日約20回、会期中185日毎日、「群読 叙事詩劇」の舞台を公演いたします。

万博史上初。185日間毎日公演、感動のパフォーマンス「群読」

言葉や詩が縦横無尽に飛び交い、映像、照明が協和する劇的空間

万博史上初、185日毎日公演、感動のパフォーマンス「群読」

台詞を集団で語る「群読」という演劇手法で叙事詩劇をプロデュースするのは北村明子氏。祭礼のかけ声、童謡、詩的な言葉が幾重にも響く壮大な舞台空間を目指しています。その壮大な舞台空間で作・演出・音楽・美術を担当するのはJ・A・シーザー氏。15分間という凝縮された時間の中で30名以上の出演者の語る声や一流スタッフによる映像、照明、衣装など、さまざまな要素がダイナミックに絡み合い、うねりとなって皆様を詩的世界へと誘います。

フロア3 アートギャラリー「光と風の庭」

4階はアートギャラリー。2人の美術家で構成されるアート空間です。素材が持っている力を引き出し、静と動、暗と明といった空間、時間の躍動感を作り出します。「知恵」・「技」の歴史とともに新しい自然とのつながりを感じ取り、人間の根源にあるべき「こころ」に思い至ります。自分の庭を散策するように光や風を感じ、自然と人とのつながりを感じとっていただきます。

空間と作品が融合したインスタレーション

二人の美術家の個性と想像力の凝縮。「光と風の庭」

2人の美術家によるアート空間「光と風の庭」

4階アートギャラリーでは、伝統・文化・技術そして時代が、作家の個性と想像力によって凝縮されたアート空間「光と風の庭」を展開します。「光と風の庭」は瀬戸日本館のテーマである「自然と生きる日本人の知恵・技・こころ」をベースに空間と作品とが融合したインスタレーションと2人の美術家のコラボレーションのありようを追及したアートギャラリーです。来館者が「自然の庭を散策する」ように、この空間で「光」や「風」を感じ取りながら、「自然と人との繋がり」に思いをめぐらせながら、さまざまな発見をしていただきます。

パビリオンについて

瀬戸日本館は自然に調和し、自然エネルギーの力で「自ら息づく」、自然融合型建築。地形改変を最低限にとどめ環境への付加を抑制。日本の伝統工法を取り入れ、また、自然環境との調和を図るため、外壁には木質パネルを使用しています。また、建物の上と下の温度差を利用して換気を促す仕組みの風の塔(ソーラーチムニー)と地中熱による自然通風を確保するなど、自然の力を利用して消費エネルギーの低減を図っています。

新技術と在来技術の実験的融合として瀬戸日本館では、風の塔(ソーラーチムニー)により自然通風を確保し、地中熱利用の換気システムなどの自然エネルギーを活用した消費エネルギーの低減に努めています。チムニー(煙突)内を通る外気が太陽熱で暖められると煙突内に上昇気流がおこり、それによって涼しい空気が常に建物内に入ってくるようになる自然換気システムです。冷却負荷を低減し、省エネルギー化を図っています。

瀬戸日本館は、里山の自然植生や自然地形が残る場所にあります。周辺の地形の改変を極力少なくするため、4本の柱だけで建物を支える構造としました。そこで、軽量かつ強度のある外装パネルが求められ、採用したのが外壁木質パネルです。


里山に調和する自然融合型建築

風の塔(ソーラーチムニー)と地中熱利用による自然通風の確保

外の冷気を取り入れ内部へ通す、空気流動スペースを確保し、その空気を抜くために、2階展示室上にはソーラーチムニー、最上部には自然換気窓(スウィング窓)を設置しています。自然風力によって開閉することにより、風の道を作り出し、暖まった空気が常に外部へ流れ、新しい冷気を常に取り入れることで、機械に頼らない自然換気を促します。さらに2階展示室には、新鮮な外気を地中約4.5mに打ち込んだ12本の二重パイプを通じて冷やしてから供給します。

自然エネルギーを利用して消費エネルギーを節減

環境に配慮した外壁木質パネル

自然環境にやさしい、有機材の木質パネルを外壁に使用しています。厚さ20~25mmの国産カラマツの引き板を接着、さらに5層に重ねて接着し、外装パネル(2600mm×5900mm×120mm)を作成しました。加工が簡単で、会期終了後には資材再利用することにも配慮しました。施工時においても、重機にてパネルを吊り上げ、建物に取り付けることで、豊かな自然環境を極力、荒らさない工法としています。

環境への取り組み

日本館では、温室効果ガスの抑制、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の促進、シックハウスフリー(有害物質最少化)、壁面・屋上緑化などによる自然共生、環境コミュニケーションなど、各分野の環境配慮に取り組んでいます。瀬戸日本館は、環境への配慮を第一に考えた里山に調和する自然融合型建築です。ソーラーチムニーと地中熱活用の通風システム、自律応答調光ガラスによる日射量の低減で、空調に要するエネルギー削減と快適な館内環境の両立を図っています。これら自然の力と先端技術の融合による各種実験型の環境配慮により、使用するエネルギーの供給方法と使用量削減の両面から温室効果ガス発生の抑制を実現しています。また、調達資材においては、環境配慮型の材料・製品の優先採用、リース等の積極活用、資材の再利用促進など、循環型社会に向けた3Rの取り組みを徹底しています。

環境への取り組みについて

日本の伝統工法を取り入れ、外壁に木質パネルを採用

景観に調和し、自然の地形を活かす工夫

瀬戸日本館は、里山の自然植生と自然地形が残る場所にあります。このため、特に自然改変の極小化と、自然景観との調和に最大限の工夫を凝らし、日本の伝統的工法により培われた通風、日除けなどの技術を、現代的な環境配慮の技術によって発展的に実現した自然融合型パビリオンとなっています。環境に配慮し、地形改変の極小化を実現するために4本の支柱だけで建物を支え、外装パネルはクレーンで吊り上げて設置する工法が取られました。そこで、軽量かつ強度のある外装パネルが求められ、採用されたのが木質パネルです。建物の外壁の木材の風合いが周囲の木々と調和して周囲の自然と共存しています。

里山に調和し、熱負荷低減を実現する屋根緑化

ヤシ殻マットと在来種による屋根緑化システム

4階の屋根は防水処理を施した金属成型板の上に、ヤシ殻マットを置いた屋根緑化工法を採用しました。ヤシ殻マット屋根緑化は、建物の熱負荷を低減すると同時に、周辺の景観に溶け込むことで環境との調和を図っています。特に、緑化植物の選定は、瀬戸会場近辺の野芝の種子を蒔くなど周辺の植物環境に影響を与えないよう配慮しています。また、ヤシ殻マット緑化システムは、そのまま他へ運ぶことが可能であり、会期終了後のリユースにも配慮したシステムとなっています。