EXPO 2005 AICHI JAPAN
愛・地球博公式WEBサイト(閉幕時点) リンク集 サイトマップ
EXPOデータ集 後援・協賛 プレスリリース 表彰事項一覧
EXPOデータ集
EXPOデータ一覧
HOME > EXPOデータ集 >「愛・地球博」の成果・評価について > テーマの理解度・浸透度 > 有識者インタビュー > 山本 博子
テーマの理解度・浸透度

自ら参加し、行動することで得られる力が世界を救う。

山本 博子
日本ハビタット協会事務局長
アジアの女性と子どもネットワーク事務局長

 

 私達日本ハビタット協会としては、愛・地球博瀬戸会場の市民ギャラリーにおいて「貧困層の生活環境改善プロジェクト」と題して展示を展開し、4月11日から1週間、「地球の授業」でアフガニスタンとカンボジアのスラムの現状や復興支援の状況についてお話したり、6月6日には対話劇場で日本ハビタット協会を応援するチャリティーコンサートを開いたりしました。また、7月1日から7日までは「言の葉さらさら 七夕まつり」も開催。9月2日にはスリランカとイラクでの国連ハビタットの活動について対話劇場で紹介しました。

 私達が愛・地球博に参加したのは、タテに続く未来をひたすら見つめるのではなく、隣の人を気にかけるように、遠くの国々や地域の人達の暮らしや文化、あるいは貧困や飢餓、紛争の苦しみを少しでも思いやることができる場を提供したいと考えたからです。つまり、ヨコに広がる世界をしっかり見ながら進むことが、今の私たちにとっては非常に重要だと気づくことが「自然の叡智」というテーマと重なるのではないか、との思いがあったからです。そのために、例えばアフガニスタンのブルカという民族衣装を「ちょっと着てみませんか?」とか「アフガンの女性になった体験をしてみませんか?」と来場者に語りかけたり、文字が読めない怖さを少しでも知るためのワークショップも開いたりして、国際協力の必要性を訴えました。

 今回の博覧会では、今までにないほど市民参加が盛んであったことがとても素敵だと思います。また、参加した私達を支えて下さったボランティアの方達もすごく元気に盛り上げて下さったこともうれしいことでした。さらに、この会場に集った他の団体の方々も含めて、参加することで私達自身がエンパワーメントされたというか、元気になれました。本当の意味での市民活動の参加が行政にとって有益であることはもちろんのこと、市民が自分達でもできるのだという自信やパワーを持っていることを体感することが、市民活動の本来の姿だと感じました。このエンパワーメントが参加した各団体の中に生まれ、生きていると実感しています。

 国連ハビタットの活動について広報ができたという充実感はありますが、このように、日々活動している私達自身が愛・地球博の中で力を得て、自らのモチベーションを高めることができたということが大変重要であったと思います。また、これこそが国連ハビタットの活動が目指すところでもあることを強調したいと思います。例えば、津波で被災して家が流され全てを失った人々の中で雇用を創出したり、復興を支援したりしながら、人々に仕事と一緒に元気や自信を持っていただけるようにすることが支援での大きな目標となっています。人の力ではなく、自分達の手で復興できたことが喜びになり、さらに次の復興への力になっていく。まさしくエンパワーメントですね。同様に、世界の万博史上、例がないほど市民が参加し、自信を得たというところに、今回の愛・地球博の成功があるのではないかと思います。

2005.8.26 談

 

<プロフィール>
北海道出身。1996年、タイの山岳民族の就学支援として学校建設事業などを行うNGO「アジアの女性と子どもネットワーク」(横浜市)を設立、以来事務局長を務める。2001年、国連ハビタットを支援するために設立された日本ハビタット協会の事務局長代行となり、2002年より事務局長。
日本ハビタット協会 http://www.habitat.or.jp

 

ページの先頭に戻る