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ニュースレター No.11

No.11 2005/03/16

Contents

Special Feature

愛・地球博会場案内

「長久手」と「瀬戸」の2つの会場にまたがる愛・地球博会場。一緒に誌上ツアーに出かけてみよう。

 リニモで長久手会場の「万博会場駅」に到着したなら、北ゲートから入場。名古屋駅などからのシャトルバスを利用した場合は、東ターミナルに到着し、東ゲートから入場。マイカー利用の場合は、会場周辺6箇所に用意されている万博専用駐車場に車をとめ、そこからシャトルバスにのって東・西ターミナルに到着だ。

 まず、ペットボトル、ビン、缶類を持っていないか、チェックしよう。安全対策などの理由で会場内に持ち込めないので注意。

 各ゲートではイベントや会場の混雑情報、帰りの交通情報が情報ディスプレイで表示されている。ここで、今日の計画を立ててから入場しよう。

 また、各ゲートには障害者や高齢者の方々のためのケアセンターがあり、様々なバリアフリー情報を提供し、手動式車椅子などの貸し出しも行っている。その他、数台のハートフルカートという無料のカートが用意され、定められたルートで運行する予定になっている。ただし、土・日曜・祝日などの繁忙日は安全上の観点から運行していないので注意。なお、長久手・瀬戸会場にはトイレが50箇所用意されているが、多目的トイレは約70配備され、そのうち約50はオストメイト対応になっている。

 各ゲートにはべビーセンターも用意されている。赤ちゃんの授乳、おむつ交換や休憩ができる施設だ。ミルク用のお湯の提供、ベビーカーの貸し出しは無料。

 北ゲートには、有料・予約制で6カ月からの未就学児を預かる託児ルーム「キッズ プラザ アスク」がある。ここでは、日本語・英語・中国語・韓国語が話せる保育スタッフが対応してくれる。
 予約は、電話(03-5285-2457 日本語のみ)、ファックス(052-933-5467 日本語・英語対応)にて受付。

(1)さあ、北ゲートから、長久手会場に入場してみよう。

(2)まず、「企業パビリオンゾーンA、B」だ。観覧車が回る真っ赤なパビリオン「ワンダーホイール展・覧・車」が見える。驚きと夢一杯の最新テクノロジーが体験できる日本国内の9つの企業グループが出展する。

(3)グローバル・ループは、長久手会場をひょうたん型に巡る幅約21メートル、全長約2.6キロの空中回廊だ。高低差が最大40mある会場をバリアフリーで回ることができる。

(4)グローバル・コモン(外国館)1にはアジア17カ国のパビリオンが集まっている。時計回りにグローバル・ループを一周するように、グローバル・コモン2から6までが位置し、世界120カ国以上の国と国際機関が地域ごとにパビリオンを出展している。個性と夢溢れる6つのグローバル・コモンを訪ねながら、世界一周の旅をするのも楽しい。

(5)毎夜、ナイトイベントが開かれる「こいの池」だ。周辺はセンターゾーンと呼ばれ、愛・地球博のテーマ館であるグローバル・ハウスや地球大交流を体感できる愛・地球広場などがある。世界ではじめての冷凍マンモスはグローバル・ハウスで展示される。

(6)センターゾーンの南西に繭の形をした竹ケージの長久手日本館が見える。この一帯は長久手愛知県館、名古屋市パビリオン「大地の塔」などのパビリオンが集合している日本の魅力一杯の日本ゾーンだ。

(7)「遊びと参加ゾーン」。万博史上初めて世界のNPO/NGOが協働参加する地球市民村では、環境・平和・教育・食など、地球上の様々な問題や課題を交流や遊びを通して楽しんで学ぶことができる。

 広い会場の移動には、新しい交通機関IMTSや、グローバル・トラムなども利用してみたい。会場移動自体が楽しいアトラクションや発見の場になっている。
http://www.expo2005.or.jp/jp/T0/T9/T9.7/index.html

 なお、両替が必要になったら、西ゲートにあるUFJ銀行、または、郵便局へ。
 UFJ銀行内及び北ゲートのUFJカードのC/Dでは、海外で発行されたクレジットカードも利用できる。郵便局は、西ゲート以外に北ゲートと瀬戸会場の瀬戸ゲートにもあるが、それぞれのATMでは海外で発行されたキャッシュカード、クレジットカードが利用できる。

 この他、困った時には長久手会場に6カ所ある案内所へ。会場、パビリオン、イベント、交通のことなど、日本語、英語・中国語・韓国語で対応してくれる。

 長久手会場から瀬戸会場への移動手段は2つ。北ゲート近くの長久手駅から乗るモリゾー・ゴンドラと北ゲート近くにある乗降所から利用する燃料電池ハイブリッドバスだ。ともに無料。

 瀬戸会場は、市民パビリオン&海上(かいしょ)広場、瀬戸日本館、瀬戸愛知県館、そして、里山遊歩ゾーンなどから構成されている。

 モリゾー・ゴンドラ瀬戸駅に隣接する市民パビリオンや海上広場では、市民が中心となって、様々なステージや展示・ワークショップが開催される。

 広場を越えると、右側に円形の瀬戸日本館、そして、左側に細長い瀬戸愛知県館が見えてくる。会場の南東部には里山遊歩ゾーンがあり、人と自然のかかわりである「土」・「里山」をテーマに環境共生のしくみや先人の知恵・技術を体験できる。

 今度は、本当の愛・地球博へ。まだ、入場券を購入していない人は、お早めに。入場券は、インターネット上でも購入できる。詳細は次のURLから。
http://www.expo2005.or.jp/jp/T0/T4/T4.1/index.html


パビリオン紹介:長久手愛知県館・瀬戸愛知県館

 愛・地球博ホスト県である愛知は、この万博を新たな時代の地域づくりにつなげる「未来へのエンジン」と位置付け、世界が直面する環境課題に対して、地域の視点から解決をめざす「エコ・コミュニティ」を提案し、長久手、瀬戸の両会場に、その特徴を生かした2つのパビリオンを出展する。「長久手愛知県館」、「瀬戸愛知県館」である。

 「長久手愛知県館」は、愛知伝統文化の象徴である山車(だし)をモチーフにした和風のデザインのパビリオン。テーマは「環業革命への力」。環業革命とは、環境を基軸とした産業革命を意味する愛知県館の総合プロデューサー山根一眞氏による造語。愛知が誇る伝統の技と先端技術で、環境保護を柱とした新しい産業の仕組みを発信しようというものだ。

 パビリオン屋上に設置されたウエルカムモニュメントは、高さ18メートルの動く3本の鉄塔とその中央の巨大提灯型ステージで、「唐子」が「指南車」を曳きながらダイナミックな離れ業を披露する「踊る指南鉄塔」。最先端の産業技術と愛知モノづくりの原点である伝統的な「からくり」とを融合させたモニュメントだ。


 パビリオンの中の舞台では、「地球タイヘン大講演会」のパフォーマンスが、1日約20回、会期中に3,000回上演される。地球の温暖化に警鐘を鳴らす科学者「江古野守(えこのまもる)」博士と、温暖化現象によって5,300年の眠りから覚め、現代の環境の激変ぶりに驚いた冷凍ミイラ「アイスマン」が、観客に地球温暖化のメッセージを送るという筋立のものだ。上演時間は20分。

 続く「モノづくりギャラリー」では、江戸期から近未来までの愛知のモノづくりの系譜そして未来を、幅25メートル、高さ7メートルの黄金色の大絵巻で表現する。

 また、大絵巻の下ののぞき穴からは地球環境の未来を担うクリーンエネルギーをかいま見ることができる。


 「瀬戸愛知館」のテーマは「森の鼓動と呼吸~かつてない自然発見の場~」。瀬戸会場の「海上の森(かいしょのもり)」の豊かな緑に囲まれて、人と自然とのつながりを体感できるパビリオンだ。

 建物は、起伏のある土地の形状に合わせた三層構造となっており、入館すると、順に下に降りながら観覧する空間構成となっている。

 まず、「森の書斎」。ここでは、江戸時代(1603~1867)に描かれた博物図鑑から愛知県内の動植物が選ばれ、壁面一杯に図画が展示されている。

 そして、「森の劇場」へ。「海上の森」の四季の表情や生物の姿を2年間に亙って記録し続けた迫力のある特殊映像と最新のデジタル音声によって、不思議な虫の世界や次々と姿を変える森の表情、これまでに聞いたこともない森の奏でる様々な音が、ドラマチックに来場者を包み込む体感シアターだ。

 劇場を出ると、愛知県内の1万人の子供たちが、自然素材やリサイクル素材などを使って、身近な昆虫などを工作したものが展示される「森の回廊」へ。さらに進むと、光と音のファンタジックな空間である「森の繭」。ここでは、約100年前に絶滅したニホンオオカミをはじめ、愛知県の絶滅哺乳類3体の剥製が静かに佇む。

 「瀬戸愛知県館」では、すべての生き物が私たちの大切な仲間であることを感じさせてくれる。

Interview

ジョン・ケネディ氏(アイルランド) 愛・地球博 アイルランド政府代表

 アイルランドが過去に参加した万博は5回のみですが、そのうちの3回は日本で開催されたものです。日本での万博は、必ず成功することが分かっていますから、確信を持って参加できるのです。こういう大イベントを組織することに関して、日本には素晴らしい実績があると思います。万博の開催に日本は意欲的に取り組んでくれる、政府レベルでも地方自治体レベルでも素晴らしい対応をしてくれる、という確信が持てるのです。

 愛・地球博のテーマである「自然の叡智」は、多様性という面に最もよく反映されていると思います。出展する各国パビリオンや企業パビリオンの展示内容を聞かせてもらうなかでも、絶大なる自然の多様性を取り上げているパビリオンに大いに興味を持ちました。21世紀初の万博として、愛・地球博は今後の万博のあり方を示す好例になるでしょう。もともとの万博の目的は、商業活動を活発にすることにありましたが、万博が商業的利益に関与する時代は終わりました。今回の万博は、国際社会共通のテーマのもとに、世界各国が情報や意見を交換する場を創り出すという未来型の万博への一歩になると思います。合意による解決や団結した行動が必要だとの認識が高まり行く時代が到来したということなのでしょう。

 万博には3つのレベルがあります。まず、公式の政府代表や世界からの出展者というレベルで、それぞれが提示された万博のテーマに沿った展示をするためにきちんと配慮をすることです。次に、今回は約1,500万人の来場者が見込まれていますが、その来場者が楽しく活気のある催しを通してメッセージを受け取り、これが活発な議論を呼ぶことが望まれます。そして最後に、メディアの存在も不可欠です。多くのメディアが愛・地球博に強い関心を持ち、会場に来られない人たちにも万博のメッセージを一緒に考えてもらえるように、この万博について広く報じていただきたいと願っています。

 アイルランドは比較的人口密度が低く、緑の多い国です。私たちの文化・伝統は、自然に根ざしていますし、音楽や絵画、彫刻、そして、生活の様々な場面に「人生の“わざ”と智恵」が根づいています。アイルランド館では、歴史的建造物や音楽、美術を通して、我が国の文化的遺産を楽しんでいただこうと思っています。是非、お出でになってください。