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「万博アメダス」及び「万博エコクラブ」の本格運用開始について~愛・地球博会場の環境情報を広くインターネットで公開~

(財)2005年日本国際博覧会協会は、環境に配慮して作られた会場そのものの環境特性をきめ細かく計測し、広く皆様にわかりやすくお伝えすることを目的とした「環境データ観測表示システム(愛称:万博アメダス)」、及び、インターネットを通じてこの万博アメダス情報や博覧会での環境配慮、循環型社会の取組を紹介する「万博エコクラブ」を構築し、このたび本格運用を開始しましたのでお知らせします。

環境データ観測表示システム(万博アメダス)

1.計測概要

  • 測定項目:温度、地表面温度、湿度、日射量、雨量、風向、風速、CO2濃度
  • 測定地点:長久手会場内 19箇所(CO2濃度のみ3箇所)
    地表面の状態や、森林の有無、水面などの微気象に影響する要因に着目して、様々な条件の測定地点を選定しました。
  • システムの特徴
    省電力無線センサー端末による観測網を構築。測定データを10分毎に自動的に収集し、インターネットを介してリアルタイムに公開します。このような、無線センサーネットワークによる環境モニタリングシステムとしては、国内最大規模の実施例となります。
    なお、各観測地点や中継センサー端末はCO2計測機器をのぞき、全て太陽光発電により稼動しています。

2.測定結果の公表

万博アメダスの測定結果は、以下にご紹介するホームページ「万博エコクラブ」の中のコンテンツ「万博をはかろう」を使って公表しています。

万博エコクラブ

1.掲載概要

愛・地球博での環境配慮、環境技術、環境配慮の効果などをわかりやすくお伝えするホームページ( http://ecoclub.expo2005.or.jp )です。メインユーザーを小学校高学年~中学生と想定して作成しています。主な内容は以下のとおりです。

  1. 森林の機能紹介
    • 森林が会場を冷やす効果などを、万博アメダスのデータを用いて紹介します。
    • CO2濃度の変化などから、森林の光合成の様子などが学べます。
  2. 環境先進技術などの紹介
    • バイオラング、透水性路面、ドライミストなど、ヒートアイランド現象の緩和にも有効な先進的な取り組みを紹介し、その効果を万博アメダスのデータを用いて今後紹介していきます。
    • 会場内の様々な地表面の違いと地表面温度の関係や、場所による快適さの違いなどを、万博アメダスのデータをもとに紹介しながら、自然に近い条件ほど環境を緩和する効果があることなどを紹介していきます。
    • 夏に実施が予定されている打ち水イベントの効果なども実測して紹介する予定です。
  3. 環境学習素材の提供
    万博アメダスの会場内19箇所の全測定データを用いて自由にグラフが書けるなど、万博アメダスを小中学校での環境学習や夏休みの宿題などに自由に活用できるページ「万博をはかろう」を用意しました。
  4. 自然環境に配慮するために行った様々な取り組みを紹介します。
  5. 会場周辺の動植物の生態や季節による表情などを紹介していきます。

2.万博エコクラブへのアクセス方法

アドレスは以下のとおりです。

愛・地球博の公式ウェブサイト( http://www.expo2005.or.jp )のトップページのなかの「環境関連リンク」よりもアクセスできます。

関係者のコメント

万博アメダス構築に当たって、多大なご指導、ご協力をいただいた先生方のコメントを紹介します。

  • 九州大学大学院 人間環境学研究院 高口洋人 特任助教授
  • 工学院大学 建築都市デザイン学科 中島裕輔 専任講師
    「ヒートアイランド現象は、冷房・自動車からの排熱や建物・道路に蓄積された熱によって都市部の気温が上昇する現象を言います。都市化には避けられない問題といえますが、舗装や建物外装の工夫、緑地の確保などにより改善できることがわかっています。愛・地球博の会場でも、自然系の舗装やウッドデッキの採用など様々な工夫が施されています。万博アメダスによって、森林の保全をはじめこれらの工夫の効果を検証するとともに、多くの人々に認知されることによって、環境への意識が高まることを期待しています。
    また本システムは、技術的にも地域・都市レベルの環境計測ネットワークの活用可能性を探る試みでもあります。技術的な紹介や計測データの環境教育教材としての活用方法などは、我々のホームページでも順次紹介していく予定です。」
  • 国立環境研究所地球環境研究センター 井上 元 統括研究管理官
    「会場内のCO2濃度(国立環境研究所のデータ)を見ますと、夜間風が無いときには、二酸化炭素が地表面付近に蓄積され比較的高濃度となっている様子が観測されています。一方、日中で日射がある日には、まだ早春で気温が低く木々も芽吹いていませんが、常緑樹の光合成による二酸化炭素の吸収や大気の鉛直混合による希釈の影響を反映し、二酸化炭素濃度が低くなっている様子が観測されています。このように1日の中での二酸化炭素濃度の変化が観測され始めました。今後、観測を進めるにつれ、二酸化炭素濃度の日変動だけでなく、季節による違いも明らかになっていくことと期待されます。」

添付資料

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