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海上の森の保全・活用に関する提言

2000年4月6日
2005年日本国際博覧会協会 環境PT

1. 愛知県、博覧会協会、通産省の合意により「海上の森の博覧会事業及び地域整備の基本方向」が提示されたことを受け、環境PTとしては、南地区の会場整備に際しての環境負荷の最小化や海上の森との調和に向けて具体的な提案を行う。例えば、吉田川流域の生物生息環境の保全、海上の森の間伐材を利用した展示施設の建設、アクセス道路・展示施設建設後の造成面等の環境修復などについて提案する。

2. また、海上の森全域が「自然の叡智」のテーマを具現化するにふさわしいフィールドであることに鑑み、博覧会会場となる南地区以外の海上の森についても、里山の二次的自然を保全・活用するための具体的方策を提案する。例えば、里山を維持する新しい仕組みづくり、市民参加による里山管理、休耕田の復活による田園景観の再生、里山バイオマスの利活用、環境モニタリング施設の建設、小規模な環境教育施設の建設などが考えられる。

3. 海上の森での会場の縮小に伴い、北地区の整備と関連づけて検討されていた水平回廊等の森林体感地区の整備計画を見直し、南地区を中心とする森林体感地区の整備を、南地区のアクセス道路・展示施設の建設と関連づけながら再検討する。その際、コナラ林や古窯群の分布等に配慮しつつ、多数の入場者が海上の森の自然と触れあえるように工夫し、かつ自然への負荷を最小化した森林体感地区の整備を目指す。

4. 「海上の森の博覧会事業及び地域整備の基本的方向」が示されるにいたったこの間の経緯をふまえ、海上の森における会場整備、運営計画、将来の地域整備、及び会場に含まれない海上の森の保全・活用については、地元関係者、自然保護団体、有識者等と十分協議しつつ、その具体化を進めていく必要がある。環境 PT は、会場計画PT等と連携をより強め、より多くの人々に祝福される博覧会の開催に向けて努力する。