~EXPO 2005 AICHI開幕5年前記念~
ハノーバー国際博覧会 日本館展示物
「Lantern Car"螢"」完成発表会について
財団法人2005年日本国際博覧会協会では、博覧会開幕5年前にあたる平成12年3月25日、「和紙で包まれた電気自動車」(名称「Lantern Car"螢"」)の完成を記念して、報道関係のみなさまに初公開いたしました。
これは、本年6月1日よりドイツ連邦共和国ハノーバー市で開催される「ハノーバー国際博覧会」の日本館パビリオン内で、次期開催博である2005年日本国際博覧会(EXPO 2005 AICHI)のPRコーナーに展示されるもので、世界でも例のない極めてユニークな作品となっています。
当日は、本企画の発案者であり、アートワークスを手がけられた版画家・山本容子氏によるペインティングやデモンストレーション(試走)、また、和紙制作や照明設計、車体制作など制作関係者による「トークセッション」などが行われました。
■和紙自動車「Lantern Car"螢"」世界に先駆け初公開 !
天然の和紙で包まれたボディ、内側全体から灯るつつましい光…
○開催主旨
山本 容子
Photo by:
Kunihiko Takaoka
版画家の山本容子氏が、約1年の歳月をかけて完成させた和紙自動車「Lantern Car"螢"」が、ついに公開の運びとなりました。1000年以上の伝統を持つ和紙と、最先端の照明技術、ゼロエミッション・ビークルとしての電気自動車、そして、大勢の人間の技と山本容子氏の独創力によって産み出されたこの作品は、「EXPO 2005 AICHI」のテーマである「自然の叡智」を具現化すべく 制作されたものです。「Lantern Car"螢"」を実現させるためには、数多くの才能あふれる人々の技が注がれました。
車全体を柔らかく包み込む和紙は、「大阪城天守閣」や「成田空港第一旅客ターミナル到着ロビー」など数多くの建築空間を和紙のアートワークで手がけている堀木エリ子氏が、厳冬の福井県武生(たけふ)の工房で、楮(こうぞ)の樹皮を原料に、手作業で丹念に漉き重ねながら制作したものです。自動車全体の内部から灯る光は、スミソニアン博物館やニューヨーク近代美術館などの斬新な照明計画で知られているライティング・アーキテクトの豊久将三氏が、オプティカル・ファイバーという最先端の照明技術を駆使することによって実現させたものです。車体は「RAV4」を原型モデルにした電気自動車で、モーターショウ出品車の製作やソーラーカーの開発など、これまで「夢のクルマ」を数多く形にしてきたトヨタテクノクラフト(株)の技術協力のもとに製作されました。
「Lantern Car"螢"」は、「自然環境との新しい関係作り」を模索する灯火です。本年6月1日より開催される「ハノーバー国際博覧会」の数ある展示物の中でも、最大級の話題を提供することでしょう。
○名 称
~EXPO 2005 AICHI開幕5年前記念~
ハノーバー国際博覧会日本館展示物「Lantern Car"螢"」
完成発表会
○主 催 者
(財)2005年日本国際博覧会協会
○日 時
平成12年3月25日(土)18:30~21:00
○場 所
トヨタシティショウケース MEGA WEB 2F
東京都江東区青海1丁目 パレットタウン内
○当日式次第
18:00~ 受付開始
18:30~ 開会式
18:35~ 主催者挨拶/(財)2005年日本国際博覧会協会事務総長:黒田 眞
18:40~ オープニング・パフォーマンス
<除 幕>
18:45~ <「Lantern Car"螢"」の最終ペインティング(山本容子氏)>
18:50~ <「Lantern Car"螢"」点灯>
18:55~ トークセッション
出演者:
山本容子氏(版画家)~アートワークス~
堀木エリ子氏(和紙ディレクター)~和紙制作~
豊久将三氏(ライティング・アーキテクト)~照明設計~
小原敏夫氏(トヨタテクノクラフト(株)営業推進室主担当員)~車体製作~
紺筑・伽一: 残間里江子氏(プロデューサー)~当協会デザイン専門委員~
(順不同)
19:55~ デモンストレーション<山本容子氏が運転し、「Lantern Car "螢"」を試走>
20:00~ 撮影会、立食パーティー
21:00 終演
○当日参加者
博覧会関係者、報道関係者、当日「MEGA WEB」来場者などが"蛍"誕生に立ち会いました。
○トークセッション出演者プロフィル
<山本容子氏>
版画家。1952年埼玉県浦和市生まれ、大阪育ち。1978年京都市立芸術大学西洋画専攻科修了。抜群の構成力と印象的な色使いで、洒脱で洗練された雰囲気をもつ独自の銅版画の世界を確立。アートをもっと身近に感じてほしいと願い、書店もひとつのギャラリーであるという発想のもとに、話題となった吉本ばなな『TUGUMI』、集英社『世界の文学』をはじめ、数多くの書籍の装丁、挿画を手がける。また、油絵や水彩、エッセイ集、絵本を発表するほか、アクセサリーから壁画まで幅広い創作活動を展開している。
<堀木エリ子氏>
SHIMUS代表。和紙ディレクター。1962年京都生まれ。1987年「建築空間に生きる和紙造形の創造」をテーマにSHIMUSを設立。建築、インテリア素材としてのオリジナル和紙の企画、和紙インテリアアートの製作から施工までを手がける。近年の作品は、「大阪城天守閣」、「グランヴィア京都ラ・フルール」、「成田空港第1旅客ターミナル到着ロビー」のアートワーク等。また、1999年は「ヨーヨーマ・シルクロードプロジェクト」舞台芸術(N.Yカーネギーホール)を手がけ大きな話題となった。
<豊久将三氏>
ライティング・アーキテクト。1984年国立豊橋技術科学大学 物質工学修士課程修了。1990年(株)キルトプランニングオフィス設立(照明計画)。1998年SGF ASSOCIATE INC.(N.Y.)設立(照明計画)。スミソニアン博物館やニューヨーク近代美術館などの斬新な照明計画で知られており、近年では国立国会図書館・関西館の全体照明計画も手がけている。1999年ニューヨーク・アートディ激Nターズ・クラブADC賞銀賞受賞。
<小原敏夫氏>
トヨタテクノクラフト(株)営業推進室主担当員。1960年東京・町田市生まれ。1983年玉川大学工学部機械工学科卒業。同年4月(株)トヨペットサービスセンター(現・トヨタテクノクラフト(株))に入社、横浜工場開発室でモータショウ出品車やラリー車のボデー開発を手がける。1993年トヨタ自動車のソーラーカー「トヨタ56」開発に参加、豪州で行われた「第3回ワールド・ソーラー・チャレンジ(W・S・C)」6位入賞。RV車やスポーツユースのカスタムカー開発などを経て、現在は全社の営業推進業務、新商品の企画開発を担当。
トヨタテクノクラフト(株)について
1954年の創業以来トヨタグループの「夢工場」として変わらぬ支持を集めている。①高い技術と経験で信頼できるサービスを提供する整備部門②多種多様な特装車の開発・生産や、モーターショウに出品する夢のクルマを創る車両開発部門③スポーツパーツの開発・生産のほか、ルマン参戦のグループCカーや国内GTレースカーの開発に携り、トヨタモータースポーツのアジア拠点でもあるTRD、の3部門で構成される。特に今回、Lantern Car"螢"を製作した車両開発部は長年にわたって培った高い技術で、社会に役立つ夢のあるクルマを造り続けている。
<残間里江子氏>
プロデューサー、エッセイスト。1950年仙台市生まれ。明治大学短期大学法律科卒業後、静岡放送制作部アナウンス課を経て、『女性自身』編集部に勤務。1980年企画制作会社設立。出版、映像、文化イベントのプランニング・プロデュースを手がける一方、企業のコミュニケーション戦略やPR戦略、全国各地の地域振興計画や施設計画の策定にも携わっている。(財)2005年日本国際博覧会協会デザイン専門委員。