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地球温暖化に対する取り組み 三菱未来館@earth、マダガスカルの熱帯雨林保全事業をカーボン・オフセットに採用

三菱未来館@earthでは、パビリオン建設中及び万博開催中に発生する二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出をオフセット(相殺)するために、マダガスカル国北部の熱帯雨林保全活動への財政的支援を実施することと致しました。マダガスカル北部に位置するマキラ地域の森林の一部を保全することにより、森林に蓄積された炭素がCO2として大気中に放出されることを抑制するだけでなく、同地域に生息する動植物種の保全と、地元コミュニティによる持続可能な活動の実施を支援します。カーボン・オフセットは、マダガスカル政府にその開発とマーケティングを委託された国際環境NGO・コンサベーション・インターナショナル(CI、本部:米国ワシントンD.C.)及びワイルドライフ・コンサベーション・ソサイエティ(WCS、本部:米国ニューヨーク)より、ナットソース・ジャパン株式会社(本社:東京都中央区)を介して購入するものです。

森林、特に開発にさらされない原生林は、その枝や幹・土壌に大量の炭素を貯蔵しています。森林の焼失・伐採に伴い、貯蔵された炭素は大気中に温室効果ガスであるCO2として放出されることになり、地球温暖化の原因となります。世界の森林消失による温室効果ガスの排出量は、人為的な排出量全体の約20%に及んでいることから、原生林を保全していくことは生物多様性の保全というだけではなく、気候変動の軽減という面からも大変重要な意味を持っています。

マダガスカル島は、生物多様性が豊かでありながら破壊の危機に瀕する世界34ヶ所の「生物多様性ホットスポット」のうち、最も価値の高い地域の一つとされています。生物多様性ホットスポットとは、陸上の生物種の60%以上が集中する、地球の地表面積のわずか1.4%の地域ですが、このうち既に70%の生息環境が失われ、残存地域もさらなる開発の危機に瀕しています。マダガスカルには22の科に属する現地固有の動植物種が生息していますが、これらの種の主な生息域である原生林は、既に90%消失している状況です。

約35万ヘクタールに及ぶマキラ森林地域は、マダガスカル島に残存する原生林の中でも最も広い森林地域のひとつであり、生物種の多様性はマダガスカル島内でも傑出しています。絶滅危惧種であるマダガスカルヘビワシ(Eutriorchis astur)や、アカエリマキキツネザル(Varecia variegata rubra)、Silky sifaka(日本語名不明)(Propithecus diadema candidus)など、マダガスカル島固有のキツネザル種が少なくとも2種類生息しています。マキラ地域の森林消失の主要な原因は、焼畑農業や野火、採鉱事業などであり、このマキラ森林保全プロジェクトは、森林破壊と生物種の絶滅を防ぐとともに、地元コミュニティのもはや持続的でない焼畑農業に替わる持続的生計手段の開発と提供を目的としています。

以上

添付資料