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「2005年日本国際博覧会」(愛・地球博)日立グループ館の詳細実施計画について Mixed Reality(複合現実感)を使用した「ユビキタス・エンターテインメント・ライド」

2004年11月11日

2004-208

日立グループは、2005年3月25日~9月25日まで名古屋東部丘陵(愛知県長久手町、豊田市、瀬戸市)で開催される「2005年日本国際博覧会」(愛・地球博)に出展する「Nature Contact 日立グループ館 ユビキタス・エンターテインメント・ライド」(以下、日立グループ館)の詳細実施計画をまとめました。

日立グループ館では、愛・地球博のメインテーマである「自然の叡智」(自然が有している素晴らしいしくみ、生命の力)と日立グループが目指す「最先端のITによるユビキタス社会の実現」というコンセプトに沿って、人間と全ての生き物が共存するための方向性について発信します。

アトラクションは、「Nature Contact~日立のITで蘇る希少動物達とのふれあい~」を出展テーマとした、プレショー、メインショー、ポストショーの3部構成で、来場者が希少動物とふれあうことができるユビキタス体験ゾーンとなっています。
このうち、メインショーである「ユビキタス・エンターテインメント・ライド」では、国際自然保護連合(IUCN)が世界規模で絶滅のおそれのある種を選定した「レッドリスト」に該当する動物を、Mixed Reality(複合現実感、以下、MR)(*1)を使用して映像とジオラマでリアルに再現し、あたかもそれらの動物とふれあっているかのような体験ができる「未来のユビキタス体験」を提供します。来場者は、ライドに乗車して5つのシーンを回り、それぞれのシーンにおいて、希少動物の生息する環境をリアルに再現したジオラマと、Computer Graphics(以下、CG)で再現された動物がリアルタイムで融合したMRにより、かつて経験したことのない不思議な驚きと感動を体験することができます。

また、株式会社 日立製作所(以下、日立)が開発した超小型非接触ICチップ「ミューチップ」(以下、ミューチップ)が組み込まれた入場券と連動して、受付で入場券のIDと来場者の名前や顔写真を一致させることにより、来場者は一人ひとりに合わせたエンターテインメントを体験することができます。ミューチップを使ったサービスは、プレショーやポストショーにおいてもトータルサービスとして提供します。(*2)

日立グループ館の「ユビキタス・エンターテインメント・ライド」は、来場者一人ひとりに合わせた演出で、かつ双方向性を有した、21世紀型のエンターテインメントです。
日立グループ館では、希少動物との出会いという貴重な体験を通じて、来場者に自然の大切さや素晴らしさを理解していただき、人間と全ての生き物との共生を願う心を養っていただくとともに、日立グループが目指す「最先端ITによるユビキタス情報社会の実現」により、近未来のエンターテインメントを体験していただくことを狙いとしています。

なお、環境への配慮については、パビリオンの内外で使用するモバイル機器向け燃料電池や両面受光太陽電池など、21世紀に求められる新エネルギーシステムを適用するほか、建築物や展示物について3R(リデュース、リユース、リサイクル)を実践します。(*3)

(*1)Mixed Reality(複合現実感、MR)を駆使した「ユビキタス・エンターテインメント・ライド」について


MRとは、CGで表現された仮想世界と現実の情景(現実空間)をリアルタイムで継ぎ目なく融合させる、最先端の映像技術です。自分の意のままに立体映像が色々な角度から見える他、MRによってできた映像と来場者との間で双方向のやり取りもできるなど、今までの映像技術では不可能だった視覚効果が可能となります。
来場者はライドに乗車し、HHD(Hand Held Display)を通してジオラマを見ると、その現実の空間にリアルタイムでCGによって再現された希少動物が合成され、あたかもその場に希少動物が存在するように見えます。

(左)ジオラマ、(右)ジオラマ+MR

(左)ジオラマ、(右)ジオラマ+MR

(左)HHD(Hand Held Display)、(中)ライド、(右)ライドに乗り、HHDを装着

(左)HHD(Hand Held Display)、(中)ライド、(右)ライドに乗り、HHDを装着

また、位置センサーによって来場者一人ひとりの位置が特定されることにより、HHDをのぞき込む角度によって見え方が異なるなど、一人ひとり違った演出が楽しめます。

(左)正面から見たシーン、(右)横から見たシーン

(左)正面から見たシーン、(右)横から見たシーン

さらに、MRの最大の特徴として、リアルタイムで現実空間にCGを合成することにより、双方向性のあるやり取りが可能であり、CGの希少動物が来場者の動きに反応するといった演出ができます。例えば、来場者がハンドセンサーをつけた手を動かすことでその手に動物が近寄って来たり、動物にえさを与えることができるといった体験をすることができます。

(左)双方向性のあるやり取り、(右)ハンドセンサー

(左)双方向性のあるやり取り、(右)ハンドセンサー

(*2)ミューチップを使ったサービスについて

パビリオンでは、日立が開発し、愛・地球博の入場券に採用されたミューチップを使った各種サービスを随所に盛り込み、来場者一人ひとりの嗜好に合わせたサービスを提供します。

プレショー

ミューチップリーダが搭載された情報表示端末「Nature Viewer」とミューチップが組み込まれた展示物を使って、希少動物の映像コンテンツを閲覧することができます。

メインショー

受付にて入場券のIDと来場者の名前や顔写真を一致させることにより、ショーの最中で来場者一人ひとりに名前を呼びかけたり、映像の中に来場者の顔写真を浮かび上がらせたりするなど、一人ひとりに合わせたエンターテインメントが体験できます。

ポストショー

メインショーのライドを降車した後のポストショーエリアにおいて、ミューチップリーダに入場券をかざすことで、自分がメインショーを体験している最中の、希少動物との記念写真をプラズマディスプレイ上で見ることができます。

WEBサイト

来場後、自宅等のPCからインターネット経由で日立グループ館WEBサイトへアクセスし、入場券の券番号を入力すると、ポストショーで見た画像を閲覧、入手することができます。

(*3)環境への配慮について

プレショーにおいては日立グループの技術力を集積した情報表示端末「Nature Viewer」の電源としてモバイル機器向け燃料電池を活用し、ユビキタス情報社会を支えていく次世代エネルギーをいち早く取り入れます。また、会場外部のウェイティングスペースには、日立グループが開発した両面受光太陽電池を設置し、クリーンエネルギーである太陽光によって発電された電力をパビリオンの一部へ供給します。両面受光太陽電池は、受光日射をセルの表および裏の両面から、より効率よく電気出力に変換できるもので、同条件において従来の片面受光太陽電池に比べ、約1.3倍の年間発電量が得られます。また垂直設置した両面受光太陽電池は設置方位に関わらず一定の発電量を得ることができます。そのため、設置面積が少なく、また、雪、砂塵、鳥糞等により遮光される可能性が低いだけではなく、雪、砂面が背景になる場合には、そこからの反射光を効果的に利用することができます。

このほか、地球環境問題に対応し、コンクリート・アスファルト・木材・鉄の4品目については再資源化率100%、全建材の再資源化率については95%以上、その他廃棄物の発生抑制や設備機器の再利用を通して3R(リデュース、リユース、リサイクル)を徹底的に実践するなど、地球規模で進む環境問題に対する解決の方向性についても発信していきます。

以上