平成8年9月、松阪市飯南町の粥見井尻遺跡で縄文時代草創期の土偶が、ほぼ完全な形で発見されました。今から時代をさかのぼること約1万2千年から9千年。土器や弓矢が使われ始めた縄文時代草創期のもので日本最古のものとみられています。女性の上半身を形どった、全長6.8cm、幅4.2cm、厚さ2.6cmの小さな土偶ですが、縄文時代の精神文化誕生をひもとき、その時代の人々の暮し、 社会の様子などを解明していく上で大きなヒントになるものと全国から注目されました。このほか粥見井尻遺跡では、竪穴住居跡などの遺溝とともに、矢柄研磨器や隆線文土器片など縄文時代草創期を特徴づける遺物が発掘されました。県史・2000/06/19(H12)・国土交通省・三重県