見る　‐パビリオン案内‐

池のほとりに立つ、小さな住宅。丁寧に手入れされた庭には、季節の草花が咲いています。石の門にはめ込まれた木の表札には、雨風に打たれ薄くなった文字で書かれた「草壁」の文字が……。

ここは、たくさんの人たちに愛され続けるアニメーション映画「となりのトトロ」の主人公一家が住む家です。舞台は昭和30年代、赤い三角屋根の洋間と、土間のある木造家屋がつながっています。当時としては珍しい外観だったのかもしれません。

来館者は、草壁家に招かれたかのように家に上がることができます。洋室と2階以外の部屋では、自由に押し入れを開け、中の物に触ることもできます。住む人のぬくもりまで感じるようなすり減った畳、今夜の夕食の用意が今にも始まりそうな土間の台所など、生活感にあふれています。

「家の中の物にも、どんどん触ってもらいたいんです。来館者に体感してもらうのが、サツキとメイの家のテーマですから」とスタッフは話します。宝探しをするかのような、ワクワクしたひとときを過ごすことができます。

所要時間約30分、1日16回の入れ替え制で、事前観覧予約の当選者のみが入館できます。応募に外れても、展望台を設置した日本庭園観覧外周コースを散策して楽しめます。

【写真上】赤い三角屋根が目印の草壁家
【写真中左】玄関を開けると丸い明り取りが。何が見える？
【写真中右】押し入れにしまわれた絵本や、端切れで作ったお手玉
【写真下左】裏庭に置かれた自転車
【写真下右】きちんと整理された勉強机。傍らには赤いランドセルが置かれています