ユニークなデザインの屋根付き三輪自転車による「自転車タクシー」が、日本の大都市に登場し、新しい交通手段として話題を呼んでいます。愛・地球博の長久手会場でも、グローバル・ループ上を走る自転車タクシーの姿をあちこちで見かけます。排気ガスを一切出さない「究極のエコカー」である自転車タクシーは、「環境に優しい」ことはもちろん、ゆったりと風景を眺めながら移動を楽しめるところにも魅力を感じることができます。「自転車タクシー」は、近い将来、あなたの街にも“ゆとり”を与えてくれるかもしれません。
日本は自動車産業の発展国として大きな評価を得ていますが、一方で、排気ガスの排出量は多く、地球温暖化の原因として世界でも大きな問題として取り上げられています。自動車メーカー各社は二酸化炭素削減のため、ハイブリッドカーや電気自動車の開発を急いでいますが、京都議定書で定められた環境目標を達成するには、まだまだ努力が必要です。
世界では、自転車タクシーが各国で活躍しています。交通網が発達していないバングラデシュ・タイ・インド・中国などでは、毎日の交通渋滞が社会問題となっている中で、するりと移動する自転車タクシーの存在が大きなものとなっています。「渋滞知らず、低額輸送」というメリットがある自転車タクシーですが、なんといってもそれ以上のメリットは「環境に優しい」という点です。 【写真1】
地球温暖化を防止するための国際条約。地球温暖化の原因となる二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスを減らすために、先進国に対して義務付けられた条約。2008年から2012年までの間に日本6%、米国7%、EU8%などの具体的な削減目標が掲げられている。
新しい交通手段の自転車タクシー。京都・大阪・名古屋など、全国10都市で活躍中!
日本でも2002年の京都に始まり、大阪、広島、名古屋などに、次々と自転車タクシーが出現しました。全長約3メートルの大きさで、大人2人と子ども1人が乗れる自転車タクシーは、時速約5キロメートルで乗客を輸送してくれます。観光客をメーンターゲットとし、主に市街地観光などに大きく貢献しています。現在、京都、大阪、名古屋をはじめ、10都市で営業運行しているベロタクシーの細尾さんに、反響を聞いてみました。
利用したほとんどのお客さんからは「乗っていて楽しい」と好評。自転車タクシーはもちろん排気ガスが出ることはなく、環境に優しい乗り物です。乗車してみれば分かりますが、時間の流れをゆっくりと感じることができ、街並みや周囲の景色をしっかりと見ることができます。心にゆとりができると、たくさんのことを感じる余裕が出てきます。そんな中から、町の違う一面を見たり、ひいては住んでいる地球や環境について思いを巡らせてみて下さい。
愛・地球博は、環境博とも呼ばれ「自然の叡智」をテーマに掲げ、人間と環境との共生をうたっています。そして、愛・地球博では、環境に優しい「自転車タクシー」が来場者の移動手段として活躍しています。自転車ですから、スピードは出ません。広大な会場の中をゆったりと観覧しながら目的地まで運んでくれます。長久手会場のグローバル・ループ上に4ヵ所の乗り場が設けられ、目的地まで快適に運んでくれます。それでは、自転車タクシーの愛・地球博での活躍をご覧ください。
愛・地球博では、民間4社により自転車タクシー事業が展開されています。
ブリヂストンサイクル製 定員2名+1名(補助シート)
ヤマハ発動機製 定員2名
ナショナル自転車工業製 定員2名
ベロタクシー(ドイツ製) 定員2名+子ども1名
ブリヂストンサイクル製 シートが高い位置に設定され、運転者に視界が遮られることがないので、180度の展望を楽しむことができます。運転席の横に補助シートが設置されており、大人3人の乗車が可能です。
ナショナル自転車工業製 高齢の方でも楽に乗り降りができるように、床面に低い位置に設定されています。デファレンシャルギアの搭載により走行安定性とスムーズな旋回性が体感できるでしょう。
ヤマハ発動機製 ハイブリッド自転車「PAS」の技術を採用、滑らかな走行と乗り心地が実現されています。ルーフ部には透明な素材を用い、開放感と自然との一体感を体全体で味わうことができるでしょう。
ベロタクシー製 1997年にベルリンで誕生し、2002年から日本でも営業運行されています。かわいいデザインと乗り心地のよさが追及されています。ボディは100%リサイクル可能なポリエチレン製で、軽荷物用スペースが設けられています。
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