愛・地球博は、21世紀型の素晴らしい旅立ちをしたと思うんですよ。つまり科学文明や経済だけの万博ではなくて、暮らし中に根付いた文化を大切にする万博へと。それは「物とお金じゃなくて、心が大事なんだ」という気持ちの表明だろうと思います。そして、心はふるさとが作るものなんです。
「地域の日」の1dayプロデューサーの話をいただいたとき、「町おこしのイベントはやりませんよ」と言ったんです。町をおこすと、その半面、必ず壊すんですよ。今まで日本中のふるさとが観光の商品となり、ずいぶん壊されてきました。ですからそれよりも、地域から発信する文化を見てほしいと思ったんです。「そこにある、そこにしかないもの」を守って残して伝えていくことが大切だと。
こういう考えに賛同していただき、地域の皆さんも積極的に参加してくださったので、楽しく、うれしい出会いをたくさんしています。
科学技術や経済は中央に集めて品評会ができる。それがまさに20世紀型の万博です。文化は集められない。そこに行かなければない。例えば「ありあわせですけれど」といって出されるその土地のものが、実は一番おいしいんですよね。そこで暮らす方たちが普段着で、土地の言葉で迎えてくれるのが旅の面白さでしょ。そういう文化を大切にすることが、これからは必要だと思います。
Windows Media Player 9ファイル(マーク付)をご覧頂くには、Microsoft社のWindows
Media Player 9以降が必要になります。最新のWindows Media PlayerはMicrosoft社のサイトより無
料でダウンロード可能です。