21世紀になってグローバリゼーションが叫ばれるようになり、世界中が活発に交流している中、日本人はこれからどうして行くべきかを考えるのが「知の対話」の狙いです。いわゆる文化・芸術だけでなく、日本人の生き方全般について考えなければならないと思います。
愛知万博で「自然の叡智」というテーマを取り上げたのは面白いですね。これまでの万博は科学技術の進歩を見せてきましたが、今回は最新技術を使って自然や命の大切さを伝えるなど、自然のすごさと科学技術のすごさが融合しています。
自然と文化は、非常に密接に関わっています。例えば、砂漠に住むのと四季のある国に住むのとでは、世界観が根本的に変わります。砂漠の厳しい環境下では死の危険がありますが、春夏秋冬がめぐる日本には、豊かさや楽観性、多様性、輪廻(りんね)があると思いますね。日本の各地に、地勢や気候をうまく利用した独自の文化が築かれているのは、そのためです。
これまで、日本人は「世界に追いつけ追い越せ」で、スタンダード(世界標準)にこだわりすぎました。そろそろ日本人も生き方を変え、それぞれが持つ独自のすばらしさに気づき、個性を尊重しつつ人間同士、あるいは人間と自然が共生するという、いい意味での個人主義に目を向けていく時期ではないでしょうか。
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