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スペシャルインタビュー

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かわい・はやお
1928年兵庫県生まれ。臨床心理学者で、現職は文化庁長官。日本人として初めてユング派精神分析家の資格を取得した。各国の昔話の比較研究や日本文化論等を臨床心理学の立場から数多く発表。愛・地球博のトークイベント「知の対話~日本文化はどこへいくのか」でホスト役を務め、日本を代表する5人の女性文化人をゲストに迎えて対話を繰り広げる。

個性を尊重しつつ共存する道を考えよう
「知の対話」ホスト 河合隼雄さん

 21世紀になってグローバリゼーションが叫ばれるようになり、世界中が活発に交流している中、日本人はこれからどうして行くべきかを考えるのが「知の対話」の狙いです。いわゆる文化・芸術だけでなく、日本人の生き方全般について考えなければならないと思います。

 愛知万博で「自然の叡智」というテーマを取り上げたのは面白いですね。これまでの万博は科学技術の進歩を見せてきましたが、今回は最新技術を使って自然や命の大切さを伝えるなど、自然のすごさと科学技術のすごさが融合しています。

 自然と文化は、非常に密接に関わっています。例えば、砂漠に住むのと四季のある国に住むのとでは、世界観が根本的に変わります。砂漠の厳しい環境下では死の危険がありますが、春夏秋冬がめぐる日本には、豊かさや楽観性、多様性、輪廻(りんね)があると思いますね。日本の各地に、地勢や気候をうまく利用した独自の文化が築かれているのは、そのためです。

 これまで、日本人は「世界に追いつけ追い越せ」で、スタンダード(世界標準)にこだわりすぎました。そろそろ日本人も生き方を変え、それぞれが持つ独自のすばらしさに気づき、個性を尊重しつつ人間同士、あるいは人間と自然が共生するという、いい意味での個人主義に目を向けていく時期ではないでしょうか。

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