スペシャルインタビュー

いとい・しげさと　１９４８年、群馬県生まれ。コピーライター。テレビ番組などの司会、漫画原作、脚本やエッセーなど活動多彩。著作多数。１９９８年からインターネット上に開設したホームページ「ほぼ日刊イトイ新聞」（http://www.1101.com/index0.html）は、１日のアクセス数が３５万件を超える人気。愛・地球博では、人気の高い「サツキとメイの家」の名誉館長を務める。

「住んでいるヤツに会いたくなる家」

「サツキとメイの家」名誉館長　糸井重里さん

「サツキとメイの家」は、でき過ぎてますよ。こんなにできてると思わなかった。この家の台所は田舎っぽいですね。かまどが生きてますし。お風呂もありますし。これが（現代風へと）変化する時期の家なんじゃないかな。変わり目の時期の家だと思うんですね。井戸はあこがれですね。飲めませんって書いてあってもいいですね。自分の家に井戸があって水が出るなら最高ですね。

　子どもは（この家を）どう思うんでしょうか？　自分の子どもも大きくなっちゃったんですけど、不便なものって子どもは大好きですよね。自転車って自分でこがなきゃ進まない。自転車っぽい家だと思うんですね。自分で何かしないと機能してくれない。スイッチを押したから、何かできるわけじゃない。使わないと生きてくれない面白さを、家全体が持ってる気がしますね。

　小さいところをあら探しみたいに見てくれてかまわない。ここまで見るぞっていうお客さんの視線を想定してて、ここまで見るからここまで仕掛けておこうというところを山ほどつくっているんですよね。小さい女の子が駆け回っていたら、自分の家のような気がしますね。とにかく引き出しの中。引き出しの中に全員の思い出が必ず見つかります。ここにいるヤツに会いたくなります。