万博トピックス

文化庁長官の河合隼雄さんがさまざまな分野で活躍する女性をゲストに迎え、対談する「知の対話」。22日は最終回（全5回）で、日本人で初めて2度の宇宙飛行を経験した向井千秋さんを日本庭園の茶室「香流亭」に迎えました。

向井さんは「地球では『人間が物に力を加えること』が当然だと考えられますが、それは人間を基準に考えていた場合のこと。例えば、宇宙では力関係が逆転し、ドアノブをひねろうとすると、自分の体が回ります。それは『ドアが人間をひねっている』とも考えられますね」と話し、人間の感じ方が宇宙では絶対的ではなく、物事のとらえ方は一つだけではないことを主張しました。

また、向井さんが茶室を宇宙ステーションにも取り入れるプロジェクトが考案されていることに触れ「宇宙では、機械の音など騒々しい空間で過ごします。物事を能率的に行うためにはゆとりが必要なのです」と話すと、河合さんは、「無重力状態ですから、お茶の入れ方も難しいでしょ。宇宙では、これまでの作法を見直さなければなりませんね」と言い、観客の笑いを誘いました。（6月22日）