【写真上】グローバル・ハウスに展示中のユカギルマンモス
【写真下】ユカギルマンモスのミトコンドリアDNAの全配列解読に成功し、記者会見する名古屋大学大学院環境学研究科の小澤智生教授(中央)
博覧会協会が17日、愛・地球博会場内で記者会見を行い、国際共同研究プロジェクトが「ユカギルマンモス」のミトコンドリアDNAの全配列解読に成功したことを発表しました。
博覧会協会が支援し、名古屋大学大学院環境学研究科の小澤智生教授とロシア連邦サハ共和国の北方応用環境研究所およびヤクート科学センターが共同して、ことし3月から6月までおよそ3カ月にわたり研究が行われました。
DNA分析に使ったのは、グローバル・ハウスに展示されているユカギルマンモスの筋肉や皮膚、大脳の一部で、中でもあごを支える筋肉が8グラムと多く使用されました。
遺伝情報を担っている、ミトコンドリアDNAの塩基配列は、現生生物と化石となった生物の系統関係を調べる際に広く使われます。これまでの研究からは、はっきりとしたゾウ科の系統関係が分かりませんでしたが今回、全配列解読に成功したことで、マンモスとアジアゾウが、マンモスとアフリカゾウよりも近縁関係にあるということが分かりました。
この研究結果を詳しく紹介するマンモスこどもセミナーが18日午前10時半から、シンポジウムが午後1時から、いずれも長久手会場のロータリー館ホールで開かれます。シンポジウムには一般来場者席もあります。(6月17日)