愛・地球博会場内に咲くかれんな花々……。センターゾーンのはす池のほとりにも、エノテラやアゲラタムといった、初夏の花が咲いていますが、その中に、ひときわりりしく、そして大きく咲き誇るカキツバタがあります。
ここにある1000株のカキツバタは、数奇なストーリーの持ち主。なんと、終戦直後から60年の歳月を生き抜いてきているのです。
これらは愛・地球博の開催にあたり、一宮市の今井薫さん(87)から博覧会協会に寄付されたものです。今井さんは、1946年に戦地から帰国した際、自宅のがれきのすき間から1株のカキツバタが顔を出しているのを発見。その花の姿を亡くなった戦友と重ね合わせ、戦後の食糧難時代にも、惜しまずカキツバタの育成に情熱を注ぎました。何度も株分けをし、60年の間大事に育ててきたカキツバタはいまでは数千株にも及びます。
「愛知県の県花であるカキツバタを、万博に訪れる人にも見てほしい」。そんな思いが込められた1000株のカキツバタは、5月上旬から花が咲き始め、会場内で順次、美しい花を咲かせています。 見ごろは6月上旬あたりまで。(5月19日)
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