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環境影響評価について

環境影響評価

「環境影響評価」は「環境アセスメント」とも言います。
緑豊かな自然、きれいな空気や水、騒音のない静かな環境、といった豊かな環境を将来に引き継いでいくことは私達に課せられた重要な義務です。
人が豊かな暮らしをするためには、交通の便を良くするために道路や空港を作る事、水を利用する為にダムを作る事、生活に必要な電気を得る為に発電所を作る事はいずれも必要な事ですが、いくら必要な開発事業であっても、環境に悪影響を与えてよいはずはありません。
このような開発事業による環境への悪影響を防止するためには、事業の内容を決めるに当たって、事業により得られる利益や事業の採算性だけでなく、環境の保全についてもあらかじめよく考えていくことが重要となります。
このような考え方から生まれたのが、環境アセスメントです。環境アセスメントとは、開発事業の内容を決めるに当たって、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて調査・予測・評価を行い、その結果を公表して国民、地方公共団体などから意見を聴き、それらを踏まえて環境の保全の観点からよりよい事業計画を作り上げていこうという制度です。法律面では平成9年6月に「環境影響評価法」が制定されました。

博覧会協会では「環境グループ」という組織を設けて、平成10年3月の通商産業省からの通達(「2005年日本国際博覧会環境影響評価要領」)に基づき、翌4月より環境アセスメントを開始しています。会場の決定に至る過程では、オオタカの営巣の発見などで曲折がありましたが、平成13年12月に現在の会場が決定されました。また、会場が決定された後も、工事に伴う騒音や振動、会期中の催事等で発生するスピーカーからの音や、夜間空中へ放射される光照明の環境に与える影響を調査し、環境負荷が最小限になるよう対応しています。
これらの環境アセスメントは200項目以上にのぼります。

愛知万博の環境影響評価は21世紀の新しい環境影響評価のモデルとなる様々な先駆的試みがなされてきました。例えば、

  1. 施行前の環境影響評価法(平成11年6月施行)の趣旨を先取りし、事業に関する情報を国民に広く提供し、また意見を聞き、事業計画に反映する。
  2. メインテーマ「自然の叡智(Nature’s Wisdom)」に沿って、この豊かな自然の現代的意義や未来的価値を保持し継承していくためには、どうあるべきかを考えながら、この理念の実現を目指す。
  3. 事業内容は広範囲に及ぶもので、施設等の計画の内容や熟度は様々であるため、事業計画へのフィードバックが十分に行われるような(会場計画策定と連動した)取り組みを目指す。
  4. 住民や専門家・関係行政機関の方々への情報の発信・提供や意見聴取等を幅広く行う。法律にも義務付けられていない「実施計画書」の説明会の開催なども積極的に行う。また、「EXPOの耳」といったインターネットを通じた国民からの意見も参考にする。

などです。

今後、同様な開発事業が日本だけではなく世界で計画された場合でも、手本となるような道筋を示すことが出来たら幸いです。

環境影響評価書の作成

「開発事業が環境にどのような影響を及ぼすかについて調査・予測・評価を行う」ことが環境アセスメントであることは前項で説明しましたが、具体的に何をどうしていくのかを簡単に説明します。
最初に、環境影響評価法などでは開発事業の規模の大きさで環境アセスメントの対象になるかが決まります。ただし、中小規模であっても環境に与える影響が大きいと判断される場合は対象になります。対象になった場合、法律などに示された手順にて環境アセスメントの実施が要求されます。この愛知万博は法的には環境アセスメントの対象にはなっておりませんが、平成7年12月の閣議で「本博覧会の開催に当たっては、環境影響評価を適切に行うこと」とされたことからアセスメントの趣旨を踏まえた活動を進めてきております。
アセスメントの手続きとしては、「アセスメント方法の決定」を経て、「アセスメントの実施」「環境影響評価準備書の作成」「環境影響評価書の作成」と続きます。途中の段階で、住民の方々や、専門家・関係行政機関の方々の意見を聞き、修正を加え、環境影響評価書を完成させます。
博覧会協会環境グループでは、平成14年6月にこれを完成し、公告いたしました。これによって事業開始が公に認められたことになります。その後追加で完成した追跡調査(予測・評価)報告書(その1~その4)を含めると、ファイルは30cmの厚さになります。

環境影響評価書および追跡調査報告書

環境影響評価書および追跡調査報告書

平成14年6月に完成した環境影響評価書の発行と併せて、
「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書のあらまし」 PDFを発行いたしましたので、要約についてはこちらをご覧ください。

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